数々の大手証券会社で働き続けた私が伝えたい #8 時代と共に変遷する証券営業員の呼び方
証券会社の戦略と共に変遷してきた呼称
まずはそれぞれの呼称の定義を整理します。
「ファイナンシャル・コンサルタント」
転勤がなく長期にお客さまを担当する米国流の仕組みを持ち込み、証券営業員の事を「ファイナンシャル・コンサルタント」と名付け、コンサルティング営業を開始しました。
「ファイナンシャル・アドバイザー(FA)」
アメリカには多く存在しているものの、日本ではまだ認知度が低い、資産運用におけるアドバイザーです。顧客に金融商品を販売し、個人の資産運用のアドバイスを行います。
因みに、日本ではM&AのアドバイザーをFAと言う方がよく知られています。
「ウェルス・マネージャー」
富裕層向けに欧米で行われてきたサービス「ウェルス・マネジメント」を提供し、個人が保有する資産を適切に総合管理します。
ウェルス・マネジメントは、資産管理に関する課題に向き合うために、専門の知識と経験を有した金融機関とその専門家チームが担います。
「プライベート・バンカー」
富裕層向けにまとまった金融資産の運用や、事業・資産承継、相続を支援するために包括的な金融サービスを提案、実行支援するプロフェッショナルのことです。国内の富裕層の増加に合わせてサービスを拡充しています。
呼称が変遷する度に、その専門性を追求する「時間が増えた!」そしてこれらのサービスによる収益の可視化は難しく、弁護士や税理士などの専門家との法律上の線引きがあり、いくら専門性を追求してもビジネスとしては限界が生じている状況だと思います。
#7の記事にてお話ししたように 、時間の創出をするには、
①自分の自分の能力を客観的にみる
②時代が変化するスピードを少し遅めに見る
③会社の体制や自分の呼称は少し先の高い期待値であることを踏まえる
④シンプルかつスマートな考え方を持つ
ことが大事だと思います。
つまり、これまで色々と呼称はありましたが、
今一度、本業の原点である「証券営業員」として、真の顧客重視を行う姿勢が期待されているのではと思います。
次回は、「これからの証券営業員」について解説したいと思います。