ポスドクを、海外で(4)書類準備のススメ(2)推薦状とカバーレター #ポスドク総研
前回に続いて、実際に海外ポスドクに応募する際の書類の準備について説明します。前回は履歴書(CV)についての内容でしたが、今回は推薦状とカバーレターについての経験を共有します。
推薦状の機能
推薦状は「申請者はこういう人です。だからこのポストには適していると思うので、わたしからおすすめします」の内容を、A4の紙1枚に収まる程度の長さにまとめたものです。
日本でも就職や奨学金申請などで推薦状を要求される場面が多々ありますが、筆者個人の感覚では欧米の方がより推薦状を重視する傾向があるように思います。
以上の内容からもわかると思いますが、推薦状は「情報」と「保証」の二つの機能を持っています。
前者は他人の視点から「客観的に」申請者の能力・人柄についての情報を採用側に提供する機能を指します。
後者は推薦人の評判が、被推薦人の身元保証となることを意味しています。そのため、十分に情報と保証を提供できるような人に推薦人になってもらうことが重要です。
誰に推薦状をお願いするか
第三者の視点から申請者の能力と人柄に関する情報を提供するための推薦状ですから、書き手はこれらの情報をちゃんと把握しており、かつ評価できる立場にある人でないといけません。
つまり、仕事上の繋がりがあり、日常的に頻繁にやりとりする相手が望ましいでしょう。例えば指導教員や直近の上司、同僚などが良い候補者になります。
共同研究者でもよいのですが、その場合は十分なやりとり(時間や頻度)があったことをアピールした方がよいでしょう。
これらに加えて、なるべく社会的地位が高い方が良いという考えもありますが、この条件の優先順位は少し低くなります。例えば大学の学長に書いてもらえるとしましょう。それはもちろん良いことですが、学長とは日常的な接点が全くないなら、この推薦状の説得力はあまり高くないといえます。
さらに推薦者は一定の社会的地位を持つ者である必要はあります。アカデミックのポストの場合は、独立して研究を行っている研究者が推薦人になるのは望ましいと思います。
推薦状に何を書くか
推薦状の内容については、十分かつ具体的な情報を提供することが望ましいでしょう。
まずは推薦人と申請者の関係性や、申請者についてどの程度よく知っているかについてふれ、次にどのような立場からみて、申請者のどのような能力について、どのような評価ができるかについて述べるのがよいでしょう。
そしてこれらの研究能力はなぜ今申請しようとしている職の役に立つと思うか、そして申請者の人格面からもおすすめできる理由、などといった情報が盛り込まれていることが望ましいでしょう。
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