苗字→名前の切符で旅行してみた
こんにちはむかわです。今回は、苗字→名前できっぷで旅行をしたので、記事にします。
さて突然ですが皆さんは自分と同じ名前の駅はありますか❓苗字(family name)と同じであれば、田中駅(しなの鉄道線)、高橋駅(佐世保線)、山田駅(阪急•大阪モノレール)など枚挙に暇がありません。しかし、名前(given name)と同じ駅となると数が限られてきます。例を挙げると、結城駅(水戸線)や由比駅(東海道本線)、隼人駅(日豊本線•肥薩線)などがあります。意外なものとしては、磐越西線の日出谷(ひでや)駅や肥薩線の真幸(まさき)駅なんてのもあります。JRに限らず、私鉄•三セクにおいても、田老駅(三陸鉄道)、高師駅(豊橋鉄道)、武志駅(一畑電車)などの例がありますが、やはり少ないです。
しかし、なんと僕と同じ名前(given nameのほう)の駅があったんですよね、九州に。しかも苗字と同じ駅も存在します。フルネーム行けるやんけ。これは苗字→名前の切符を発券するしかないだろ!ただ、苗字の方は漢字まで同じなんですけど、名前側は読みだけが同じだったんですよね。そこで英語の切符を買えばいいじゃないかと思い付いたわけです。天才?
思い立ったが吉日。最寄りの駅の指定席券売機で買いましょう。
だめでした。オタクの異常行程(鈍行メインで一部区間だけ新幹線に乗る)に対応していませんでした。乗車券だけの発券もできませんでした。オタクにやさしくない仕様。外国人しか使わないけど。
ということで窓口のある駅まで向かうことにしました。
こちらでも乗車券だけの発券はできなかった。でもオタクの異常行程には完全対応しており、なんとか発券できました。
こちらがその切符です。
僕の名前はみずきです。苗字は?非公開です。梅小路京都西かもしれないし、衣摺加美北かもしれないし、真壁(廃駅)かもしれない。鵡川みずきの可能性もある。新しいソシャゲのキャラクター?
とりあえず無事購入できたので、この切符でみずき駅に向かっていきましょう。苗字は非公開なので途中の経路については端折って、この記事では下関に着いた辺りから書き始めます。
鉄道界隈では常識ですが、基本的に片道100㎞以上の切符は途中下車が有効です。それを活かして途中、人口約26万、山口県最大の都市下関に降り立ちました。その中心駅となる下関駅は山陰線、山陽線、九州方面への線路がそれぞれ伸びており、まさに交通の要衝として相応しい風格があります。
そんな下関に途中下車して向かう場所と言えばどこでしょう。そうです、関門トンネルです。徒歩で本州から九州へ渡ることができます。これは渡るしかないでしょう。ちなみに初めての九州です。多分普通の人は新幹線か飛行機で初めての九州上陸を果たすと思う。徒歩で初めての九州上陸を果たす異常者になりました。
ジャンプで県境をまたぎました、一人で。その様子はどこかに上がっているので頑張って探してください。観光客らしいカップルに白い目で見られました。あのさ。
意外と観光客以外もいるらしく、関門トンネルでランニングしてる人とかもいました。意外と需要あるんだ。
電車オタクなので、関門トンネルからわざわざ下関にまた戻って普通列車に乗りました。オタクだからデッドセクションを体験したい。
一般に県境区間は需要が少なくなることが知られていますが、この下関~小倉間は比較的需要が大きく、座席がすべて埋まり、立客も出るほどでした。日常的に使う乗客が多いだけにデッドセクション区間で電気が消えても乗客は特に反応していませんでした。
鹿児島本線、普通列車少なすぎ&遅すぎなので、小倉に到着した後は特急に課金することにしました。来た車両は白いソニックでした。ミトーカデザインの中で唯一好きな車両です。
博多到着!夜も遅いので、今日はここをキャンプ地にします。
おはようございます。朝です。早速水城駅に向かっていきましょう。ただ水城駅には快速が止まらないので普通に乗らないといけません。日中時間帯だと毎時3本です。少なすぎ。快速は2本です。しかも一部区間でしか通過運転を行わない。少ないし不便。人口160万の都市とは思えん。しかも人口90万の都市と30万の都市を衛星都市として抱えているのにこの本数。JR九州大丈夫?
みずきです。水城駅に到着しました。みずきとみずきのツーショットを撮りました。JR東やJR西と違い、ひらがなが一番大きく印字されているのがいいですね。全国のみずきに配慮されている。きの字が希でも樹でも季でも対応できるのが素晴らしい。(違います)
さて、この水城駅、駅名は付近にある水城跡に由来します。城という字が示すように、防衛施設としてつくられたものです。一般に城という字には殿様が住む大きな建物のような印象を持ちますが、原義では城壁のことを指します。この城壁、水城は、白村江の戦いの敗戦後に唐・新羅からの侵攻に備え、作られたものです。南側には大宰府があり、そこの防衛施設といえます。しかし、実際に防衛施設として機能を果たすことはなく、むしろ往来の場、出会いの場、別れの場としてその後の文献に現れることになります。
水城は東側と西側にそれぞれ門があり、上の画像は西門のものです。西門周辺は何の変哲もない住宅地が広がっており、かつての門の跡は何も残っていません。後で紹介する東門の方が整備されています。
水城の最寄りは水城駅の他にも西鉄下大利駅があります。JRは普通しか止まらない一方で、西鉄は急行も止まります。日中は毎時6本の普通に加え、毎時4本の急行の計10本も走っており、JRと比べて圧倒的に便利です。しかも西鉄なら天神まで直通してるし。なのでただ水城に行きたいだけなら西鉄で向かうのがおすすめですね(ただし博多から向かうならJRの方が便利)。
また、水城駅の周辺は一戸建てが中心なのに対し、下大利駅周辺はマンションが多く、駅の東側には団地も広がっています。
水城の東側に向かっている最中に通った橋。「みずきはし」というらしい。俺のための橋?
ところでなぜみずき"ば"しではなく、みずき"は"しなのだろうか?一般に日本語の複合語では後ろの語の語頭が清音から濁音に変わります。例えば、日本橋はにほんはしではなくにほんばしと発音します。同様にこの橋も発音としてはみずきばしとなるはずです。しかし、銘板の表記ははしです。この橋について調べたところ、どうやら読みはみずきばしらしい。なんで濁点ついてないんや。また、東京にも水木橋があるらしいのですが、こちらもなぜか銘板はみずきはしになっているようです。なんで銘板に濁点付けてないんや。謎は深まるばかりです。
閑話休題。
Mizukiの住所表記も見つけました。まあみずきって地名自体は新しく造成された住宅地に付けられることがあるから珍しいものではないんだけど。
水城の東側までやってきました。県道が走っており、それなりに発展しています。この県道はかつての官道で、江戸時代には街道として利用されていたそうです。
みずきさんが書いた碑があった。マジで?!みずきが水城に碑文を書いたなんて運命的やな!!!!!と思ったらどうやら改名してみずきになったそうです。おい。生まれながらのみずきじゃないやん。なんなん?俺が代わりに書いていい?ちな高校の習字の成績普通。
水城の東門には水城館という小さな博物館があります。俺の歴史が展示されてるの?いいえ。俺の歴史については展示されていませんが、水城の歴史について詳しく知ることができます。無料です。
また、この東門には、この水城の地で詠まれた歌の石碑があります。
解釈については触れません、ぼくは国文科ではないので。大宰府を離れる大伴旅人に対し、別れを惜しむうかれめの児島が贈った歌とその返歌です。実際はもっと長いらしいですが、石碑に載っているのはこの部分だけです。
かつてはこの水城を越えることが強烈なものだったのでしょう。現在の都市近郊に見られる無味乾燥とした街並みからは想像できません。
ところで大宰府といえば大宰府天満宮が有名ですよね。これ全国のみずきに参考にしてほしいんですけど、水城→大宰府天満宮と訪問するのにおすすめの交通手段があります。
それがこのまほろば号というコミュニティバスです。1乗車100円という破格の値段で乗れるのに加え、ICカードにも対応しています。水城から南に歩いて西鉄都府楼前駅まで出ると大宰府駅方面に向かうバスに乗れます。大宰府駅に向かう系統は内山行と北山方面行の二系統があります。
ぼくは天才なので、おそらくバスがあるだろうと調べ見つけ出しました。水城から都府楼前駅まで歩きました。都府楼前駅からは各方面にバスが走っているらしく、駅前のバス停には高齢者がたむろしていらっしゃいました。しかし、ぼくが乗ったバスには高齢者一名が乗ったのみでした。皆様どちらへ向かわれるのでしょうか。バスは途中大宰府政庁跡、観世音寺、西鉄五条駅を経由し太宰府駅に辿り着きます。観光名所を経由するものの、そもそも一般観光客は博多駅からバスもしくは天神から電車に乗って来るので本当に地元民しか使わなそうですね。それか俺。全国のみずきで水城跡→大宰府の流れを作り出すしかないな。いや、多分そんなことしなくても十分コミュニティバスは維持できてるんじゃないか。でも水城跡を訪問→大宰府の流れは歴史を踏まえているのでおすすめですよ。
大宰府に到着。関東で言うと江ノ島みたいな場所。いや門前町はどこも江ノ島だよ(暴論)。全国的に有名な観光地だけあってとても賑わっていましたね。
大宰府天満宮に、お参りします(単位が、ヤバかったので)。みんな学問の神様っていうと受験を連想しがちだけど、もっと学問一般についてのお参りでいいんだよ。
何か工事中だったのかハリボテと賽銭箱だけが置いてありました。小6の修学旅行で日光東照宮が修繕か何かで見られなかったの思い出した。でもこれはこれで貴重なのでOKです。
本殿自体は横から見れました。なんやねん。
そしてこの横にかの有名な飛梅があります。
ちょうど咲き始めたころだった。タイミングいいね。コイツが主人のために京都から大宰府まで飛んできたっていう梅か。純愛?何の変哲もない梅だった。ほんまに空飛ぶんかなコイツ。
神社の外の梅も少し咲いていました。誰も気づいてなかったけど俺はお前に気づいてたよ(イケボ)。美しい花を咲かせ始めて徐々に春の訪れを感じる今日この頃。
そういえば絵馬に「単位取れますように」って書いて奉納しようかと思ったけど、受験生が「○○合格!」って書いてる中に俺のカスみたいな絵馬があったら申し訳ないのでやめた。おじさんにも君達受験生みたいに輝ていた時期があったものだねえ(しみじみ)
ちなみに単位はしっかり落としました。
気付いたら苗字→名前の切符の話よりみずきについて語る記事になってたな。ここまで読んでくれてありがとう。よければシェアしてね