カナリヤ
私がパートナーと出会った頃、私たちは上司と部下でした。
仕事はとても忙しく、しかしそれは充実した日々でした。
それから少しの時間が経ち、私は鬱になり休職をしてその後仕事を辞めました。
パートナーも諸事情により仕事をやめました。
私たちは世間から放り出されたのです。
まるで、この世界に2人きりになってしまったような気持ちでした。
仕事をする人、学校へ通う人、幸せそうな家族たち。
そんな人々を横目に見ながら、私たちは、ただ生きていました。
ただ、生きてきました。
何度も、どうやって死のうかと話し合いました。
終の住処を探しながらも、心のどこかで死に場所を探していました。
あれから何年経ったでしょう。
パートナーは新しい仕事をはじめました。
私は未だ働くこともできずにいます。
人生の幕引きをどうするべきか、そんなことばかりを考える毎日です。
私が死んでしまっても、どうかこの人はしあわせに生きていってくれますように。
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