見出し画像

Web小説コンテストに応募する時に私がやっている5つのこと

こんにちは、秦朱音と申します。
2023年12月に小説家としてデビューして約8か月――その間、書籍を3作品・コミカライズ1作品を刊行させていただきました。

本業(会社員)と子供たちの受験勉強フォローに追われているので、今年の私は改稿や書き下ろしなどの書籍化作業だけで手いっぱい……
このままWeb投稿をしないでいると、存在を忘れられてしまうかもしれないという危機感もあり、ちょっくらnoteでも書いてみることにしました。

小説を書き始めてから日が浅く、まだ長編7作しか書いたことがないのですが、その中でも昨年コンテストで3回受賞したほか、最終選考3次選考まで進めた作品もありましたので、私が普段コンテストに応募する時にやっていることを、ご紹介してみようかなと思っております!

私のような場末の弱小商業作家というのは不安定なものでして、こんなこと書いている私も来年以降もお仕事が続けられるかどうかなんて分からないのですが……どこかの誰かの参考になりましたら幸いです。

コンテスト時にやってる5つのこと

私がWeb小説コンテストに応募する時にいつもやっていることは、以下の5つです。

1. 募集要項を穴が開くほど読む
2. 昨年の受賞作と受賞コメントを読む
3. 昨年の最終選考作品(受賞に一歩及ばなかったもの)を読む
4. 2と3の違いを自分なりに分析する
5. コンテストが始まったら、応募作の中から受賞作を予想する
※時間があれば、一昨年以前のコンテストについても2~4を繰り返す

1と2については皆様当然のようにやってらっしゃると思いますので、私が独自にやっているとしたら、3以降なのかなぁと思います。
最終選考に残っている作品というのは、「小説としての完成度は非常に高いけれども決め手に欠けた」というものが多いのではないかと思います。
作品をいくら完成度高く作っても、求められているものとずれていれば受賞はできません。何が求められているのかを具体的にイメージして、そのコンテストにおける「受賞の決め手」が何なのかを把握するために、私はいつも3~4の作業をやるようにしています。

そこで自分なりに考えた「受賞の決め手」が本当に合っているのかどうかを確かめるのが5の作業です。これをすることによって、自分が立てた仮説が筋の良いものなのか的外れなのか、感覚をチューニングしていきます(自分の作品が途中で落選したとしても、次年のコンテストのために役立ちます)。

加えて、コンテストに落選した際、落選理由を「いかに解像度を上げて、具体的な項目に分解して考えられるか」ということも大事だと思います。「私の作品は流行の要素を取り入れていなかったから落選したのだ」と結論づける方もいらっしゃるのですが、あともう一段具体化して見るのはいかがでしょう。

私は異世界恋愛ジャンルをよく書きますので、「悪役令嬢」「死に戻り」「溺愛」「ざまぁ」などというワードがいわゆる「流行の要素」ということになるのかもしれません。

例えば、「悪役令嬢」が流行った理由はなんだろう?と一度立ち止まって考えてみます。
すると、読者の方は「悪役令嬢」そのものに魅力を感じているのではなく、「決まってしまっている運命に対して自ら行動することによって、未来を変えていく強さ」に惹かれているのではないか?という仮説を立てることもできます。
そう考えれば「悪役令嬢」を無理に登場させなくても、自分のオリジナリティを軸にしながら上手く流行を取り入れた作品は作れますし、それが読者の方の心に届いて受賞につながる……なんて未来もあるのかな?と思います。

自分が感じた表面上のことよりも更に一歩、踏み込んで分解して考えることで、頭の整理ができますのでオススメです。


もしも私が、こんなに手間かけなくても受賞や書籍化できるつよつよ作家だったら全然こんな作業しないんですが…笑

あいにく私は何度もコンテストに落選していますし、これからも落選するでしょう…。でも、「落選して悔しい!」「どうせ私なんか!」で終わらせると、これ以上先に進めない……ということも、自身の経験から痛いほど分かっております。

コンテストの結果を冷静に、客観的に、独りよがりにならないように振り返ることで、受賞や書籍化という結果に近付けるのではないかと思っています。

まだまだデビューしたての新人ですが、商業作家の先輩方や、これから小説家を目指す皆様と、一緒に頑張っていきたいと思っています。

とりあえず、あと何作かは世に出せることが既に決まっていますので、私のことを忘れずにいて頂けると嬉しいです…!

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

▼既刊情報やプロフィールはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?