映画との出会い方
先日、BSで放映されていた「ディアボロス/悪魔の扉」を観ました。
90年代後半に公開された映画で、あらすじを超要約すると
「キアヌ・リーヴス扮する若手弁護士が『とある男』からヘッドハンティングを受け、誰もが羨むような条件で転職&都会に引っ越した途端、妻とともに怪事件に巻き込まれてあら大変」というオカルトスリラー映画になります。
この「とある男」役を演じるのがアル・パチーノ。
※詳細は下記のリンクにあるので興味があれば
https://www.thecinema.jp/article/720
何を隠そう、母はアル・パチーノの熱狂的なファン。
アルパチーノにハマるきっかけは、かれこれ10年以上前のことになります。
自宅の玄関の前で転び、足を骨折してしまった母は
たまたま暇潰しで観た映画に出ていたアル・パチーノに一目惚れ。
すぐさま足を引きずりながら近所のDORAMAに行き、アル・パチーノ出演作品を探しに行きました。
ここで、DORAMAをご存知ない人もいるかもしれないので説明すると、TSUTAYAの劣化版(し、失礼な!)ビデオレンタル屋のこと。
近所に唯一と言って良いそのビデオレンタル屋は何故かクレーンゲームなどのショボめのアミューズメントゲームがいくつか併設されており
ゲームセンターが1件も無い神奈川のど田舎にとって、そこは近所の不良小中学生のプチ溜まり場にもなっていました。
下北沢でも高円寺でもない、カルチャーの『カ』の字もない、満島ひかりにモテることもない。
近所の不良しか集まらないビデオレンタル屋で働くサブカル店員さんにとっては、この環境は相当退屈だったに違いない、、と思います。
そんな中、突如松葉杖をついた謎のアラフィフの母が現れ「アル・パチーノが出演しているオススメ作品を教えてほしい」と申し出たところ
もう、待ってました!!と言わんばかりにバックヤードから映画好きの店員さんがぞろぞろ出没。
脚立を手に取り、意気揚々と、ありとあらゆるところからアル・パチーノ作品を『掘り出して』くれたそうです。
その中にこの「ディアボロス/悪魔の扉」もあり
「う〜ん、アル・パチーノ目的で観るにはな〜、ちと微妙かな〜?」とぶつくさと言いながらも、ラストシーンの怪演を是非見て欲しい!と勧められたそうな。
母はこの話が大好きで、アル・パチーノ作品の話になると、その時の退屈な店員さんの嬉しそうな顔を思い出すようで、「お母さんも店員さんも、暇だったんだね...良い時代だったね...」と笑います。
ここ数年間でエンタメのうち、こと映画に関してはサブスクが当たり前になっているわけで。
「映画わざわざ借りに行くの〜?Amazonプライムにさえ入っていれば、お金がなくても楽しめますけど〜?」的な、世間の雰囲気もありますが。
この話を聞くたびに、無性にレンタルビデオショップに駆け込みたくなります。
どうか、近所のTSUTAYAは潰れませんように。
(余談)
全然関係ないけど、アル・パチーノの熱狂的なファンを「アル中」と呼ぶらしいです。
ジャスティンビーバーのファンを「ビリーバー」と呼ぶのと同じノリだなーと思った。
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