私の神様たち
チバユウスケが死んだ。
10代の多感な頃、私はリストカットをしていた。
今でも左腕にはその傷跡が生々しく残ってしまっている。
死んじゃいたい、痛い思いをしたい、そんなことばかり考えていた私が、唯一誰かに認められたのが歌だった。
中学生でバンドを始めた私は、音楽に救われて音楽と共に生きてきた。
歌っている時だけは、生きていることを赦されているような気がした。
悲しい時、寂しい時、ヘッドフォンで何度も何度もチバユウスケの歌を聴いた。
男の人に生まれて、こんなかっこいい声で歌いたかった、と思っていた。
サンタクロースが死んだ朝に
そんな歌を歌っていたチバユウスケが死んだ。
もう、この世界のどこにもチバユウスケがいない。
清志郎もデヴィッドボウイもチバユウスケも死んだ。
私の神様たちがみんな死んでしまった。
この世界に希望はまだあるのだろうか。
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