02/24(土)
ドキュメンタリー映画「わたしの居場所~新世界物語~」を観た。
ー大阪・新世界のお好み焼き屋「千両」を切り盛りするオカマのひろ子ママ。
15歳の時に集団就職で鹿児島から大阪に出てきたママは、新世界でオカマバーにスカウトされ、40歳で化粧を落として、「千両」に立ち続けている。
だが、癌が見つかり、このことを機に、ずっと帰ることが出来なかった故郷を訪れる決意をするー
ひろ子ママのおしゃべりは一流で、もちろん味も一流。
そんなママの人柄と味に惹かれて、多くのお客さんが「千両」にやってくる。
昔、ひろ子ママのような人たちは、一言では言えないくらいのえげつない差別と偏見に晒されていて、社会から隠れるように生きていた。
それでもひろ子ママはオカマバーにスカウトされた時は嬉しかったという。お化粧ができるから。
そして、数多くの男性と恋愛を重ねていく。
そんなひろ子ママは、1度だけ身体の関係の無い純愛をする。
相手の男性から身体を求められることも無かったし、自分からも身体を求めることは無かったという。
「こんな恋愛があるんだ」と、その男性との恋について、瞳をキラキラさせて語るひろ子ママは、まるで恋を知ったばかりの少女のようだ。
「自分の店を持ちたい」。
オカマバーで働くひろ子ママは、自分のお店を持ちたいと願うようになる。自分のお店、お好み焼き屋さんを開店させたい。それには多額の資金が必要だ。
ひろ子ママは、夜の新世界で立ちんぼをして資金を稼ぐ。
新世界でたくさんのお客さんに愛されていたひろ子ママ。
生まれ変わっても、オカマでいたいと言うひろ子ママ。
顔に癌ができて、映画が封切りになる頃は、脳にまで癌が転移してしまっていたという。
そしてあっけなく亡くなってしまった。
お好み焼き屋さん「千両」。
ひろ子ママが亡くなり、千両も、今はない。
行ってみたかったな。そんで、ひろ子ママとおしゃべりしたかったな。