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24才年下の彼氏が出来た話




当時、世間はコロナウィルスで滅茶苦茶なことになっていて、
デング熱・SARS・MARSといった、これまでの流行病と今回はレベルが違う。只事じゃない。と痛感し、



テレビの夜の報道番組では「正しい手の洗い方」までレクチャーし始め、
特殊な機械で洗い残しを見るために、
「普段通り手を洗ってください」
と指名されたゲストの石坂浩二が、
誰しもが、「嘘つけー!」と言うくらい念入りに手を洗って、
特殊な機械で洗い残しが検出されず、
【石坂浩二の入念な手洗い】を見ただけになり、
キャスター陣の時が止まった頃の話。



私がバイトしていたコールセンターは、
バリバリ密室だったので、急遽、ラーメン一蘭のような仕切りが各席間に出来、
各席にアルコール消毒が置かれ、
小さい冷蔵庫くらいある大きさの空気清浄機が何台も設置されました。



コロナに罹患した際には、【全ての症状がなくなってから1週間自宅待機】と、
元気になってもすぐには復帰できないようなルールが設けられていました。



管理者の方からは
『〇〇さんがコロナでお休みです』とは言われず、
『このブースで感染された方がいます』
と言うような言い方をしていました。
なので、長くお顔を拝見しない人は「あ、本人か家族がなっちゃったんかな?」と察していました。



そんな時、しばらく姿を見せない、定期的に飲み会も開催する仲良しの女性の先輩の山本さんと西山さん。



この休み方は絶対コロナ。
特に西山さんは勤怠良すぎるのにこんなに休むなんて絶対コロナ。
仕事出来る2人が一気にお休みで忙しい。
いつまでお休みされるか知りたい。
でも管理者に聞いたところで、教えてくれるわけがない。



おじ社員に、鎌をかけることに。



茜「山本さんと西山さんって、どっちが復帰早い?」



社『西山さんちゃうかな?』



(はい、やっぱり2人ともコロナやん)



茜「そうなんや。シフト調整したり大変やなぁ」



社『ほんまやで。西山さんなんか引っ越してすぐ罹ってなぁ〜ほんまに〜』



茜「(・・・?)ほんまやなあ!」



なになに?引っ越し?
私が西山さんのこと全部知ってると思って
勝手に言ってきたけど、知らんで。



西山さんさんは私より確実に年上やけど年齢不詳。
服装は華美でなくモノトーンシンプル。
メイクもほぼゼロ。
黒い髪は多くてストレートで低い位置で一つ括りをして、サイドはアメピンでぴっちり止めてる。
ぱっと見は派手じゃないけど、喋らせたらめっちゃ面白い女性。



西山さんは独身で実家暮らしってことは知ってるけど、
もっと詳細なパーソナルな情報はお互い知らん。



おじ社員との話も忘れた頃、
西山さん、山本さん、松上さん、村木さんという
いつもの仲良し5人組での定期飲み会でのこと。



西『この間、長いこと休んですみませんでした〜』



茜「やっぱ、コロナやったんですか?」



西『そうなんです〜、初めてなりました!』



茜「誰が何で休んでるか教えてくれないんで、おじ社員に鎌かけて聞いちゃいました。
おじ社員、『引っ越ししてすぐ〜』って言うてましたけど、引っ越ししたんですか?」



西『・・・そうなんです』



茜「実家ごと引っ越したってことですか?」



西『・・・実は・・・、彼氏と住んでるんです』



4人『えええええぇぇぇぇ!?!?』



茜「西山さんのそういう話初めて聞いたんでびっくりです!何年付き合ってるんですか?」



西『・・・6年』



4人『そんなに前からーーー!?』



茜「彼氏さん、年下ですか?」



西『・・・はい』



茜「何才下なんですか?」



西『・・・やばいですよ、・・・24』



4人『えっ!?』



24才でも、24才下でどっちでも、『えっ!?』やわ。



西『私の二回りしたなんですよぉ〜!』



4人『ぎゃぁぁぁぁああああぁ!!!!』



茜「待って、ごめん、西山さん、今何才?」



西『50なんです』



茜「えっ!?ほな、彼が20歳の時から付き合ってるってことですか?」



西『そうですね』



茜「どうやってそうなるんですか?」



西『最初出会った時は未成年やって、付き合いたいみたいなこと言ってくれてたけど、未成年はちょっと・・・と思って、
ハタチになってまだ思ってくれてたら、またおいで。って言うたら、『ハタチになりました』って戻ってきたんですよぉおー!!!』



4人『ぎゃあああああぁぁぁ!!!』



4人、すでに、瀕死。



茜「ごめん、西山さん。全部、全部はなして?」




遅くなりましたが、この話は私の話ではなく、
西山さんの話です。
タイトル釣りっぽくてすみません



(西山さん補足情報)
大阪生まれ大阪育ち 50才 女性
彼と暮らしだすまでずっと実家暮らし
スカート履いてるとこ見たことない
体のラインがわからない服
ずっとスニーカー
ずっとすっぴん
黒縁メガネ

決して男の人をたぶらかすような、
お色気ムンムン、ぶりっ子キャハハな感じではない。

優しさのかたまりのような方



さて、本題に戻ります。



24才下の彼氏に驚きつつ、
驚きで大きな不安を隠していました。
私の頭に、
いや、
残りの3人の頭にもあのシーンが浮かんでいたので。



【おそく起きた朝は】の、あの伝説の回が。



磯野貴理子さんが24才下の旦那さんから

『おれ、自分の子供が欲しい』って言われたと、離婚を報告する回。

磯野貴理子さんは暗くならないように、ポップに報告するけど、
森尾由美さんが穏やかな顔で静かに怒ってるようで、
松居直美さんが号泣して、
その松居直美さんを磯野貴理子さんが励ます、視聴者も号泣の伝説の回。



思い出してもしんどい。



西山さんをそうさすわけにはいかんねん。



西山さんの幸せに水を差さないように、気をつけながら、彼の本気度を探る。



茜「どこで知り合ったんですか?」



西『初めて会ったのは、今から8年前、私の職場ですね。
当時、京橋の町工場の机が2つだけあるような事務所で働いていて、
社長と2人で事務所に居たんですけど、私に仕事を任せられるようになると、社長は事務所に来なくなり、
11:00〜18:30まで1人で事務所で仕事してました。

そこに荷物の集荷に来てくれる配送業者の新入社員として来たのが18才の彼でした。
沖縄から集団就職で大阪に出てきたらしくて、
その配送業者は1ヶ月したら研修終わるんですけど、
彼は3ヶ月しても研修中やったんで、
私は「この人外国人なんや」と思ってたんですよ!』



茜「外国人に見えるくらい、顔、濃いんですか?」



西『濃いかもしれないです!』



茜「写真を!写真を見せてください!」



(ガサゴソ)

西『・・・これです』



・・・。



・・・。



4人『ぎょええぇぇええーーー!!!!』



お、



お、



おっとこまえーーーーー!!!!



さすが、沖縄!!!!!
沖縄の遺伝子、強すぎる!!!



でも、あかん。
こら、あかん。



西山さん、騙されとる。



お金も時間も、全ての財産取られてから放出される、磯貴理パターンや。



茜「彼の方から、西山さんを好きになってるってことですよね?」



西『あのね、後から聞いたんですけど、なんと・・・
一目惚れらしいんですよ』



4人『キャーーー!!』



西『違うんです、聞いてください。
一番最初に会った時ってまだ肌寒い季節やったんで、私、
フリース着て、
お腹にフリース巻いて、
スッピンで、
ダッカール2本で前髪左右にバン!バン!って留めてて、
どこにどう一目惚れすんねん!って格好やったんですよ!?』



4人『ギャハハハハ!!』



フリース巻いて、おもろ。



茜「ほんでどうやって出入り業者の人と仲良くなるんですか?」



西『彼の配送コースで最後の集荷場所がうちの会社だったらしく、
時間が余ったら、よく時間潰しで喋って行ってたんです。
その時に「こちらの奥さまですか?」って聞かれて、
「違うよ〜」って私が独身というのをその時言ったと思います。
私が週3で出勤してたんですけど、
その全部彼が集荷に来てたので、
普通に話せる仲にはなっていきました」



茜「でもまだ職場に来る出入り業者の人って感じですよね?」



西『はい。でも彼が、一年務めた頃「2月いっぱいで辞めます」って、その会社を辞めたんですよ』



茜「え!で!?」



西『それで、うちの会社って他の業者には断られるような大きさの荷物をお願いしたりしてお世話になってたので、
餞別と、前に話して2月28日が誕生日って知ってたので「1年お疲れさま」って、黒猫の置物をプレゼントしたんです』



えっ!
業者の人に退職のプレゼント!?
そんな文化、私にはないで!?
ほんで、



茜「なんで黒猫の置物なんですか?」



西『一番最初に話すきっかけになったのが彼に「猫と犬どっちが好きですか?」って聞かれて、
「猫やで〜」って言ったら
「僕も猫が好きですー!」って言ってたので・・・』



茜「会話覚えてるやん!好きなもの覚えてプレゼント渡して、その気にさせてるやんかー!!」



西『違うんです、本当にそういうつもりじゃないんです!』



茜「彼が、歯ぁ無いおっさんやったら、そんなことせんでしょうが!?」



西『・・・それはしないですけど!』



茜「ほらあっ!」



令和のその気にさせ子、西山さん。



茜「彼、仕事辞めたのに、どうやって付き合うようになるんですか?
連絡先の交換してたんですか?」



西『その時はまだ連絡先は教えていませんでした。
彼、配送の会社辞めてから、飲食店で働き出してたんですけど、
月に一回くらい仕事が休みの日に私服で私の職場に来てたんですよ!』



4人『えー!?すごー!」



茜「西山さんに会いに来てたってことですか?」



西『今思えばそうですね。その時は普通に「久しぶり、元気してた〜?」とか話したと思います。
そしたら彼が、「ご飯行きましょう!」って言うて来たんです!』



4人『きゃーーー!!』



茜「行ったんですねっ!?」



西『断りましたよ!』



4人『えええええ!?』



西『断りましたよ、
「こんな年上の大人ご飯と行ってもしょうがないやろ〜、若い子と行き〜」って』



茜「彼、西山さんの年齢知ってたんですか?」



西『こちらから年齢言う義理ないし、聞かれてもないし言ってませんでした。そしたら彼が、



彼『おいくつなんですか?』



西『いくつぐらいやと思ってたん?』



彼『・・・22、3歳ですか?』



って、ボケでもなく真剣に言うてくるから、



女、見たことないんかっ!!!!
何をどう勘違いしとんねんっ!?!?
って思ったんです!』



4人『ギャハハハハハ!!!!!』



西『それで、「43やで〜」って言うたら、驚くでもお世辞を言うでもなく、



彼『そうですか』



って別に何歳でもいいって言う反応やったんです』



いい!!!
めっちゃいい!!!
年齢気になってたら、一目惚れした時に聞くもん!!
年齢ほんまにどうでもいいから聞いてなかったんや!
彼が22歳って思ったら、22歳!!
彼、めっちゃいい!!
でも、良すぎて怖いっ!!!



西『だから、男兄弟だけの父子家庭で、男子校行って、女を初めて見たんやと思ってたんです』



茜「生きてたらどっかで女は見るやろ!」



西『話聞いたら、お母さんももおる、お姉さんもおる5人兄弟の3番目で、共学行ってました』



茜「めちゃくちゃ女見てるやん!」



西『ほんで、彼に、



彼『休みの日何してるんですか〜?』



西『何もしてないか、Wワーク(私と同じコールセンター)してるよ〜』



彼『彼氏さんと会わないんですか?』



西『彼氏いてないよ〜』



彼『どれくらいいてないんですか?』



西『3年くらいかな〜』



彼『そうなんですか』



って、今思えばフリーってこともサラッと聞かれてましたね』



4人「すごーーーーー!!」



茜「・・・西山さん。彼のお母さんの歳、聞きました?」



西『・・・。・・・聞きましたよ』



茜「・・・彼のお母さん、何歳ですか?」



西『・・・。

・・・私の、


・・・1歳、


・・・下なんですよーーー!!』



茜「!!!!ぎゃははは!!!彼の母親年下ーー!?」



きっつーーー!!!
1歳でも下はきつい!!
1歳でも上であって欲しかった!!
他人事でおもしろ過ぎて、爆笑!!



西『ほんで、初めての食事の誘い断って、1ヶ月くらいしたらまた「ご飯行きましょう!」って職場に来たんですよ!』



茜「メンタル強っ!」



西『「また予定確認しておくね〜」って断ろうとしたら、

彼『今日行きましょう!』

西『今日は持ち合わせないねん〜』

彼『僕が出します!』

西『この辺の店あんまり知らんし〜』

彼『僕、配送でこの辺回ってたので知ってます!』

って、
あの手この手で断ろうとしたけど、
全部あの手この手で返して来るから、
もう行ったほうが早いと思って行くことにしてん』



茜「今時の子やのに、押しが強いのめっちゃいいです!!
何食べに行ったんですか?」



西『彼に「何食べたいですか?」って聞かれて、
何でもよかったんやけど、一番面倒くさくなさそうな、
「焼き鳥かな〜」って言うたんですけど・・・
うわっ!!
めっちゃ腹たつこと思い出しました!!』



茜「なになになに何!?」



西『その日、金曜の夜で京橋はサラリーマンでいっぱいやったんです。
ほんで予約せずに行ってるから、
1軒目の焼き鳥、満席で、
2軒目の焼き鳥、満席で、
3軒目の焼き鳥、満席で。
別に焼き鳥を食べたかったわけじゃないし、
仕事終わりで疲れてるし、
どこでもいいから早よ食べて早よ帰りたかったんで、
「もう焼き鳥じゃなくていいよ〜」って言うたんですけど、

彼『他にも焼き鳥屋知ってます!』

言うて、何としてでも焼き鳥屋に行ってくれようとするんです。』



茜「西山さんが焼き鳥言うたから!
それ叶えるのに一生懸命でかわいいじゃないですか!」



西『ほんで、
4軒目の焼き鳥、満席で、
5軒目の焼き鳥、満席で
1時間以上経ってもう帰りたかったんです』



茜「え。まだ行くんですか?」



西『行くんですよ!6軒目の焼き鳥の看板が見えたら、

彼「席空いてるか聞いてきます!」

ってピューって走って行ったんですけど、
私は走れないんでその店見ながら歩いてたら、
看板にニ階が焼き鳥って書いてるのに、
彼、一階のピザ屋に入って行ったんです。
ほんで、

彼『席空いてました〜!』

って手を振って来るんですけど、
絶対ピザ屋なんですよ。
私が店着いて、コソッと
「ここピザ屋さんじゃない?」って聞いたら、
ワイングラス置いてる店構えも
メニューも完全にピザ屋やさんやのに、
ピザ屋さんに

彼『ここ、焼き鳥ありますか?』

って聞くんですよ!
そしたら、
ピザ屋さんに

ピ『焼き鳥はないです』

って言われて、
もうめっちゃ恥ずかしかったです』



茜「でもまあ、やっと食事できたんですね?」



西『・・・それが』



茜「何っ!?やめて!怖い!続けて!」



西『一杯だけ飲んで、焼き鳥屋に移動するんですよ〜!』



茜「上の階の焼き鳥に行ったって事ですね?」



西『・・・そこも満席だったんですよ!』



茜「もうええわ!!!」



西『7軒目でやっと入れたんです』



茜「焼き鳥屋さんに?」



西『・・・居酒屋さんに』



茜「ぎゃははははは!!!かわいそう!!」



西『一応、焼き鳥もある居酒屋だったんですけど、
こっち疲れてるから、もう何食べてるか味なんかわからへん!!』



茜「おもろっ!」



西『その日解散した後も腹立ってるから、
・どんくさい子やな
・仕事してる時から段取り悪いって思っててん
・天神祭で集荷遅れることも要らんことばっかり話して伝え忘れられて、
集荷来なくて大変なことになったんやったわ。
・「チョコ好き」っていうたらホワイトデーの時もチョコのケーキばっかり4つ渡しててきてからに。
胸焼けするって!
とか、思い出し怒りしながら電車に乗ったんですよ』



茜「!!!おもろ!!そのデートは、彼に全くキュンなし?」



西『キュンなんかしませんよ!!
ちょうど更年期も始まってたんでキュンなんかないですよ!!』



茜「ぎゃははは!更年期やめて!
彼からの好きですアピールは?」



西『あ〜。この時はアピールはあるけど煮え切らない感じだったと思います。
彼が会社を辞める時から好意は感じてましたね。
ちゃんと言葉はなかったですけど。
こっちも、何も言われて無いのにフるわけにいかんので。
それで言うと働いてる時は可愛かったですね。
2人で会いだしたら、イライラしかなかったです』



言われてないのにフるわけにいかん、おもろ。



茜「一生懸命で可愛いでしかないけど、そんなイライラします!?」



西『街中で学生時代に流行った歌が流れてきたら、

彼「あ!お母さんが好きな歌や!」

とか言うんですよ!?!?』



茜「絶対言わんでいいですね。
その後どうなったんですか?」



西『焼き鳥デートから1ヶ月くらいしたら、
また突然会社に来たんですよ!』



茜「その押しの強さ最高ですね!」



西『彼が『今日どうですか?バイトありますか?』
って聞いてきて、
断っても断られへんのわかってるから、

西『うん、まあ、いいよ』
って言うて。

でも前回7軒彷徨ったのしんどかったから、
私の通勤途中に夕方も空いてる居酒屋あって、
そこでいいなら。ってことで行きました』



茜「そしたら帰りも楽ですね」



西『そしたら、沖縄出身でお酒飲めるか知らんけど、
チャンポンしだしたんですよ!
飲めるアピールかしらんけど、カッコつけて日本酒ガブガブ飲み出して、
立たれへんなって、トイレも行かれへんようになってもうて。
ほんで「ごめんやけど、ちゃんと立って歩いて」言うて』



茜「あちゃ〜!」



西『ほんでお店の大将にも、

大「お兄ちゃんやっちゃったなあ〜!」

って笑われて、ダッサ〜!って思いながら店出たんです』



茜「ほんで?彼歩けないんですよね?」



西『はい。休んだら歩けるって言うから、カラオケ行ったんですけど、大阪府の条例が!!!』



茜「!?条例?何!?」



西『大阪府の条例で18歳未満は保護者の同伴があっても、22時以降は入店出来ないんです!!
だから、彼だけ身分証明書出さされたんですよ!!




茜『ぎゃはははははは!!!』



条例に引っかかるデート聞いた事ない!!!



西『それでカラオケで1時間休んで、
2度とこいつとはご飯行かへん!と誓いながら帰りました』



茜「話を聞いてる分には可愛いですけど、大変ですね〜」



西『ほんで、その時やっと連絡先を教えたんです』



茜「もう会わへんつもりやのに?」



西『連絡先教えといたら、突然職場に来られることはもうないかなと思って』



茜「ほー。なるほど。LINE教えたんですか?」



西『電話番号です』



茜「なんでっ!?」



西『私、まだLINEやってなかったんで』



茜「ぎゃははは!おそっ!」



西『その時ってLINEありました?』



茜「2017年でしょ!?バリバリありましたよ!」



西『そのあと、連絡来て誘われても、ほんまに断ってたです。
断っても、しばらくしたら、

彼『いつ休みですか?』

って連絡が来るんですよ!』



茜「可愛すぎるぅ!!ナイス、ガッツ!」



西『だから、「そっちの休みの日を教えてくれたら、こっちが合わせるから〜」って言うてん』



茜「うまいことはぐらかしますね」



西『ほんでしばらくしたら

彼『いついつ休みです』

って連絡来てん!』



茜「ちゃんと休みの連絡して来てるやん!ほんで?」



西『「よかったね」って言うたよ』



茜「!!!!よかったねって何やねん!!めっちゃ突き放すやん!!」



西『ほんで、

彼『天神祭行きましょう』

って言われてん』



茜「めっちゃいい!お祭りデート!かわいい!!
天神祭、行きましたよね?」



西『・・・行きました。でも、行かんかったらよかったです』



茜「・・・彼の事、
・・・かわいいと思ってしまったんですか?」



西『違う。私、大阪生まれ大阪育ちやけど、天神祭行ったことなかってん』



茜「・・・はい」



西『あんなに、人が多いなんて知らんかった!!
夏やし人混みやし更年期やしで暑過ぎて、とんでもなく汗ボトボトになってん!!』



茜「ぎゃははは!!!更年期やめてって!」



西『彼は沖縄出身で暑くないか知らんけど、涼しい顔して歩いとんねん!
私はほんまに汗ボトボト!!
すぐ帰りたかったです!!
ほんで彼がかき氷買うって言い出したんやけど、
なんかボソボソ喋るから、
屋台の人に「え?え?」って何回も聞き返されとんねん!!ほんで私が横から

『ブルーハワイ1つー!!!』

言いましたよ!』



ブルーハワイおもろ。



西『ほんで彼が、

彼『離れたらあかんから』

言うて、手を出してきたんです・・・』



4人『ギャーーーーーー!!!!!』



茜「・・・手ぇ、繋ぎましたよね?」



西『・・・繋ぎました』



4人『ギャーーーーーー!!!』



茜「めっちゃいい!めっちゃ可愛い!!
西山さんもさすがにキュンつきましたよね?」



西『それが全く』



4人『なんでーーーーー!?』



西『周りからどう見えてるのかが気になって・・・。』



4人『・・・。』



西『どちらかが介助必要な親子に見えてるかな〜?
ママ活に見てるかな〜?ってそんなことばかり考えて、
10分くらいして、人混みじゃなくなった時に手を離してしまいました・・・』



・・・切ない。



西『その後も花火見て帰るまで手を繋ぐことはなかったですね〜。
それで思い出したんですけど、』



茜「なにっ!?」



西『いやね、花火見るところも、

彼『僕、穴場知ってるから!』

って言うからそこに行ったのに、
穴場でも何でもなくて、
人いっぱいおるし、
花火全然ちゃんと見えへんのですよ!!
よう考えたら、こいつも大阪出てきて2年目で、
天神祭行ったことないから、
天神祭の穴場なんか知ってるわけないんですよ!!
暑いし見えへんし花火終わってすぐ帰りました!』



西山さん、また怒り出したで〜!!



茜「2回目の彼べろべろデートのあと、2度と会わへんって言ってたのに天神祭行ったのはなんでですか?」



西『彼が、進学じゃなくて就職で大阪に出てきて、
お友達おらんの知ってたし、母心ですかね〜』



茜「あくまでも西山さんはデートってつもりじゃないんですね」



西『大阪のオカン?みたいなつもりでした。
7月25日の天神祭のあとすぐ連絡来て、
8月2日に会いませんか?って言われたんです』



茜「え!祭りの1週間後ですやん!間隔短くなってる!」



西『はい、すぐ連絡来ました』



茜「手ぇ繋げて嬉しなって会いたくなってるんやん!
会いましたよね?」



西『・・・会いました。
でももう、付き合うのは無理やでって分からせるために会いました。
こちらは拒否の姿勢を貫いて、
向こうから諦めてもらうようにするために・・・』



・・・切ない。



茜「自分と付き合わん方がいいって思ったってことですよね?」



西『そう!だって絶対同じくらいの年の子と付き合った方がいいじゃないですか〜!
私は若い子と同じような遊びは出来ないし、
将来の話になっても元々結婚願望もないし、子供も欲しくないんです。
だから、私を諦めて他の子と付き合った方が幸せだと思って』



茜「彼のために・・・」



西「・・・あと、・・・いや、いいです」



茜「なにっ!?言え!」



西『最初に私の年齢の話になった時に言ってたんですけど・・・』



茜「うん」



西『・・・彼、


・・・まだ、


・・・誰とも付き合ったことなかったんです』



4人『ええええええええーーー!?』



茜「あの見た目で!?」



西『らしいです』



茜「初めてデートした相手が西山さんってこと?」



西『・・・そうですね』
4人『ぎゃーーーーー!!!!』
茜「そういうのを全部言うてくれよ!!」



西『そんなん余計に若い子の方と付き合った方がいいじゃないですか〜!!!』



茜「うわーー!!西山さんの気持ちもわかる!
でも、外野としてはイケイケGOGO!なんですけど!!
彼も、経験無さすぎて我武者羅一生懸命になりますよ!!
ほんで、8月2日会ったんですよね?
何したんですか?」



西『梅田に行きました』



茜「何しに?」



西『ランチして、2人とも猫好きやったんで、猫マートっていう
猫のグッズをめっちゃ売ってるお店があるんで、そこに行きました。』



茜「手ぇ繋いだ?」



西『人多いし親子に見えるから繋ぎませんでした。
猫マートって、店入った瞬間から見えるものが全部手に取って見たくなるくらい可愛くて、
入り口付近見るだけで30分くらいかかるんです。
私が「かわいい!」「欲しい!」とか言うと、
彼が片っ端から買い物カゴに入れて行くんですよ!
ほんで、「待って待って、全部見てから」って言うて、
全部カゴから戻してもらって』



茜「喜ばせたくて一生懸命!」



西『全部見て、猫のお箸を買ってくれました』



茜「・・・お揃いちゃいますね?」



西『・・・はい、お揃いです』



茜「お揃いにしてるやんけーーー!!!
その時まだ彼の家行ってませんよね?」



西『はい、行ってません。それぞれ家で使う用です』



茜「なるほど。そのあとは?」



西『観覧車に乗りました』



4人『観覧車ーーー!?!?』
茜「HEPの!?赤いやつ!?」



西『そうそう、それです!』



茜「・・・なんか、


・・・ありました?」



西『・・・。

・・・なんか、

・・・ありました』



4人『ぎゃああああーーーー!!!!』



茜「なになになになに!?」



西『いや、観覧車に乗って、』



茜「乗って、じゃなくて。どっちから?
どっちから先に部屋に入ったんですか?」



西『私からです』



茜「レディーファーストですね!
ほんで彼はどこに座って来ましたっ!?」



西『向い側です』



茜「回り出したら、彼の背中が上空側で、
西山さんの背中が地面側ね?」



西『そうですね!そんなにそこまできっちり言う必要あります?!』



茜「ありますっ!!ほんで?」



西『ほんで、進んで行ったら途中で彼が私の隣に座って来て、』



4人『きゃああああーーー!!!』



西『私の手をきゅっと握って来たんです』



4人『ぎゃああああああああ!!!!!』



西山さんが見せてくれた、『きゅっと』の握り方が、
手全体を包む握り方じゃなくて、
指先の方だけを握ってて、
彼の勇気と緊張がありありと伝わって来ました。



茜「天神祭で手ぇ繋いだし、彼はずっと手ぇ繋ぎたかったんやん〜」



西『手ぇ握ってきたあと、不意打ちでキスされました』



4人『きゃあああああああ!!!!』



茜「しんどいしんどい!!!!
待って、待って、待って、
彼、ファーストキッスってこと!?」



西『・・・そうですね』



4人『ぎゃああああああ!!!!』



茜「待って、待ってしんどい!!
さすがに、キュンとしましたよね!?」



西『「ちょっとアンタ、何してんの〜!!」ってブチギレですよ!!!』



4人『なんでーーーー!?!?』



茜「キス、嫌だったってことですか?」



西『いや、「別に生娘でもないし、まあええっか」って思ってましたよ』



生娘でもないし、おもろ。



茜「じゃあ、なんでブチギレるんですかぁー!!」



西『ここでめっちゃキレとかな調子に乗りよるなと思って』



4人『・・・。』



西『年上は怒るって分からせて諦めさそうとしましたね』



4人『・・・。』



茜「そのキス、観覧車が時計やとしたら、短針が何時の時ですか?」



西『・・・10時』



10時てーーーーーー!!!!!
6時に乗ってすぐやんーーー!!!
彼、焦り過ぎやろーーーー!!!!
残りの時間気まずーーーー!!!!



茜「西山さんに怒られたあと、彼どこに座ってたんですか?」



西『怒られてシュンとして元の位置に戻ってました』



4人『ギャハハハハ!!!』



茜「前回手ぇ繋いだし、今日は絶対チューするって決めてたのに、
まさか怒られると思ってなかったでしょうね!
あと半周どんな空気で観覧車乗ってるんですか?」



西『シーーーン。ですよ。
私は窓の下の景色見てました。
チラッと彼の方見たら、景色見んと、
両手を太ももに挟んで猫背で靴の先見てました』



4人『かわいい!!自分の気持ちに正直でかわいい!』



茜「観覧車降りたあとは?」



西『プリプリ怒りながら私が先歩いて、
プリプリ怒りながらご飯食べて帰りました』



茜「ご飯は食べるんかい!どんな空気?」



西『そら、お通夜よりお通夜ですよ!』



茜「しんどい!お互いしんどい!
彼、そっからどうリカバリーするんですか?」



西『その次会ったの、3ヶ月後の11月で、』



茜「えっ!?3ヶ月後?何の空白の期間?」



西『知りません!頭、冷やしてたんちゃいますか?』



茜「その11月はどこ行ったん?」



西『海遊館ですね』



4人『おお〜!めっちゃデート!いつもよりちょっと遠い!』



茜「前回怒らせてしまったのに、それ彼はどんな感じで誘ってくるんですか?」



西『・・・。』



4人『・・・?』



西『・・・ちゃうわ!』



4人『え!?』



西『思い出したっ!!』



4人『何をっ!?』



西『待ち伏せされてたんですよ!!』



茜「どういうこと!?」



西『私、Wワークのコールセンター、曜日と時間固定で出勤してるじゃないですか?
それ、前に彼に言うてて、私のシフト知ってたんですよ。
梅田プンプンデートの後、しばらくしたある日、
コールセンターの仕事終わってビル出たら、
彼、おったんですよ!』



こっっっっわーーーーーー!!!!
おんもーーーーーーーーー!!!!
コレされたら私、無理かも!!!!
何やったら、焼き鳥屋7軒巡り入れたのは一軒だけ。
の時点で無理かもーーーーー!!!!
怖すぎる!!!



西『こーわ!おるやん!と思ってたら、彼に

彼『LINE教えて』

って言われました。
待ち伏せされたり急な電話が来るよりLINEが楽なんで、
その時はもう始めてたLINE教えました』



茜「そのままご飯いきました?」



西『行きませんよ!突然来られても家帰ってご飯食べなあかんし!!
LINE教えて終わりです』



聞いてるだけでめっちゃしんどいけどーーー?!
でも、このしんどさを乗り越えた先に幸せがあるんやなぁ。



茜「じゃあ海遊館行くのはLINEで決まったって感じですか?」



西『そうですね!で、LINEの中で彼が「名前で呼び合いたい」って言い出して、コイツ距離詰めて来たなあと思いましたね』



4人『ぎゃあああ!!!』



西『私、優子なんで

彼『ゆうちゃんって呼んでいいですか?』

って言われて、ええよー言うて』



茜「ほんで?『呼び合いたい』でしょ?!
西山さんはなんて呼んでるんですか?」



西『ご家族やお友達からなんて呼ばれてるの?って聞いたら、
「まーちゃんって呼ばれてる」って言うから、
ほな、私もそう呼ばせて貰うねって言いました』



4人『かわいいーーー!!!!』



茜「ゆうちゃん、まーちゃんで行く海遊館はどうやったんですか?」



西『それがね、何も覚えてないんです!
あー、元彼と来たなぁ〜とかしか』



茜「手は?繋いだ?」



西『繋ぎません!
手を繋ぐどころか、そのあと会うたび毎回何かに怒ってましたね』



茜「西山さんが?怒ることあります?!」



西『IKEA行ったら帰りのバスが丁度発車寸前で、
私の腕掴んで走って乗り込んだバスが、
帰りたいなんば行きじゃなくて、梅田行きのバスやって、「行き先確認してから急ごうや!」って怒り、
清水寺のライトアップ行こうって言われて、
「傘さして京都回るのしんどいから天気とか行き方とか調べといてね」って言うたら、
「雨は降りませんー!」言うて来たんですけど、
大阪の天気調べとるんですよ!
ほんで、肝心の清水寺は改装中でライトアップ自体やってなくて、「何しに来てん!ってなるから定休日とかまで調べてな!」って怒り、
そもそも待ち合わせもまともに出来ないんですよ!
なんばマルイの地下の地下鉄改札前で待ち合わせやー、言うてんのに、
髙島屋の地下の宝くじ売り場の前で待ってたんですよ!
「どこんおんのー?」いうて電話したら、動いてるから探されへんのですよ!
散々歩き回って腰も痛いし「分からんかったら動かんといて!」いうてプンプンですよ!
車道側歩かされては「君が車道側歩いてな?」って言うて、「先入ってドア開けたなら、私が入るまで開けといてな?」言うて怒ってました』



・・・。



・・・。



育ててない?



彼のこと、育ててない?



気の利く自分好みの男に育ててない?



茜「イイ男に育ててるやん!」



西『一緒におるんやったら、それくらいやって貰わんと腹立つんで、教育として全部言いましたね〜』



茜「それを言えるのがすごいです!!
黙ってフェードアウトしないのがすごいです!!」



西『毎回怒るのに誘ってくるんで、会ってまた怒って。を繰り返して、
アピールしてくるけど言葉ではなにも言ってこない状態のまま、クリスマスですかね』



茜「何が?」



西『彼から、


彼『結婚を前提に付き合って欲しい』

って言われました』



4人『ぎゃああぁあぁぁああーーー!!!』



ギャーーーーーーー!!
一生懸命で可愛いけど、
おんもーーーーーー!!



茜「で?!」



西『これは、さすがに私も根負けしました』



4人『そらするーー!!
なんか、彼めっちゃいいやん!
ずっと一生懸命やし、西山さんとのことをめっちゃ真剣に考えてくれてるやん』



西『ちょっと付き合ったら、やっぱり無理って分かるか〜!に気持ちがシフトしましたね』



茜「でも、付き合う方向に腹を括ったんですね?」



西『はい。付き合うにしても、色々確認しとかないといけないことがあるんで、まず彼に確かめました』



茜「・・・確認?なに?」



西『年、離れてるけど?』

彼『はい!気にしてません!』



西『若い子がしてるデートなんか出来へんで?』

彼『はい!!大丈夫です!!』



西『水着なんか着られへんから、海もプールも行かれへんで?』

彼『はい!!!いいです!!!』



西『結婚はしたくないし、子どもはもう産まれへんで?!』

彼『はいっ!!!!』



西『それでもええねんなっ?!』

彼『はいっっっ!!!!!』



西『ほな、死ぬまで面倒見て、骨まで拾えよっ!?』

彼『はいっっっ!!!わかりましたっ!!!』



西『で、付き合うことになりました』



4人『きゃーーーーー!!!!』



面白すぎる!!
拾って来た犬を飼うのを親に許して貰う時やん!!



彼の粘り勝ちがすごい。



茜「付き合えるようになって、彼ルンルンでした?」



西『いや、全然!』



茜「なんで?」



西『コイツちゃんと理解してなさそうやなと思ったんで、さっきの確認事項を会う度毎回確認してたんで、
付き合えてるのか半信半疑やったっぽいです』



茜「ちょっと!面白すぎる!!」



西『いや、おもんない、おもんない!』



おもろいやろ!



西『一緒に住み始めてやっと安心できたみたいです』



茜「どうやって一緒に住みことになったんですか?」



西『付き合いだしてすぐ一緒に住みたいと言われたんです』



茜「彼めっちゃ本気で西山さんのこと考えてますね!!なんてったって結婚を前提に〜ですもんね!」



西『でも、父親の介護あるから無理やでと断っていました』



茜「え?Wワークして、お父さんの介護もされてたんですか?
そんなこと今まで言ってなかったじゃないですか!」



西『そうですね』



茜「私、自分のためにしか生きてなくて恥ずかしいです。・・・改めはしませんけども」



西『タケウチさん(私)はそれでいいんです』



茜「彼の家には行ったことあったんですか?」



西『家に行ったのは付き合いだしてからですね!』



大人の線引き!



茜「当時、43歳ですよね?」
西『はい』
茜『ずっと実家暮らしですよね?』
西『はい』
茜「急に外泊が増えることについてはご家族になんて
言ってたんですか?」



西『外泊してないんですよ!』



茜「え?彼の家じゃなくても?」



西『はい』



茜「なんで?」



西『父の介護があったんで。夜は私がトイレの世話をすることになっていたので、
絶対に帰らないとダメだったんです』



・・・西山さん凄すぎ。
本当に素敵な人。
その西山さんに選ばれるなんて、彼、やるやん。



西『そしたら、数年後、父が亡くなったんです』



4人『えええええぇぇぇ!?』
茜「え!?それも初耳なんですけど!その時言うてくださいよ!」



西『まぁまぁ。すると、あんなに住みたがってた彼も今は言うべきじゃないと思ったのか、
住みたいって言わなくなりましたね』



彼、突っ走りがちやけどそういう分別はつくの偉い。



西『父が亡くなってから、遠いのにお墓参りに一緒に来てくれたんです。
「お付き合いさせてもらってます」って手を合わせてくれたのを見て、
初めてキュン!としましたね』



4人『・・・。』

涙腺やばい
めっちゃええ子やん。



西『父が亡くなって1年経った頃、

「一緒に住もうか」

って言われました』



4人『ぎゃああああーーーーーー!!!!』



男らしくなってきてるーーーー!!!!



ストレートに言うてくれるのめっちゃいい!!
私もそんなこと言われてみたかった!!
今世はもういい!
来世では言われたい!!



茜「それで、それで?」



西『父の介護も無いので、断る理由はもう無くなりましたね。
あと、1回くらい実家を出て暮らしてみたいっていう気持ちもあったんで、OKしました』



4人『きゃーーーーーー!!』



西『彼の家に私が住み始めるんじゃなくて、新居を探しに行ったんです。
そしたらすぐに条件に合う良いところがあって、契約することになったんです。
金額も大きいしどうせ全部私が払うことになるんやろうなと思ってお金用意して契約に行きました』



そう、そこ!!
そこ大事!!!
西山さんが金づるとしてみられてないか懸念してるところ!!
本人には言われへんけど!!



西『そしたら、「僕が全部出します!」って言うて、
新居に関わる費用、全部出してくれたんです』



茜「全部、とは?」



西『家賃、敷金、礼金、家具、家電、私の実家から新居への引っ越し費用まで、
ほんまに全部彼が出しましたね』



4人『すごーーーーー!!!』



かっこよーーーーー!!!
有言実行とはこのことやんか!!!



茜「普段のデート代とかはどうしてるんですか?」



西『・・・全部、彼が出してくれてます』



4人『ぎゃああーーーーーー!!!』
茜「カッコ良すぎるやん!」



西『そら、5円ある?とかで小銭は出しますよ!』



茜「そんなん聞いてないねん!彼が全部出したいってことですよね?」



西『そうですね。「俺が出すから」って感じですね』



金づるじゃなかった!!
すごくすごく大事にされてるだけやった!!
めっちゃ羨ましい!!



茜「で、一緒に暮らし始めてすぐにコロナ罹ったんですね?」



西『はい、彼も一緒に』



茜「はー、すごい話聞けた!ありがとうございます!
一緒に住んで楽しいですか?楽しいに決まってますよね!」



西『普通ですよ!でも、彼が飲食店の厨房で働いていて料理が得意なので、
作り置きのおかずを冷蔵庫に入れてくれるんです。
料理が全くできない私は助かってますね!』



4人『めっちゃいい〜!!!』



西『でも、小姑みたいにチェックしておかずが減ってなかったら、「食べてる?」って怒られるんですよ!?』



4人『・・・。』
茜「惚気やん」



茜「西山さん、料理出来ないの意外です!」



西『全く出来ませんよ!実家ではご飯作ってくれてましたし、洗濯も自分の分が干されてたら自分の分だけ取り込んで、掃除も自分の部屋くらいはやってたくらいで、私は外で稼いできたお金を入れる!って感じでした。
だから彼が料理できるので、これからも料理はしなくて済みそうで助かります』



茜「最後に包丁触ったのいつですか?」



西『・・・お皿洗う時ですかね?』



4人『ぎゃはははははは!!!!!』



おもろ



茜「最後に包丁持って料理したのいつですか?」



西『あれは・・・。もう、20年以上前のことになりますかね・・・』



茜「昔話やん!口調も!」



西『当時付き合ってた彼氏に、母親の考えたレシピで母親の監修の元、ほぼ母親が作ったと言っても過言ではないお弁当を作った。ってのが1回ありましたね』



茜「それっきりないんですか!?」



西『ないですね』



茜「実家ではお母さんのご飯食べてて、
今は毎日彼の作ったおかずが冷蔵庫に入ってるんですか?」



西『はい。そこから食べたいのをお皿に盛って、チンして食べてます』



茜「えーーー!もう、めっちゃ羨ましい!!
私も家で自分以外の人が作ったご飯食べたい!」



西『私が仕事の日はお弁当も作ってくれますね』



4人『えええええーーーー!?めっちゃいい〜〜!!』
茜「家でも外でも彼のご飯やん!」



西『でもね、やっぱり若いからちょっと味濃いんですよ!』



茜「味無いよりええがな!」



西『夏は汗かくからいいですけど、冬は腎臓悪しますよ!』



4人『ぎゃははははは!!!!』



茜「彼、素晴らしすぎるんですけど、嫌なところって
ありますか?」



西『あ!あります!大口開けた時に白目むくんですよ!』



茜「はい?」



西『最初に一緒にハンバーガー食べた時、
かぶりついたまま倒れるんかと思いましたよ!』



4人『ぎゃははははは!!!!』
茜「おもろい話せえ、言うてないねん!」



西『白目剥く癖やめてほしいですね、心配になる』



茜「じゃあ、もう喧嘩とかもないですね?」



西『喧嘩は・・・ないですね。
だいぶ色々教えたのでマシになりましたけど私がたまに怒りますね』



茜「大好きな西山さんに怒られた時、彼、どうなるんですか?」



西『あ〜、目に涙いっぱいためて、シュンとしてますね』



4人『カーワーイイーーー!!!!』



茜「そのあとどうなるんですか?」



西『しばらくしたら抱きついてくるので「次から気をつけてね」って言うて、頭ポンポンしてあげてます』



4人『ぎゃああああああ!!!!』



鼻血ブー。



茜「彼、会ってみたいですね〜」
3人『会いたい、会いたい!』



西『来ていいんやったら、喜んで来ますよ?』



茜「この会に?」



西『はい』



茜「じゃあ、次回2ヶ月後のこの会に一緒に来てください!」



西『わかりました』



4人『きゃああああああ!!!!』



次回2ヶ月後の日にちを決めて解散。
解散後すぐに、
以前コールセンターで一緒に働いていた、
田島さんにLINE。



茜[起きて]



田[起きてる]



茜[やばい。西山さん24才下の彼氏と同棲してはる]



田[ぎゃあ!!]



茜[次の飲み会に彼氏連れてきてくれるって!]



田[行くわ]



私よりしゃべりの田島、参戦決定!!
盛り上がって参りました、盛り上がって参りました!!



松上・村木・山本さんは口が上品やから、
私みたいに根掘り葉掘り聞かへん!
聞きたいくせに!!



〜2ヶ月後の飲み会の少し前〜



西『今度の飲み会、本当に彼氏と一緒に行っていいんですか?』



茜「彼が嫌じゃなかったら絶対連れてきてください!」



西『行く気満々で、ジャケット羽織ったり、ペンダントしたり、もう服を選んでましたよ!』



茜「かわいい!」



ちょっと待ってよ、普通は嫌じゃない?
24才差の相手の職場の人になんか会いたくなくない?
24才上でも、24才下でも絶対嫌やけど?
行く気満々なことある?
嬉しがれる?



〜2ヶ月後、飲み会当日〜



のっぴきならない事情により、私、3時間遅れで会場に到着。



早く生の西山さんの彼氏を見たくてダッシュ。



ゼーゼー肩で息をしながらガラガラっと店の扉を開けると、店の奥の座席に皆さん勢揃いしていて、
まだ扉前に立つ私の目に西山さんと彼が並んで座っている姿が飛び込んで来ました。



・・・。



・・・。



・・・あかん。



・・・西山さん、ごめん。



・・・これは、



・・・これは、あかん。



・・・あまりにも親子すぎる・・・。



・・・どうしよう・・・。



・・・出。



今入ったばかりの扉をまた開けて、
一旦、店の外に出ました。



外で呼吸を整えながら、なんでこんなことになったか考える。



西山さんがコロナで?
引っ越ししたてのコロナで?
その引越しは彼氏と同棲するための引っ越しで?
その彼氏は24才下で?
24才下の彼氏といえば?
【おそく起きた朝は】の磯野貴理子さんの離婚報告の伝説の回!!!!
そうでした、そうでした、
西山さんを同じ目に遭わしたくないから、
彼の本気度を知りたかったんでした!!



よし、彼に聞きたいこと、全部聞こう!
2人には余計なお節介かもしれんし、
疎ましがられるかもしれんけど、
少しでも彼に違和感を感じたら納得いくまで説明してもらおう!!
と、もう膨らんでる鼻をさらに膨らまして、皆さんの待つ席へ向かう。



一つだけ空いている椅子があり、そこに座る。
私の、正面には、彼。



どうしよう。



生の彼、すーごい男前やんか!!



DA PUMPのデビューメンバー全員の顔を足して4で割ったみたいな顔してる!!

ISSAの華やかさと
YUKINARIの柔らかさと
SHINOBUのクールさと
KENのワイルドさ
全部兼ね備えてる!!

Feelin‘ Good 悩める街で見つけたパラダイスって感じの顔!!



茜「はじめまして、タケウチです。西山さんにはいつもお世話になっています〜!」



彼『おおぉ!タケウチさんですか!人の2倍仕事が出来て本当に凄いと話を聞いています!』



・・・。



・・・。



・・・ええ子やん。ええ子やないの!



あかん、

爽やかな笑顔と共にそんなこと言われて、

もう心掴まれそうになった。



やばかった。



まだや、まだ。




茜「聞きたいことがいっぱいあるんですけど、質問してもいいですか?」



彼『はい、もちろん何でも聞いてください!全部答えるつもりで来ました!』



・・・。



・・・せ、



せ、



せ、



誠実ーーーーーーーーー!!!!!!



もうないわ。



聞くことなんか何もないわ。



今ので全てわかった。



彼は、本物や。



茜「今の一言で、もう何も聞くこと何もなくなりました」



彼『何でですかぁ〜!聞いてください!』



茜「じゃあ、聞きます」



彼『はいっ!』



茜「西山さんのどこに惹かれたんですか?」



彼『一目惚れでした!』



・・・。



・・・言われたい。



知り合いの前で年下の彼氏に胸張って一目惚れしたって言われたい。



でも待ってよ、初めて見た西山さんは、
フリース着て、フリース巻いて、
ダッカール2本で前髪を左右にバンバン!って留めてたすっぴん女やったはずやで?



茜「どこに一目惚れしたんですか?」



彼『なんか・・・懐かしい感じがしたんですよね』



・・・すみれの花時計?



懐かしさに惚れられるってなに!?!?
すっぴんフリース巻きダッカール左右留めが功を奏するなんか初めて聞くパターンやねんけど!!



茜「付き合えるようになった時嬉しかったですか?」



彼『やったあ〜!って感じでしたね』



かわいい!!!
素直すぎてかわいい!!



茜「・・・あの、西山さんが初めての彼女って本当ですか?」



彼『はい!』



田『でも学生時代の両思いみたいなのはありましたよね?』



私よりしゃべりの田島、出動しました!!!



彼『ないです』



田『じゃあ、キスもその先も西山さんが初めて?』



彼『はい!』



田『店はあるやろ!?』



彼『ないです!』



田『ないの!?』



なんでそこまでしっかり聞きたいねん!
店の経験あったらどうすんねん!
西山さんおんのに!



茜「・・・あ、あの、直近でキスしたのいつですか?」



彼『今朝です!』



女全員『キャーーーーーーー!!!!』



西『なんでもかんでも馬鹿正直に答えんでええねん!』
と笑顔で彼に注意



彼『だって本当のことやん』
と、見つめ目合ってる。



茜「イチャイチャすなよ!羨ましいから!」



西『してませんよ!』



茜「ご家族は西山さんのこと知ってるんですか?」



彼『実家に帰った時に、スマホ見られて誰?ってなって言いました』



茜「どういうこと?」



彼『待受画面をユウちゃん(西山さん)の写真にしてるんですけど、それを母親に見られました』



ええええええええええ!?!?
待受画面をーーーーー!?!?
ユウちゃんにーーーーーーー!?!?

私、生きてきてそんなことされたことないけどーー!?!?

西山さんのことキョウちゃんって呼んでるんや!
それもかわいい!



茜「・・・待受、見せていただけるかしら?」



西『見せんでいいっ!』



彼『これです!』



西山さんの静止を振り切って見せてくれた、
彼のスマホの中の西山さんは、
いつも1つに結んでる髪を下ろして、両手指先でハートを作って笑ってる、
今まで見たことない西山さんでした。



女全員『西山さんかわいいい!!!!!!!』



茜「お母さん、なんか言うてた?」



彼『誰って聞かれたんで、説明しました。写真の感じで同年代じゃないってこともわかるので、年齢も言いました』



いい!!
隠してないのいい!!
正々堂々と説明してくれてるのいい!!



西『息子さんが自分より一才歳上の彼女を連れてきたらどうですか?』
と、成人済息子持ちの村木さん、山本さんに聞く。



村・山『・・・。

・・・。


・・・。』



黙らんといてーーーー!!!



なんか言うてーーー!!!



そら、一才でも年下がいいよなあ。
相手が西山さんやったら何歳でもええけども。



口を開く、田島。



田『krq8QTO%”(^Y*UGJKL〜?』
(活字にできない質問)



茜「ちょっと、一回黙れる!?」



西『答えんでいい!』



彼『僕は毎晩がいいです!』



西『答えるな!』



全員『ぎゃははははは!!!』



彼、矢継ぎ早に続くどぎつい質問にも笑いながら全て答えてくれました。



えぐい質問はいっぱいしましたが、
磯貴理問題では重要な結婚観とか将来設計については、
西山さんに結婚願望がないので聞きませんでした。



本当に宴もたけなわですが、大騒ぎのままお開きの時間に。



茜「1人4,000円でーす!」



彼『これ2人分でお願いします』
と、誰よりも早く一万円札を出す彼。



スマートやん。



全員で駅に向かって歩き、西山さんと彼は我々と別の道へ。



茜「家まで一緒に帰れるっていいなあ〜」



お礼を言うのはこちらなのに、
2人して何度も頭を下げてくれる。



我々から離れて歩く2人を見て、



茜「めっちゃお似合いの2人やん」

と漏れる。



西山さんと彼が並んで座る姿を最初に見た時の
「あっちゃー」の感情は全くなくなっていました。



他の方とお別れして、
田島と2人歩きながら、
しみじみ、
彼がめちゃくちゃええ子でよかった、と話す。



田『なんか・・・胸いっぱいやわ』



茜「わかる。ずっと勝手に口角上がる」



田『西山さんのこと、真美子夫人の次に羨ましい』



茜「マジでそれ!!ほんまそれ!!」



後日、西山さんにお会いした時、



茜「先日はありがとうございました!我々に彼を会わせて大丈夫でしたか?」



西『実はね、私が飲み会の度に毎回「楽しい楽しい」って帰るから、本人はずっと紹介して欲しいって言うてたんです』



茜「我々にですか?」



西『はい。私の友達に紹介されたかったみたいで、
「やっと会わせて貰った」って喜んでました!』



茜「よかったです〜」



西『ほんでね、「俺、タケウチ(私)さんと気ぃ合う!俺とタケウチさん、似てると思う!」って言うから、
あんたとタケウチさんが似てるなんて、おこがましい!って怒っときました!』



茜「おもろ!」



西『皆さんに男前、男前言われて、調子乗ってますし!』



茜「彼が、めっちゃ素敵な良い子でよかったですけど、一個だけいいですか?」



西『なんですか?』



茜「仕事終わりに待ち伏せされた時あったじゃないですか?怖くなかったですか?正直、私はあの時点で無理かもしれないです!」



西『重かったし、怖かったですよ!?』



茜「重かったし、怖かったんですか!?」



西『刺激したらストーカーになって家に来よる!って思いましたもん!』



茜「え、実家は教えてたんですか?」



西『教えてないんですけど、梅田で買い物した時に会員カードを作るってなって、
椅子に座ってボードに名前とか住所を書き込んでたんです。
書きながら、なんか視線感じるなあ〜と思って目線を上げたら、
彼が完全に私の手元見て、スマホに住所をメモしてたんですよ!』



茜「こっっわーーーーー!!!」



西『怖かったですよ〜!思い詰めた顔してましたもん!
包丁持って待ち伏せしてる人の顔してました!』



茜「無理やねんけど!!」



西『何するわからんから、バッサリ切るは無いな。と』



茜「で?」



西『育てるか、嫌われるかの2択やなと』



茜「育てるが選択肢に入ることがすごいんですけど!」



西「嫌われて諦めさそうとしながら、育てました」



茜「何がしたいねん!でも、見事に育ちましたね!」



西『まっだまだ、全然まだまだです!』



茜「・・・幸せですか?」



西『・・・はい。』



うっらやまし!



(おわり)



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#年上彼女
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