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健康とリハビリテーション

「あなたは今、健康ですか?」と問われた時に、何を思い考えるのか。
この質問の答えを出すのは、少し難しい方もいるかと思います。

 それは、人によって答えはさまざまであり、かつ「生まれてから、一度も病気になったことがないが、住む家がない人」の状態は、果たして健康といえるのか、という考えもあるからです。

WHOの定義では

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 ポイントは、「病気がない=健康」という一方向的や一視点ではなく、家がないという社会的・経済的に貧しい状態を、「健康な状態ではない」という視点で考えることが大切になってきます。
 また、満たされた状態「満足」という表現、本人の主観、気持ちによる表現がされていることも重要です。


~健康とリハビリテーションを改めて考える大切さ~

 リハビリテーションの現場で、治療に励むセラピストが、障害を持った人に関わる中で、悩む場面が出てきます。

 「手術が終わり、リハビリで痛みが取れたのに、なぜ元気にならないんだろう」といった場面で、実は「退院後には施設に戻り、家族に会えないさみしさから元気がない」といった、精神・社会的側面が課題であったときです。

 健康の「身体、精神、社会的」要素の重要性を改めて感じる場面。身体機能に対する治療・技術やテクニックという選択肢だけでは、解決できない場面かと思います。


 このような場面で、重要なことに気づける背景には、リハビリテーション教育で学んできた、ICF(国際生活機能分類)の知識があるからこそです。

 疾患や心身機能以外に、活動・社会、個人・環境因子といった多方面で、対象者を捉えることが出来るアセスメント能力は、リハビリテーションセラピストとして、そして社会にとっても非常に重要なスキルです。

 そして、健康とICFの関連性と共に、リハビリテーションが、その方の健康を多方面から考えてサポートできる、とても魅力的な職業だと思っています。

 医療職としての知識・技術はベースに持ちつつ、リハビリテーションセラピストとして、他の職種にはない大切なスキル・役割を高めていくことが、将来的に価値がある時代になると感じています。

 
 対象となる方の、笑顔や元気、ハッピー、満足感はどこにあるのか、それを日々考えて、リハビリテーションの現場を楽しみたいと思います。

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