エビフライでバントしたい〜沖縄キャンプで見た山浅龍之介選手〜
※2/19 21:10 羽田空港寒すぎ。
※2/20 18:10 タイトル諦め
こんばんは。たった今、羽田空港に降り立ちました。えーす(25歳・福島県出身・女性・最近の悩み:ペーパーでゴールドなりそう)です。
羽田空港寒すぎ。浮かれ気分で半袖とか着たままで帰って来なくてよかったなと思いました。今朝の自分の理性に感謝。まぁ水族館にお土産は置いてきたんですけどね。
慣れない運転と慣れない土地でグロッキーになり行ったはいいものの1日ホテルから出られず…… ということは全くなく、むしろ「あ、車線変更出来ね( ᐛ )」「右折!? 知るか!!」「やべー沖縄にあんぽ柿売ってら。あ、パッケージにキビタン(28歳・キビタキをイメージした福島県のマスコットキャラクター・ばかでけえ)おるやん! 丸!」「おキャット様はおキャット様だが、犬は犬」などとお気軽でお気楽な旅でした。
さて、そんな大浮かれキャンプ旅行(仮称)の大きな目的のひとつはズバリ、山浅龍之介選手(19歳・2022年ドラフト4位・聖光学院出身・プロ2年目・備考:高校時代の成績はオール5、すご)を見ることでした。
山浅くんは福島県の聖光学院出身で、2年生から正捕手を任されていた超しごできくんです。
私は、高校野球は「福島の高校を応援する」というスタンスです。(中学生時代に岡野祐一郎選手に出会ってからは、ほんの少しだけ聖光学院に肩入れしていました)
出場校を意識してまともに観始めたのが小学生中学年なので、記憶にある範囲では夏の甲子園はずっと聖光学院を応援していました。
そんな私の甲子園の歴史の中で、初めて聖光学院以外の高校が夏の甲子園出場を決めたのが、2021年。当時の私は、おー聖光学院以外初めて見たわ〜くらいの気持ちでした。コロナ禍の社会人1年目、東京で必死に働いていた時期だったので、県大会の結果や過程など全く観ていませんでした。さらに、仕事が忙しく、肝心の本戦もまともに観られないまま夏の甲子園は終わっていました。
そして、2022年の夏、転職を考えていた私に叔父(5?歳・えーすから見て父の妹の夫にあたる人物・一張羅:農協の青い帽子)が1本の動画を共有してきました。根っからの東北人で野球好きの叔父は、農作業の合間によく野球観戦をしていました。稲にも野菜にも野球実況を浴びせ、猟犬には掛布と名付けていました。コロナ禍前は、フラッと適当な球場に訪れては、そこで開催されている地区大会やらリトルの大会やらを眺めていたようです。怪しいけど悪い人じゃないんです! 違うんです!
…叔父から共有されたのは、2021年の甲子園のダイジェスト動画でした。(最下部にリンクあります)叔父いわく「福島県代表に返り咲いた聖光学院に、注目の選手がいる。その選手の去年との違いを見てほしい」とのこと。
高校生が一生懸命投げて打って走る映像の中盤、泣き崩れ、他の選手に両脇を抱えられてグラウンドを去る聖光学院の背番号2番の選手を見て、叔父は興奮気味に「コイツ! コイツ!」と言っていました。そこには「王者・聖光学院 14大会連続出場ならず」のテロップ。当時2年生の正捕手が、一打逆転の最終打席に立って空振り三振。
私は、叔父の「コイツが今年すげえんだ」の言葉を聞き流しながら、うわぁ… と思いました。
自分語りで恐縮ですが、意外なことに私にも学生だった時代があり、生意気にも部活動をしていました。ただ、あまり熱心にやっていたわけではなく、辞めたくなったら辞めよ、くらいの気持ちでした。結果的に辞めずに引退まで駆け抜けたわけですが、真面目にやってればなぁ… と後悔するような部活動人生でした。
そんな私にとって、この聖光学院の背番号2番くんの状況はまさに絶望。自分だったら即退部届を書いて部活を辞めています。
県大会の決勝。甲子園14回連続出場をかけた強豪校の2年生の正捕手。確かにその字面だけ見たら「コイツはすげえ」かもしれない。でも、中身は17歳そこらの普通の高校2年生。来年率いることなになる後輩が見ている。先輩の最後の1年。ベンチにすら入れない先輩だってたくさんいる。なんならここで野球を辞める人だっている……
親元を離れて強豪校の門を叩き、一心不乱に野球に打ち込んできたという実績があれど、目の前の結果は結果。
このときの気持ちは私のような適当な人間には想像出来ないし、想像したくないと思いました。
でも、だからこそ興味も湧きました。この背番号2番の「ヤマアサくん」がこの経験を糧にパワーアップし、今年満を持して甲子園のグラウンドに立つらしい……
…なんかちょっと、アツいじゃん?
叔父は、どこからか仕入れてきた「ヤマアサくん」情報で私を巧みに沼へ誘います。元々キャッチャーというポジションが大好きな私です。やれ身体がデカくなってただの、バッティングがよくなっただの、足が速いだの、キャッチングがいいだの…… ダメ押しの「肩が強くて盗塁阻止がすごい」という言葉を聞くころには、心の中で既に「ヤマアサくん」のうちわを作っていました。
盗塁さして☝️ 強肩見せて三⚾️
迎えた甲子園。初戦からさっそく仕事で観られなかったものの、無事逆転勝ちでホッと胸を撫で下ろしました。
二回戦は、友人らと出掛けていた伊豆のコテージからの帰り道にラジオで聴きました。みんな後部座席でスヤスヤと寝ている中、助手席に座って車載ラジオでワーワー騒ぎながら戦況を見守りました。ナビしろ。
そして、三戦目にして初めて中継で「ヤマアサくん」の姿を見ました。いやデカ。山田太郎か。デカいとかの騒ぎじゃねえ。背はぼちぼちなのに、下半身の仕上がりが尋常じゃないので全体的にデカい。そして安定感があるからかキャッチングも綺麗。バッティングも、素人なので具体的な違いは分かりませんが、どこかで見た昨年の映像より良くなっている雰囲気。なんでもどっかでホームラン打ってから甲子園に乗り込んできたらしい。かっけぇ…… 打席に入ったときに謎の貫禄すら感じました。さらに、その試合で披露した盗塁阻止に完全に心を掴まれました。
ドラ1で横浜にいった松尾くん(19歳・足が速い・笑顔が可愛い)ドラ3で西武にいった野田くん(18歳・高校時代は捕手兼投手… 捕手兼投手!?)も確かに超魅力的だったのですが、この円熟味、安心感、そしてなにより肩。地元の代表であること、バックボーンを知っていることを差し引いても、私の目には山浅くんが一番よく映りました。良……
夏の大会、聖光学院は初のベスト4進出。準決勝が東北同士なのが少し複雑でしたが、最後まで熱い戦いを見せてくれました。
そんなこんなで山浅くんのファンになり、どこの大学行くのかな、社会人かな、と思っていたらまさかのプロ志望届提出。会社の椅子から転げ落ちるかと思いました。
私は当時20年間応援していた球団があったのですが、父の「○○のファンでなき者、えーす家の敷居を跨ぐべからず」という家訓に従って応援していただけ(でもちゃんと好きでした)だったので、これを機に推し変しちゃう!? というギャンブル的なウキウキもややありました。
公表はされなかったものの、松尾くん指名予定と噂の横浜はないかな〜捕手足りてない球団あるかな〜などとダラダラ考えながらいざドラフト当日。
仕事終わりにiPadにかじりつき、ドキドキしながら山浅くんの名前が呼ばれるのを待ちました。ちなみに、1位が呼ばれた時点で、中日指名の仲地くん(23歳・2022年ドラフト1位・備考:イケメンすぎる)顔かっこよすぎないか? 何事? と思っていました。フラグだ。
そして、日ハムが4位で安西くん(19歳・2022年ドラフト4位・足がなっがい)を指名したあと、やや時間を空けて、山浅くんが呼ばれました。
支配下!? 中日!? 名古屋!? エビフライ!! 岡野さん!?
あまりの嬉しさに頭は逆に冴え渡り、平日の夜に突然お祝いのLピザを頼みました。(当時24歳・独居)
そんな経緯で晴れて中日ドラゴンズ・山浅龍之介選手のファンとして再出発。手始めに私と1日違いの山浅くんのお誕生日の試合のチケットを購入しました。さすがに4月に一軍はなさそうだったのと、岡野さんが先発かも、という噂を聞きつけ、同日甲子園開催のファームのチケットも購入。名古屋発博多行きの新幹線に荷物を置き忘れるという失態を犯すも、無事19歳のお誕生日の勝ち試合を見届けることが出来ました。ちなみに、甲子園球場入場時、岡野さんがマウンドに立っているのを見たとき、電光掲示板の「岡野」「山浅」という文字を見たとき、合計4度号泣しました。
フレッシュオールスターゲームも、選考に入っていたのを見て発売時点でウエスタンリーグサイン会付きのチケットを購入。富山県開催ということで、出なかったらどうしよう…… と思いながら早々に会社で休暇の宣言をしました。おれは会社を休むぞ、部長ー! 結果最終のメンバーからは漏れたものの、怪我をした別の選手の補欠という形で直前に参加が決定しました。ちなみにサインはソフトバンクの生海選手(23歳・2022年ドラフト3位・ご結婚おめでとうございます)に書いて頂きました。
そして今年、2024年の沖縄キャンプで初めてサインを頂戴するに至りました㊗️ 優しかった…… わざわざ荷物を置いてサインを書きに来てくれて、差し入れの羽田空港で買った芋も受け取ってくれました。あれうめえんだよな。
沖縄キャンプの公開練習で見た山浅くんは、同年代のキャッチャーと比べると、やっぱり基礎力がありました。素人目線ですが、体幹が強いし、安定感があります。それから、昨年は度々捕逸してしまうことがありましたが、練習試合を観た限りではブロッキングもかなり良くなっていると思いました。先輩たちと比べるとまだ身体が出来上がっていないように思いますが、年齢から考えてもこれからまだまだ大きくなるでしょう。
そして、現地で見てなによりいいなと思ったのは実は、山浅くんの声。すっごい通りますよね。音楽を齧っている者として羨ましい限りです。野手陣も指示が聞きやすいですしね。
練習中の山浅くん本人の全体的な印象は、なんというか、歳相応の男の子、という感じでした。高校のときを見ているから余計にそう思ったのかもしれません。
練習をしながら監督やコーチや先輩と弄り弄られ、大声を出して笑って、たま〜… に微妙にズルする笑 そしてそれがバレる笑
二日間読谷で練習を見ましたが、そのどちらも、仲良くなった観客の方から「山浅くん、愛されキャラというか、なんだか可愛い子ですね」と言われていました。
昨年の山浅くんは、経験を積む期間。高卒1年目、先輩たちに揉まれながら一軍も経験。大きな成長を遂げたように見えました。そして、課題も浮き彫りになりました。今年は、その経験を生かし、ステップアップしてほしい年。2023年入団同い歳の育成キャッチャー・日渡くん(19歳・BCリーグ出身・好物:水戸納豆・良い奴そう)をはじめ、競い合えるチームメイトもたくさんいて、ますますこれからの成長が楽しみです。
今回の浮かれぽんちキャンプ巡り(仮称)で、改めて山浅くんは良い選手だと感じたと同時に、やはり経験というものは人間にとって大切だなと感じました。
山浅くんは決して破天荒なタイプではないと思います。むしろキャッチャーとしてはどちらかというとオールドタイプというか、いぶし銀系です。
でも、ちゃんとそれに見合うだけの基礎力は持っていますし、知識欲もあります。頭も良いし、状況もよく見えているように思います。
あとは、経験を積んでいかに型を破れるかが成長のカギですね。破るための型が既に身に付いているというのはとても価値があること。そして簡単なようで一番難しいことです。そのぶん、間違った方向へ進んでしまっても、いつでもそこへ戻ってやり直すことが出来る。セーブポイントみたいなもんです。
これは誰にでも言えることですが、経験は自分だけのもの。私は野球選手にはなれませんが、野球選手も私にはなれません。
私はたった25年しか生きていませんが、無事故で99歳まで生きた祖母が出来ない交通事故の事後処理が出来ます。(いらんスキル)
バントは出来ないですが、バンドは出来ます。こんな適当人間でも、子供のころからの読書好きと音楽好きが功を奏し、この世に生を受けて25年、それで報酬を頂くことが出来るようになりました。
経験とそこから得られる知見は、自分自身を形作る上でとても大切なものです。そこに努力と知識を加えて味を整えて、自分の食べやすい形にして貪り食う。それが成長です。そうして身長を伸ばしていけば、より遠くを見渡せたり、高いところに手が届くようになったりします。料理もどんどん上手くなって、マズいもの、毒があるものの取捨選択も出来るようになってきます。
たまに喉に詰まったり、食えたもんじゃないようなもんが出来上がったり。それでもまぁ、腐らせてみたらそのうち納豆的なDeliciousなSomethingが出来るかもな、くらいの気持ちで一応取っておいてみたりして。溜まってきたらレシピにして、いつでも取り出せるところに置いておいたり、フリーズドライして湯で戻してみたり。
そうやって失敗と成功を楽しめる人は、きっとどんどん成長していけるんだと思います。
山浅くんもそんなふうに、ただ野球が上手い、頭が良い、肩が強いだけじゃなく、経験や努力に裏打ちされた地力と伸びしろがある選手です。今回の沖縄キャンプで、それが山浅くんの一番の強みであり魅力だなぁと改めて感じました。
自分も、いつか正捕手として一軍の舞台に立っている姿を拝めるその日まで、山浅くんに負けないくらい成長していきたいと思います。
そのためにはまず色々経験だ! ひとまず、エビフライでバントを打ってみよう。誰もやったことないだろ。とりあえず、美ら海水族館にいたバカデカエビを海で釣り上げるところから始めることとする! そしていつか、お気に入りのパジャマのTシャツと同じ構図の写真撮るんだ!
お互いそれまで、頑張ろうな!
引用:夏の高校野球福島大会2021 大会ダイジェスト/【福島放送公式】ときまるTV様
※ときまる…福島放送の公式キャラ・2006年入社
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