ニンジャスレイヤーTRPG2版シナリオ 「ティア!ロケッティア・アンド・ニンジャ・ブラザーズ」
◆始める前に
この記事は、ニンジャスレイヤーTRPG2版用のシナリオ記事である。 使用と改変は自由にしてもよい。
提供される参照用イメージは全てアンスプラッシュで提供されるイメージで、著作権者表記なしに商業、非商業的に利用可能だ。
プラグイン環境に基づき、狂気ルールがNPC に適用されている。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1r69Mbfv_r2nSVUMun1bpdzb8kGI_6tuX-A9RhFsT3PI/edit?usp=sharing
◆シナリオサマリー
このシナリオはソウカイヤのニンジャをメインとし、闇のビジネスに身を包んだストリートニンジャや中立的な傭兵ニンジャまで幅広いPC用に使用できる。(他組織のニンジャが同行する場合も可能であるが、基本的には「なぜ一緒にこの事件を解決するの?」という疑問が生じかねない。)
◆ダンゴウ
シナリオの全体的な流れは、PCがインパルスとバーグラーが送った座標の位置に向かい、それぞれの場所での資料を収集し、最終的に彼らを殺害したとみられる者たちが向かった場所に向かって決着をつけることだ。 基本的に1版シナリオである「バーグラー殺人事件」をベースにして多くの修正をしたシナリオであり、「もしこうなったらどうだっただろうか」というIFバージョンのシナリオだ。 バーグラー殺人事件よりさらに強化された敵が出てくるので、もしIFストーリーではなく原作の内容どおり進行したいならば、マスターは彼らがなぜ原作よりさらに強いのか理由を付け加えたり、シナリオ展開と敵データを修正する必要があるだろう。
また、シナリオの開始地点が「PCが占拠して使用しているブラッド・カタナ・ヤクザ・クランの事務所」となっているため、もしそうでない状況でこのシナリオを使用するならば、談合部分の修正が必要だろう。 簡単な例としては「ツチノコストリートで任務を遂行していた君たちは…」に修正する方法があるだろう。
◇「インパルス」と「バーグラー」
インパルスとバーグラーはソウカイヤのニンジャであり、一般的には両方ともPCより先輩だ。 ルールブックのNPCデータよりPCの能力値がはるかに高い状況である可能性が高いので、シナリオ内で登場する敵の水準を考慮して一部上方修正して登場させても良い。 (両方とも死亡した状態で登場するため、それほど重要な事項ではない。)
インパルスが伝送した座標はツチノコストリートの裏通りであり、バーグラーが伝送した座標も同じくツチノコストリートに位置するヤクザ事務所だ。
一刻を争う状況であるため、マスターは以下の状況程度だけ確実に知らせた後、PCをそれぞれの位置に移動させた方が良い。 基本的には2人ずつペアになって、一群はインパルスが伝送した座標で、もう一群はバーグラーが伝送した座標で行くことにする。 実際、切迫した状況であるためだ。
◆現場調査A:インパルス殺害現場
インパルス殺害現場での調査は、代表者一人の【ニューロン】による『事前調査判定(難易度:HARD)』からなる。 失敗した場合でも基本情報は提供されるが、ペナルティを得ることになる。
提供される情報はインパルスを殺害した人々に対する情報であり、即応ダイスを得ることも可能である。
◆現場調査B:バーグラー殺害現場
バーグラー殺害現場での調査は、代表者一人の【ワザマエ】による『調査判定(HARD)』で行われる。瞬間的な状況判断とセンスで行われるからだ。失敗した場合でも基本情報は提供されるが、ペナルティを受けることになる。
提供される情報はバーグラーを殺害した者たちの情報であり、即応ダイスを得ることも可能である。
◆シナリオ本編
各殺人現場での調査は、まず分割されたチームが現場に到着したそれぞれの様子をまず両方とも描写し、その後調査を進めることをおすすめする。もし片方のシーンばかりが続くと、もう片方は退屈してしまう可能性があるからだ。資料調査が終わり次第、お互いにIRCで情報共有ができるようにし、ジェット噴射の痕跡が向かった場所とハッカードージョーの位置が一致することを確認させてから、すぐにハッカードージョーに移動すればよい。その間にアイテムの購入や販売などの簡単な再整備の時間を与えたり、休憩時間を設けてもよい。
◆シーン1:ハッカードージョー突入
もしプレイヤーたちが「窓から奇襲」したり、「隠密に移動して襲撃する」という選択をするならば、許可してあげると良い。窓から奇襲する場合は、窓の近くにPCを自由に配置させてから、窓を越えて移動してアンブッシュをかけるようにすればよいし、建物内でこっそり移動して襲撃する場合は、グリーンエレファントの【ニューロン】とPCの【ワザマエ】による『対抗判定(NORMAL)』に成功した場合にのみ許可するとよい。この場合、ワザマエが低いキャラクターなどが「私はアンブッシュに参加しない」と言う場合は、そのようなキャラクターを除いて判定させればよい。判定に参加した全員が成功しなければアンブッシュをかけることができず、一人でも判定に失敗すればアンブッシュはできない。
失敗した場合やそのまま突入した場合は、右下のUNIX装置付近に適当に配置させてから通常の戦闘フェイズを開始すればよい。
バグラー殺害現場での現場調査が失敗していなければ、3ターンの開始時に、他の存在の出現を直感的に感じられたことを予告し、プレイヤーに回避ダイスの配分に気をつけることと、適量の回避ダイスを残しておくことを伝える。その後、現在マップ上に存在するこれらのターンが全て終了した後、ヤクザ天狗、ヤマヒロ、ガスバーナが登場し、それぞれのターンを持った後、4ターン目に進む。(ほとんどの場合、ガスバーナは連続して横移動するだけであろう。)4ターン目には、それぞれの汽船の数値に応じたターンを持つ。
マズダ・タロ
◆マズダ・タロ(種別:モータル)
カラテ 2 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 1 脚力 2
ジツ 0 万札 2
◇ 親密度:マズダ・ジロ(4), マズダ・サブロ(4)
ほとんどの場合、PCたちはマズダ・タロと初めて対峙することになる。ほぼ即座に、マズダ・タロは中のグリーンエレファントを呼び出し、ニンジャの出現を知らせる。
戦闘中、マズダ・タロは何もできない。ただし、グリーンエレファントやガスバーナーがマズダ・タロに隣接した状態で回避に成功したりする場合は、マツダ太郎の助けを借りて回避に成功したという風に描写するのが奥ゆかしい。親密度の場合は、兄弟の関係をどう設定するかによって修正すればよい。
グリーンエレファント
◆グリーンエレファント(種別:ニンジャ)
カラテ 12 体力 14
ニューロン 7 精神力 8
ワザマエ 10 脚力 6/N
ジツ 0 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 13/11/10/13
回避/精密/側転/発動 15/11/10/8
◇装備や特記事項
▶▶▶生体LAN端子Lv3
伝統的ニンジャ装束セット
『◉◉タツジン:ジュジツ』『◉ポン・パンチ』『◉トライアングル・リープ』『◉防具熟練』
『◉暗殺者の目』『◉ニンジャソウルの闇』
◇ 親密度:ガスバーナー(2), マズダ・タロ(1)
グリーンエレファントの行動様式は、まずトライアングル・リープをつかってPC達に接近してきた後、一人の対象にカラテ攻撃を2回加えてくる。 3/10、あるいは2/11、敵が乱れ具合なら1/12までの極端なダイス分配で攻撃する。 回避の場合には、攻撃成功値の低い攻撃に対してカウンターカラテを「野卑に」狙う方式とする。
例えば成功数が1~2の攻撃に対して3つ程度の回避ダイスを分配する方式。 そうでない場合は、普通に回避すればよい。 もしパリーガードに当たって乱れ具合になったことがあるなら、その敵を重点的に攻撃する。 シーン2に突入してからは、13本のダイスを使い一度の攻撃をして久津和座を狙う攻撃ができるだろう。 ヒサツ発動時には精神力を使う。
◆シーン2:ミツドモエの始まり
前述したように、3ターンにヤクザ天狗、ヤマヒロ、ガスバーナーが現れる。 それと同時に三つ巴戦が始まることになり、アートモスフィアHの4ターン目から本格的に進むことになる。 これは意図された仕様であり、3ターンという時間にグリーンエレファントが4vs1戦闘をすることになるのだ。 もし2ターンが終わって3ターンが始まるとき、グリーンエレファントの資源(一般的には体力を重点的に見ればいいだろう。)が多く消耗していない状況であれば、1~2ターン程度乱入を延ばしても大丈夫であり、この場合アートモスフィアの変化は乱入が延ばされただけに先送りした方が良い。
ガスバーナー
◆ガスバーナー(種別:ニンジャ)
カラテ 6 体力 8
ニューロン 8 精神力 16
ワザマエ 10 脚力 5/N
ジツ 5 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 7/11/9/10
回避/精密/側転/発動 11/11/10/18
◇装備や特記事項
▶生体LAN端子Lv1
▷ジツ支援サイバネ
伝統的ニンジャ装束セット
家族の写真
『◉◉タツジン:イアイド』『◉◉グレーター級ソウルの力』『☆◉カトン触媒』『◉防具熟練』
『★◉ ヒサツ・ワザ:カトン注ぎ込み』『◉ニンジャソウルの闇』
『☆カトン・ジツ Lv3』『★カトン連打』『★★カトン・ウェポン生成』
◇ 親密度:グリーンエレファント(3), マズダ・タロ(3)
大部分の場合、3ターンの先に乱入してガスバーナが連続側電で最短距離で移動しても、PCにカトン連打を使えるほど隣接することはできないだろう。 いずれにせよ、3ターンの先端ではカトン・ウェポン生成でカタナを装着する。 原作にはない設定として、ヤマヒロとの対比のために入れたものなので、NMが望むなら単にカトン連打に特化した忍者に再設定しても構わない。 もし1人を強く叩いてもいい場合は強化精密攻撃、複数を叩いてもいい場合はカトン連打で行けばいい。 カトン連打は偏差が非常に大きい技なので、注意が必要だ。 ほとんどの場合、ガスバーナは耐久性が低いため、1位に追い込まれて爆発死産する可能性が高い。 カトン連打を1回も使えずに死ぬこともあるが、それはそれでいいのだ。
ヤクザ天狗
◆ヤクザ天狗(種別:ヤクザ天狗)
カラテ 6 体力 13
ニューロン 14 精神力 18
ワザマエ 8 脚力 4/N
ジツ 0 万札 8.93
攻撃/射撃/機先/電脳 7/15/11/12
回避/精密/側転/発動 13/10/10/10
◇装備や特記事項
リデンプション&アブソリューション(回避難易度基本Hのオートマチック・ヤクザガン×2)
▶生体LAN端子Lv1
▶▶サイバネアイLv2
▷高性能赤外線ターゲッター
▷全方位監視アイ
▶▶▶クロームハートLv3
▷第二の心臓
▷▷ジェットパック
▶テッコLv1
**聖戦士の天狗オーメン**
『○ヤクザ天狗』(狂気スキルを複数装着できる。 狂気によるペナルティを受けない。)
『◉◉タツジン:ミリタリーカラテ』『◉重サイバネ』『◉トリガーハッピー』『◉空中制動』
『◉狂気の中の真実』『◉聖戦士』『◉シャープシューター』『◉超越者の目』
◇ 親密度:ヤクザ天狗(4), ヤマヒロ(4)
種別はモータル、重サイバネとして扱い、所持万札は9万札として扱われる。 ヤクザ天狗の射撃方式は視野に入った忍者たちに均等に射撃することだ。 論理トリガーと強化トリガーハッピーを繰り返し使用する。 ヤマヒロが死ぬまでは逃げず、ヤマヒロを連れて逃げようとする。 ヤマヒロが亡くなった後はすぐに飛行移動で8マス移動しマップから抜け出そうと試みるが、戦力移動はしない。 道路の幅が8間あるのは、ヤクザ天狗がすぐに逃げるのを防ぐためだ。
ヤマヒロを連れて動く時も、特に移動可能マス数が減ることはないように処理する。 最初の突入時にもヤクザ天狗がヤマヒロを連れて移動した後、(ヤクザ天狗の移動終了位置に隣接したマスに配置することで処理する。)以後ヤマヒロがその位置で順番を始めることになる。
ヤマヒロ
◆ヤマヒロ(種別:ーータル)
カラテ 6 体力 17
ニューロン 7 精神力 7
ワザマエ 10 脚力 3/N
ジツ 0 万札 14
攻撃/射撃/機先/電脳 8/9/4/7
回避/精密/側転/発動 10/12/7/6
◇装備や特記事項
*築城されたカタナ* ニンジャ相手に攻撃ダイス+2.(適用された)
キールエレファント重装甲冑セット(フルプレート)
『◉◉タツジン:イアイド』『◉鍛錬された身体(サツバツ発生可)』『◉連続測電』
『◉トライアングル・リープ』『◉ブシコ・カラテ』『◉ㇺン・シャドウ』
◇ 親密度:ヤクザ天狗(4)
一般的に回避ダイスが最も少ないに向かって連続側転後、トライアングル・リープで壁を蹴って移動して強化精密攻撃を加える。 全てのダイスを1つの攻撃に使い切ってヒサツワザを狙う攻撃もする。 ヤクザ天狗に脅威となるニンジャを攻撃するような感じで運用すればよい。
◆シーン3-1:副収益!
ヤクザ天狗とヤマヒロ、グリーンエレファント、ガスバーナーをすべて倒した場合、このシーンにつながる。
計6つのUNIXが存在する。 代表者1人が、最大6回まで望むだけハッキング判定を試みる。判定ごとに判定ダイスが1減少する。 (最初の判定が8個だったら次は7個)
判定1回成功した場合は4万札、2回成功した場合は8万札、3回成功した場合は16万札、4回成功した場合は32万札、5回成功すれば64万札、6回成功した場合は128万札を万札プールに追加する。
ネオサイタマ市民の電子口座をハッキングして手に入れたのだ。
判定を試みるが失敗した場合、最後に成功した判定より一段階低い満札が満札プールに追加される。例えば、6回目のハッキング判定に失敗した場合、4回成功時の満札が満札プールに追加される。
◆シーン3-1-1:君がヤクザ天狗だ。
ヤクザ天狗にサツバツ! 効果を加えたPCはニューロン判定Hに成功した場合、「瞬間目撃した仮面の下の顔」を思い出すことができる。 当該判定に成功した場合、狂気に抵抗するためのニューロンUH判定を行う。 ヤクザ天狗の顔がもう少し老けたヤマヒロの顔だったからだ。 失敗した場合、『◉狂気:ヤクザ天狗』を強制習得し、聖戦士の天狗オーメンを装備する。 強制される要素ではないが、以後進行する最初のセッション程度はヤクザ天狗と似たRPを行うことを推奨する。
その他にも、ヤクザ天狗の意識を模倣する行動をしたPCは判定なしでヤクザ天狗化させてもよい。
◆シーン3-2:逃走
もし三つ巴戦が行われている間にプレイヤーが逃走を宣言すれば、皆逃走できる。 三つ巴の戦いであるため、一勢力の離脱を防ぐ余力が敵にないからだ。
一つの勢力が壊滅した状況の場合には、建物から脱出してマップの外まで移動してこそ脱出できない。
◆シナリオのエンディング
ヤクザ天狗とヤマヒロの生存可否、ガスバーナーとグリーンエレファントの生存可否、マズダ・タロの生存可否、参加したPCの所属組織と性向などの多様な要素によって色々な結末が出てくるだろう。 それに伴ういくつかの例を紹介する。
◆隠された背景
このシナリオは、プラスエピソードである「ザ・リデムション」と「ジ・アブソリューション」で、過去に行きデグチを殺してヤクザ天狗になったヤマヒロがそのまま長い時間を生きながら2030年代の作中時点まで生存し、ヤクザ天狗になっていない自分を訪ねてニンジャとの戦闘で戦えるよう訓練させ、事務所にやってきたバーグラーを一緒に倒した後、マズダ・タロを救うためハッカー東条に向かったという原作ベースのオリジナル設定を使用している。 もし他の設定を使いたいなら、若干の改変が必要だろう。
◆評価と補償
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