スタートアップメディアの継続性と拡げ方

先日、スタートアップメディア「KEPPLE」の2023年の振り返りと2024年の取り組みについて、書きました。

実は、2024年は記事・コンテンツの幅を広げていくチャレンジとともに、スタートアップメディアとして越えなければいけない壁にチャレンジしたいと思っており、今回はその内容について、書こうと思います。

継続することの難しさと大切さ

2022年4月にスタートした「KEPPLE」も運営開始から1年半を迎えて、徐々に安定した運営体制を作ることができました。
もちろん、大手メディアとは質・量ともに比べものにならないですが、新しく立ち上げた専門メディアとして、限られた人数で、独自に取材・インタビューを行った記事を毎日掲載していくことは、私たちには決して簡単ではなく、試行錯誤の連続でした。

スタートアップメディアに限らず、専門メディア・専門誌がやむなく廃刊や撤退となるケースをこれまで見てきました。立ち上げることはもとより、継続していくことはそう簡単ではなく、まずは何とか続けられるようにすることが大切だと思っていたので、多くの方々にご協力やアドバイスをいただきながら、今の運営体制を作ることができたことはまずはよかったです。

一方で、私たちは「スタートアップエコシステムを可視化して、発展に貢献する」というビジョンを掲げて、創業初期から上場前後まであらゆるスタートアップを取り上げていきたいと思っています。
今現在でも1万社以上のスタートアップがあり、政府が掲げる「スタートアップ育成5か年計画」では10万社を目指すとしていますから、毎年100-200社のペースではとてもじゃないですが、ビジョンの実現に辿り着きません。

現状「KEPPLE」の運営は、片手で数えられるメンバーで取材から執筆、編集まで行っています。一部のメンバーはパートタイムで関わってもらっているので、実質的には2~3名程度で運営しています。
本当ならば、ビジョンの実現に向けて、チームを大幅に強化したいのですが、私たちもビジネスとしてやっているので、むやみやたらに拡大することはできません。しっかりと収益をあげて、チームを拡大していく必要があります。

スタートアップメディアに立ちはだかる壁

チームを拡大して取り組みを広げていくためには、安定した収益化が必要ですが、スタートアップメディアに限らず、扱うテーマを限定している専門メデイアの収益化は決して簡単ではありません。特にユーザー数やページビュー数に依存する一般的な広告収入のモデルでは、少人数のチームを運営するくらいの収益をあげることはできても、チームの規模を拡大していくことはハードルが高いです。

自分が把握している限りですが、他のスタートアップメディアの皆さんも編集チームの規模は私たちと同じか、少し多いくらいの人数で運営されていると思います。

収益化しなければビジネス規模を拡大できないということは当たり前のことではありますが、ビジネスにおいては市場選定が重要であり、扱うテーマや読者層が限定される専門メディアは、どうしても収益化の難易度が高いのです。

もちろん、既にスタートアップメディアを運営されてきた方々が、その壁をなんとか越えようと、これまで試行錯誤されています。TechCrunch さんは、メディアを軸とした大規模イベントによる収益化を行い、Bridge さんは有償会員による収益化を行なっています。また、DIAMOND SIGNAL  さんは、まさに直近ですが、DIAMOND ONLINE と統合することで、その壁を越えようとしていると推察します。

実は、現時点における私たちのメディアの継続的な売り上げは、ほぼゼロに近いです。これまでは立ち上げ期でもあったので、立ち上げに集中していましたが、いつまでもそういうわけにはいきません。

余談ですが、「KEPPLE」という名称でやっているので、株式会社ケップルの他のサービスへの波及効果について、ご指摘いただくこともあります。
しかし、オウンドメディアとして運営しているわけではないので、名前を知ってもらうくらいの効果あるものの、実質的な効果は限定的であり、規模を大きくしていくほどの判断材料にはならないのです。

少し話が逸れましたが、チームを拡大して、より多くのスタートアップの情報を世の中に発信していくためにも、今年は収益化の壁にチャレンジしていきます!

ともにエコシステムを支えるメディアに

収益化に取り組むと言っても、コンテンツに関係のないバナー広告をサイトのあちこちに表示するような、読者体験を阻害するようなやり方はなるべく避けたいと思っています。そもそも前述のとおり、このモデルではチームの規模の拡大までは至りません。

では、収益化するにあたって、自分たちにどのような特徴があるか改めて考えると、手前味噌ではありますが、2023年の振り返りの記事でも書いたとおり、この1年間で数字面の伸びだけでなく、多くの方々から感謝の言葉や励ましの声をいただくことができ、スタートアップエコシステムを支える役割として、徐々にその実感を持って活動できるようになってきました。

だからこそ、この活動を自分たちだけで完結するのではなく、スタートアップエコシステムを支えている方々とご一緒にお取り組みをすることで、この輪を広げていきたい。また、取材させていただくスタートアップの方々にとっても、その方がより意味のあるもになるのではないかと思い、この度スタートアップメディアをともに支えてくださる「メディアパートナー」の募集を開始しました。

「メディアパートナー」は、スタートアップイベントにおけるスポンサー・パートナーに近いものを想定しており、ご一緒にメディアを支えていただくとともに、当然パートナーとして参画いただくメリットをご提供させていただきます。

具体的な提供内容はここでは控えますが、「メディアパートナー」自体、これからの取り組みであり、私たちとしてもパートナーの皆さんとご相談しながら進められればと思っています。

一方で、スタートアップメディアとして運営しておりますので、記事やコンテンツの内容に特定の恣意性が入らないような編集体制は引き続き維持してまいります。

また、その他スポンサードコンテンツ(記事広告)などにも本格的に取り組んでまいりますので、少しでもご興味いただける方は、私までご連絡もしくはメディアのフォームよりお気軽にお問い合わせください。

終わりに

最後は完全に宣伝となってしまいましたが、このスタートアップメディアの取り組みを本気で大きく拡げていきたいと思っています。

今はまだ小さなメディアですが、これからより質の高い情報を数多く発信することで、スタートアップエコシステムに幅広く貢献していきたいと思っています。

また、私たちスタートアップメディア「KEPPLE」としても、実は次のさらなる展開を考えています。「スタートアップエコシステムを可視化して、発展に貢献する」というビジョンに向けて、取材させていただくスタートアップの皆さんに負けないくらいのチャレンジをこれからもしていきたいと思います!

いいなと思ったら応援しよう!