ペッキング・オーダー理論
勉強やぎです。
今回はペッキング・オーダー理論について勉強します。
1, Introduction
ペッキング・オーダー理論はMM理論を発端とする資金調達理論の発展形です。
MM理論の話はまた今後勉強しようかなと思いますが、今回は現代社会で使いやすい説であるペッキング・オーダー理論についてのみ勉強していきます。
2, ペッキング・オーダー理論とは?
ペッキング・オーダー理論とは企業が資金調達をする場合に
$${内部留保 > 銀行借入 > 社債 > 株式}$$という順序で、選好するという理論です。これは何によって順位づけられているのか。つまり、情報の非対称性だと言えます。
これは、資金調達コストの安い順と示すことができる。分かりやすい二つを例示として説明する。銀行借入と株式での資金調達を比較してみる。
銀行では、企業が借入をしようする際に詳細な事業計画や、銀行用に不確実性の高い資産を調整した貸借対照表(実態純資産調整、通称実バラ)などの提出を求める。つまり、銀行と企業はインサイダーなのである。つまり、公表情報よりも詳細で実態に基づいた情報を手に入れることが出来るため、銀行は適切な利率を設定することができる。
一方で、株式により調達では、株式投資家は公表されているIR情報などでしか、その企業の情報を知ることができない。つまり、アウトサイダーなのである。これは何を意味するかといえば、株式投資家は未公表情報や実態情報について知らないまま投資をするということである。当然、世の中はハイリスクハイリターンであり、ローリスクローリターンである。これにより株式により資金調達は調達コストが大きくなる傾向がある。なお、株式調達コストとは、簡単に言えば配当である。(企業側からすれば配当がコストになる一方で、投資家側からすれば、配当によるリターンと値上がりによるリターンの合計がハードルレートを越えればいいため、配当による資金調達コストと株式調達コストは同義ではない。)
上記の理由に加え、分かりやすい理由として、銀行借入は返済が前提である一方で、株式は拠出金を返還することはない。(近年、出資金の返還である、資本金の取り崩し→資本剰余金にしてそこから配当というあり得ない行動が見られるが、これはまたいつか話そうと思う。)
このような理由から、資金調達コストの差があること、それの差は情報の非対称性によりもたらされていることが理解できたと思う。
ちなみに省いてしまったが、内部留保と社債については、
内部留保は、企業のものだからコストが一番少ないのは自明である。社債は、債務の返済順位が株主より高いことなどから株主よりも保護されているため、債権者が株式投資家ほど高いリターンを要求しないため企業側から考えると株式よりも調達コストが低く、銀行借入よりも高いという流れになる。
3, summary
・ペッキング・オーダー理論は企業が資金調達をするときに資金調達手段として、
$${内部留保 > 銀行借入 > 社債 > 株式}$$
という順序で資金を調達するという理論。
・ペッキング・オーダー理論の根底には情報の非対称性がある。
ということです!
次は、この資金調達議論の発端であるMM理論について勉強したいなと思っています。(長編予定です。)
ではまた。