『人生のピークはどこに置くべきか』 2022.04.13
為末大さんのコラムより。
『人生のピークはどこに置くべきか』というお話し。
為末さんの考え方、いつもながら共感多々。
特にドキっとしたのは、子どもの成長に関して。
>特に心理的なものの育成には時間がかるので、早い段階で結果を出させるにはこれらを無視する方がうまくいきます。しかし、そのこと自体が将来のパフォーマンスの低下につながります。
すなわち、
早い段階で結果を出させるには、心理的な育成を無視すると手っ取り早い。が、将来のパフォーマンス低下につながる。
ということ!!!
これは非常に納得である。
ワタシも、我が子のスポーツへの成長(我が家の場合、小2男子がサッカーに夢中。小5女子は、踊ることが大好きだが、バレエはゆるやかにwレッスン受講中)に際して、気をつけよう。
本当に、気をつけよう。
特に息子。どうやら本当にサッカーが好きらしく。"サッカー選手” になりたいそうだ。
ピークが適齢年齢(10代後半?)にくることを願って、いまの目先の結果に一喜一憂せずに。
彼がサッカーが大好きな気持ち、純粋に好きと思う気持ち、大好きな喜びを大切に。
ひたむきにボールを追うキミの姿、これからも母ちゃんはそっと応援しているよ。
ワタシの人生でも。まだまだたくさんのピークがやってくる🌸と、思って、毎日を積み重ねてゆこう。
いつもありがとうございます‼️
下記に全文を掲載。
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佐々木朗希投手が素晴らしい偉業を成し遂げました。佐々木選手は高校時代、甲子園がかかった試合で監督さんが疲労のため投球を回避させたことで有名です。その時チームは敗れましたが、遠からず今回の偉業にその判断が影響していると私は思います。さてそのような長期的視点に立った指導を見てまず思い浮かぶのは「人生のピークはどこに置くべきか」という問いです。語ってしまうと少しどきっとしますが、人生には必ずピークがあります。
生涯に渡り常に向上する「つもり」で生きていくことは素晴らしいです。一方過去を紐解き、歴史的偉業を成し遂げた偉人などをみると本人が意識していなくてもピークがいつだったかわかります。100年も経てばほとんどその人の人生はピークの瞬間のみで語られようになります。もちろんこれはその人の幸福感とは別の話です。あくまで業績でありパフォーマンスの話です。
たとえば競技者であればいつピークを迎えるかによってトレーニング方法が違います。ある段階で適応したことが次の段階の弊害になることを早すぎる最適化と言います。一体どの段階のどのような環境に適応していくのかは大変重要です。この時カギになるのは「後から得難いことはなにか」です。
身体的な事でいうと得難いのは、連動、全力を出す事、巧緻性などです。思いっきり力を出したり、体をうまく連動させたり、回転したりボールにうまく体を合わせたりする能力は早い方がいいです。ですから卓球も体操も競技開始年齢が早いです。一方心理的なものは、基礎的な知性、好奇心、楽しいと感じることは後天的に獲得し難いです。これらが先天性なのか幼少期の環境の影響なのかはよくわかりません。特に心理的なものの育成には時間がかるので、早い段階で結果を出させるにはこれらを無視する方がうまくいきます。しかし、そのこと自体が将来のパフォーマンスの低下につながります。
仕事にもピークがあると感じるようになりました。何歳の時にどのような仕事で自分はピークを迎えたいのか。運にも左右されますから完全な予測は不可能ですがそれでも自分なりに考える必要があります。なぜなら仕事もおそらくですが、ピークをどこに置くかで求められるスキルと経験が違うからです。
もちろんスポーツのように単一の線ではなく、仕事はいくつかのピークを重ね合わせていくものだと思います。また一つのピークが終わりつつある中次のピークがやってくるようなこともあるでしょう。何より大事なことはピークを過ぎたことをきちんと自分で理解することだと思います。もう少し実用に寄せるなら「学びのピークが過ぎたことに気がつけるか」ということです。
やり続ければ人間は当然何かは学んでいきますが、たとえば最初は10%/月の勢いで学習していたことが3年経ち、1%/月になるなど学習効率が下がります。いやその最後の詰めが大事なんだと考えるか、または効率が下がった段階で次に行くのかは価値観だと思います。ただ、学習効率は一定期間を過ぎたあと下がることを知っておくことは大事です。
仕事でもう一つ大切なのは、一つのピークを終えたあと次のピークのイメージを持てるかどうかだと思います。最初のピークはある程度純粋にスキルと意欲に依存すると思いますが、次のピークは経験とネットワークかもしれませんし、最後は存在感かもしれません。コーチになったのに選手に張り合ってもしょうがありません。フェーズが違えば提供する価値もまた違います。
たとえば仕事は実行、戦術、戦略、思想のように段階が上がることが多いですが、レイヤーが上がるほど読書が効くと感じました。決めるということは判断するということで、判断するための軸がなければ意思決定をするのはなかなか大変です。またマネジメントも人間とは何かの自分なりの考えを持っていないとこれも大変だと思います。
ピークが過ぎたとはっきりわかってから降りるよりも、自ら気が付き次のピークに向けて準備しつつ降りる方が有利なのだと思います。そして苦しいことに大体周りが思うピークは本人の学習のピークは過ぎて安定的なパフォーマンスが出せるようになった段階で訪れます。要するに成長し続けるには常に「え、もったいない。今からなのに」という外部からのプレッシャーと向き合わないといけないのだと思います。最近は成熟や、円熟ということに興味を持っています。年齢を重ねるごとに戦うフィールドはより複雑に、より人格依存的に、より自己抑制的になるのだと思います。
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