扉はどこに
※ちょっと、不思議なお話。かつ、説明のしづらい話です
先日、朝、目が覚めた時に一つの鍵を手渡された(ような気がした)
渡してきたのは、とある方を通じて知り合った神様(のような存在の方)だ。
「扉を見つけたら、これで開いてください」
そういって渡された一つの鍵。何に通じる扉なのかも、どこに扉があるのかもわからない。もしかしたら、夏へと続く扉かもしれない。昔読んだ古典的SF小説を思い出しながら、そんなことを考えた。きっと、神様は何を聞いても教えては下さらないだろう。それだけは確かだった。
扉の場所が分からずじまいで、数日が経過したある日、神様に尋ねられた気がした。「扉は見つかりましたか」と。
『まだ見つからんのです』と答えようと思ったら、別の自分が答えた。
「見つけましたよ」と。焦る俺。え、そんなの見つけてないよと。
そんなことはお構いなしに、神様に話を進めるもう一人の自分。
「ここでしょ」そういいながら、もう一人の自分が指さしたのは自分自身の体だった。
その時、「あぁ、そういうことか」と腑に落ちたのだ。
扉の先とは何の制限も課していない本来の自分。そして、扉とは制限そのもの。そりゃ、どこを探しても扉なんて見つからないはずだ。それは自分自身の心の中にあるのだから。
にこりと笑う神様と、自分の体に鍵をあてがうもう一人の自分。
そして、扉は開かれた。
ここから、また新しい何かが始まりそうな予感がしている。