研究者のキャリアのこれから ~産官学連携の拡大によって変化する働き方~ #ポスドク総研
加速する産官学連携の拡大化の動き
わが国では、2016年に産学官連携の動きが本格始動(経済産業省『産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン』)しましたが、この数か月で加速しています。
この動きは、これからの企業のあり方や大学のありかた、研究テーマ等の多方面に影響を及ぼすことでしょう。特に、研究者のキャリアや求められるスキルは大きく変化していくかもしれません。
研究者のキャリアへの影響
文部科学省と経済産業省は、イノベーションを生み出すために、研究者がアカデミアと企業の組織の壁を超えて、流動化を促進する必要があるとして、「クロスアポイント制度」の導入を進めています。
クロスアポイント制度とは、複数の機関で「常勤職員」としての身分を持ち、業務に従事することが可能となる仕組み(経済産業省・文部科学省『クロスアポイントメント制度の基本的枠組と留意点』)です。この制度が活用されることで、研究者が組織の垣根を越えて活躍し、技術の橋渡し機能が強化されることが期待されています。
これにより、研究者は、各機関のリソースを最大限に活用できるようになったり、視野を広げて将来のキャリアの幅を広げることが可能になったりと、働き方が変わっていくことでしょう。同時に、求められるスキルも変化していくと思われます。
求められるスキル
アカデミアと企業の垣根がなくなることで、研究者には産学の視点をもつことが求められます。