未来のダンスメソッド note版
横書き表示について
本作品は、横書き表示での観覧を推奨いたします。オンラインで読むことができる電子書籍のnoto版となっております。
はじめに
非常に便利なんです!凄く効率が上がるんです。
なので、
「新しい車の運転の仕方がありますので、教習所に通い直してください」
「新しい自転車の乗り方があります、覚え直してださい」
突然こう言われたら、どうだろう。
どんなに便利だろうが
どんなに効率が良かろうが
あなたはきっと
「もう運転できるんだし」
「面倒くさくて出来るか~!」と思うかもしれない。
本書は、ズバリそういった内容である。
この本を読み進めることで、今までとは全く違うダンスの知識を本書から得ることとなるだろう。
しかし、本書の内容は
既にダンスが上達している人や、既に振りが作れる人は、尚さら受け入れにくいものだろう。
なぜなら、すでに知識や技術を持っている人ほど、変化は難しいものだからだ。
また「ダンスは、フィーリングだ!」でやってきた人も
この本は受け入れられないだろう。
もちろん、私もダンスはフィーリングだと思っているし、本来はそこにしかないのではなかろう、とさえ思っている。
しかし、同時に
そのフィーリングは最初の段階ではないとも思っている。
いずれ、そこに到達するために意識しておくことは必要だろうが、最初の段階で意識するものとは違うのではないかというのが私の見解である。
約20年間、ダンスを指導をしてきた。
なので、たぶん5000人は超えてるのではないかと思うが、上達したダンサーは最初の段階で、これでもか!というくらい、繰り返し基礎を反復練習していた。
言い方は悪いかもしれないが『バカのひとつ覚え』かと表現するのが合うくらいだ。
これは褒め言葉である。
何か新しいものを取り入れる際は、これだ!と決めて、ひたすら繰り返す。
これはどうなんだろ?
やってみようか?どうか?
と迷っている時間ほど、勿体ないことはない。
やってみないと答えが分からないことを、やらずして考えていること自体が時間の無駄なのである。
上手くいく人は、実践者である。
話が脱線しそうになるので、元に戻そう。
つまり、どういうことかというと
あなたが今まで当たり前に思っていた事と間逆のことを本書では語っていく。
しかし、読んでいて何故かしっくりくる部分も多いはずだ。
何故なら、あなたの潜在意識が「もしかしたら、こちらの方が正しいのかも?」と刺激されるからだ。
この本を最後まで読んだあなたと
この本に出会わなかったあなたの2人が居るとしたら
この本を読んだあなたの未来は、数ヶ月後には変わっているかもしれない。
ようこそ、未来のダンスメソッドへ
杉山トシツグ
振りづくりの落とし穴
今この本を読んでいる方の中には、振りづくりに挑戦したことがある。
もしくは挑戦しようと思っている方もいるだろう。
私自身インストラクターやスタジオのプロデュースをしている立場上、振りを作るということが多いポジションだった。
実際、振りづくりに挑戦してもらえたら分かるが、正直つかれる。
自分のペースで出来たり、ある程度の余裕を持った期間があれば楽しいのかもしれないが、チームで活動し、本番という締め切り日程も決まっているので、そういうわけにはいかない。
最初は「作ってみたい!」という好奇心からチャレンジした人も多いと思うが、追われ始めると意外と大変なのだ。
とくに数をこなし始めると、かなりプライベートの時間を振りづくりに捧げることになるだろう。
もちろん作り上げた達成感はあるし、本番を踊り終えた後の感想や感謝があると、取り組んで良かったなと思うこともある。
でもやっぱり、作っている間は結構辛かったりする。
どうやらクリエイティブ作業は、プレイヤーに比べると5倍疲れるというデータもあるらしい。
また、自分自身が踊る側に入ると
クリエイティブとプレイヤーなので1人2役となり、作る側と覚える側の役割を同時にしなければいけなくなる。
しかも完全に振付師のようなポジション(振りを考える側)になると、チーム内は振付の完成待ちみたいな状況にもなって、結構プレッシャーだったりする。
だからといって一生懸命考えたとしても、考えた時間分の振りが思いつくというわけではない。
さらに本番の日程が近づくにつれて時間との戦いになってくる。
調子が良い時は思いつくし、調子が悪い時は思いつかない。
また、丸一日考えたとしても、出てこない時は本当に出てこない。
ネタがないものだから、ネタ探しのためにYouTubeやダンスの映画をチェックする。
そうしていくと沢山のネタが見つかるので、テンションも上がってあれやこれやと覚えていくが、いざ作り始めると何だったんだ?と思うくらい、思い出せない。
そして再び映像を見ると
「あーそうだ!これもあった!」
「たくさん覚えてたのに、なんで思い出せないんだぁ」
という状況に。
ネタを見つけたが、そのままパクるのもどうかな?
と思い進めていくが、元ネタの印象が強すぎて全く進まない。
しょうがないので、短い振付をピックアップし
そのまま使ってみると他のメンバーからは「それ〇〇っぽいね!」とネタバレ。
また振りづくりも、なかなか進まなくなると、次第にイライラして怒りっぽくなってくる。
みんなが楽しそうに練習していると、それがサボっているように感じてきたり、何か自分だけ苦労してるように思えてきて徐々に腹が立ってくる。
だからといって怒りをあらわにしてもいけないなと思い、周りの空気を読んで少し場所を変え、イヤホンを耳にして黙々と振りを考え始める。
そんな状況になると、1日中頭の中が振りのことで一杯になってくる。
何をしていても振付のことばかり。
完全にプライベートが振りづくりに取られていき、遊びに行ったとしても遊んでいるようで遊んでいない。
また振りが思いついた時に限って
車の運転中だったり、シャワーを浴びていたり、トイレ中だったりと動けない状況が多い。
後で思い出そうと思っても、まず思い出せない。
振りが完成した時には、考えてみると実際には、ショーの3つ分ぐらい振りを作ったのではないかと思ったりする。
いや、間違いなく作っているだろう。
自分自身、インストラクターをしていたので生徒さん(自分も含めて)が、ショーに出る時は振付を考えることになる。
しかも、それは1つや2つではない。
ショーも発表会だけではなく、地域のお祭りのステージやイベントなどに出演する機会が多いので、週末になると舞台が待っている。
4チーム分を考えて、最後に自分が入っているチームを1日で考えないといけない事もあったりした。
それが、毎回繰り返されていくのだ。
長い充電期間に入る
そんなことを続けていくと、やはり精神的にヤられる。
仕事にしているとはいうものの、ダンスを楽しむために始めたはずが、抱え込みすぎてダンスが嫌いになりそうになってきた。
そもそもダンスを仕事にしていると、スキルアップ以外にも、 いろんなことが起きてくる。
そんな中、ストレスの多い振りづくりを抱えていくのは、とてもツラいと思っていた。
悩んだ。
これは、本当に悩んだ。
今後も、これを続けていて、毎回こういったものに追われていくわけ?
このままずっとこれを繰り返すの?
いつまで続けるの?
いや、続けていけるの?
毎日、こういった言葉が頭の中でリピートしている。
そして決心した!いや、宣言した!
「振りづくりを辞める!」と
今後3年間は振りを作らずに、効率よく振りを作れるようにするための新しいメソッドを作ると。
それからというもの、入ってくるステージの話を、ことごとく断っていくようになった。
長い充電期間に入ったのである。
その後、振りづくりの概念が180度変わることになるとは、まだ本人は知らない。
それは、3年後の話だから。
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