大切な人を亡くすということ

私には、今でも仲良くしている高校時代の同級生たちがいる。
学生時代の友人は彼女たちだけだ。

そのうちの2人は25歳と27歳で自死している。

その時の記憶は、今でも真空保存されたままである。
彼女たちの笑顔も涙も、手を伸ばせばすぐに触れることが出来そうなくらい、彼女たちがもういないという事実を受け止められないまま10年以上生きてきた。

私は今でも、ふとした時に希死念慮に襲われる。
そういった時、いつも考えることがある。
私たちが感じた悲しみや苦しみを、もう一度彼女たちに与えてしまうかもしれない。
あの時感じた、やり場のない、言葉に出来ない感情を。

今はもういない彼女たちが、全ての悲しみや苦しみから解放されて、安らかであることをずっと祈っている。
彼女たちの選択を責める気持ちは微塵もない。

ただ、もう一度だけでいいから会いたい。

人は、亡くした人の声を最初に忘れていくと聞いたことがある。
彼女たちの声を、私は今も忘れていない。
きっと、死ぬまで彼女たちの声を忘れることはない。

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