東京信州一人旅1→2日目(大垣→東京、ムーンライトながら)
前回、姫路から青春18きっぷで列車を乗り継いで大垣駅に来ました。今回は、快速「ムーンライトながら」に乗って東京へ向かいます。
発車まであと1時間。北側のローソンで明日の朝食とLチキを買って食べ、南側のファミマでコーヒーを買って少しの間スマホとカメラを充電。そこそこ雨が降っていた。
養老線の電車が見えました。
時間が近くなってきたので改札へ。大垣駅は、映画「聲の形」の聖地の一つです。
すでに多くの乗客が集まっています。やっぱりみんな青春18きっぷを使っているようで、有人改札に列ができていました。
「ムーンライトながら 東京」
みんなこの表示を撮影しています。
さあ改札内へ。ムーンライトながらは5番線から発車するそうなのでそこへ向かいます。もうかなりの人が待っているようです。
おおおこの光景!!!!
僕はこのムーンライトながら発車前のホームの情景が大好きなんです!!
老若男女問わず、多くの人がこれから始まる旅を楽しみに、そうでなくても一人一人がそれぞれの感情を持ってここに立ち列車を待っている。いろんな気持ちが混ざって混ざって溢れかえっている。新幹線とも飛行機とも違うそんな高揚感を感じられる場所、時間です。
少し待っていると、遠くの方にライトが見え出しました。それに気付いた人々が一斉にカメラを向けます。僕の心臓はめっちゃバクバクいってました。
「ああああ〜来た〜!!ついに乗れるぞ〜〜!!!」と。まあこの列車に乗るのは3回目なんですけどね。何回乗っても楽しいです。
来た!!
人が歩くような速さでゆっくりと入線してきます。車両はJR東日本現役最古の国鉄急行型電車185系。これがこれから乗る列車
臨時夜行快速 ムーンライトながら
東京行き。
ドアが開くと、列を作っていた人たちが一斉に乗り込みます。一方で、車両の撮影を始める人もいます。僕は後者でした。
185系ももうすぐ引退、それに合わせてムーンライトながらも廃止の可能性が出ている今、写真に記録しない手はありません。
かつては全国に夜行快速「ムーンライト(地名:えちご、信州、九州等…)」という列車たちが走っていたのですが、このムーンライトながらはその「ムーンライト一族」の末裔というわけです。「ながら」は岐阜県に流れる「長良川」が由来。
さあ入線して5分で発車となるので急いで撮って乗ります。
よし乗ろう。
車内はこんな感じ。
22:48、モーターを唸らせて大垣駅を出発しました。
今回、アナウンス時に鉄道唱歌は流れませんでした。基本は鳴らさないらしく、鳴らす時は車掌さんの気分次第だそうです。
10分後、岐阜駅の発車後に検札があり、指定席券をチェックしてもらいます。
今回の切符と大垣で買ったコーヒーを記念撮影。このコーヒーを「プシュァッ」って開けたら、斜め前のおばあちゃんがビックリしたらしく30秒ぐらいこっちを見つめてました笑。
岐阜〜名古屋は、ムーンライトが最もスピードを出す区間の一つです。そのため車内には爆音でモーターが響きますが、既に眠っている人もいるようでした。
周りに気を遣って出来るだけ静かに、ビニール袋からチョコを取り出して食べます。
夜行列車で食べるお菓子、夜行列車で飲む缶コーヒーはなんとも味わい深いものです。
23:20ごろに名古屋、0:15ごろに豊橋と停車していきます。(写真は豊橋)
名古屋ではかなりの人が乗ってきました。前の席に子連れの家族も乗ってきたりしたので、意外に客層が広いことに驚きますね。その後は多くの人が寝始め、隣の人もずっとPCで作業していたのを切り上げて寝たようでした。
僕はというとちょうど名古屋を出たあたりからスケッチを始めたので、「完成させるまでは寝ない」と決めて描き続けました。
0:30時点での乗客の就寝率は90%ぐらい。右の席前後2人組は、このぐらいまでゲームをしていたようでした。
その奥のお兄さんは途中まで、前の席に寄っ掛かり顔面を押し付けて口を開けて寝るというものすごい姿勢でした。
0:46浜松着。ここでは約9分間停車するので、この間にホームに出て撮影します。寝ていた人も何人か起きてきました。
幕は臨時快速。この国鉄特急エンブレムもいつまで見られるのか…
ホーム上の自販機で飲み物を買っている人が多いです。
これが夜行列車の風景。とても味があっていいですね…まだこれが生き残ってる時代に生まれてよかった。
反対のホームには寝台特急サンライズエクスプレスの表示。サンライズにもいつか乗りたい。
デッキでいろいろ撮影。
この手洗い場のレバーは手を離すと止まってしまうタイプ。めんどくさいね。
デッキと客室を仕切るこの扉はセンサー式の自動で、開閉時にそこそこ大きい音で
「カシュッップシューー!!!ガッ!」
みたいな音がするので端の席はちょっとうるさいかも。僕もなるべくセンサーにつかまらないように撮影します。
「くずもの入れ」のフォントに時代を感じる。
デッキは特にモーター音が響きます。
次の停車駅は沼津、3:05の到着ですが
僕はずっと起きてました。
やっぱりスケッチを1回やり始めたら止まらなくなっちゃったんですよ。もう車内で起きてるの自分ぐらいでした。
深夜でもムーンライトながらの車内は煌々と照らされ続けます。それが意識を保つのに助かってしまいました。あと夕方から乗りっぱなしだったせいで尻が痛くなってました。
そして完成したのがこちら。
こういうスケッチをするためにiPadにしたので、それがちゃんと活かせてよかったですね。
完成したので寝たいところですが、あと20分で沼津。もう目を閉じたまま起きてることにしました。
浜松よりもホームに出る人は少し減りますが、それでもけっこうな人数が外に出ています。
停車時間が16分と長めなので、反対のホームに行って列車を撮影しました。
10両って意外と長いよね。
寒い。
ここで貨物列車に何本か抜かれます。
もとの予定では浜松から沼津は寝るつもりでしたが、スケッチによって無しになりました。前乗った時も沼津までずっと起きてたので、まったく同じシナリオを辿ってしまいましたね。
でもやっぱりあまりに楽しくて寝るのが惜しいというのが一番の理由です。
ムーンライトながらは、睡眠時間を削ってでも深夜を楽しむ価値のある列車です。まあ寝ないとちょっとしんどいけどね。それはそれで思い出になるでしょう。
…で、ですよ。
寝れない。
アイマスクを着けても絵を描いてたせいで目が冴えてるのと、モーター音がうるさいのとで全然眠くならない。あと腹が減ってきた。大垣出てからあんなにチョコ食べたのに。
かれこれ10分ぐらいひたすら目を瞑ったまま座っていました。
僕は思いました。
「これ眠くなるのか、というか寝れるのか」と…
アナウンスで起床。アイマスクの端から漏れる照明の眩しさに目が染みて涙が出てきたけど、だんだん慣らして外を見ると横浜に着いたところでした。
目がめっちゃシパシパする。涙が止まらん。フラフラした足で顔を洗いに行きました。
レバーから手を離すと水が止まる洗面。片手で顔を洗い、ついでにトイレへ。トイレもなかなか時代モノです。
曇ったドアを拭いて外を見ると、まだ外は暗闇。まばらに建物の電気がついていました。あまり朝になった実感がありません。
まあそれもそのはず。結局1時間も寝てなかったんだから当然ですよ。
なんとなく思い出すと、ぐっすり寝ることは出来ず4分の1ぐらい起きながら辛うじて睡眠をとれたようでした。
今から寝る気にもならないので、東京まで起きていることにしました。さっきのスケッチの色調整をしたりして最後の時間を過ごします。
首都圏の高層ビルも見えず、ただ暗闇の中ラストスパートを駆け抜けていくムーンライトながら。
5:05、終点東京に到着。
乗客はみんな荷物をまとめて列車から降りていきます。
人がいなくなったところで車内の様子を撮影。
座席はこんな感じ。座り心地は普通に良いです。寝心地は人によりますが。
ちょっとだけ嫌なところは、座席の下に思いっきり暖房があるので足が伸ばせないことですかね。通路席なら片足を投げ出すことはできます。
6両編成側に、たま〜〜に足元暖房がなく足を伸ばせるタイプのものが連結されるそうですが、本当にレアなので基本伸ばせないと考えた方がいいです。
カーテンとブラインドの両方が付いています。
各所に歴史を感じます…
東京駅
来るのは1年ぶりです。遠くまで来てしまいましたねえ。
大垣から約6時間。めっちゃ長旅だったように感じますがまだまだ旅は始まったばかりです。すぐに次の列車に乗ります。
ムーンライトながらは青春18きっぷの強い味方で、関西〜関東を夜のうちに移動でき旅行の効率化に大きく役立ってくれます。
この列車がなくなったら、18キッパーに大打撃が訪れることは間違いありません。
さらに、国鉄時代から続く夜行普通列車の歴史に終止符が打たれることにもなります。
昔ながらの夜行列車の風格を残すこの列車はとても貴重なものです。その列車に、今乗れたことは非常に幸運なことです。この日は一生の思い出の一つになりました。
というわけで、ムーンライトながら乗車記でした。かなり長くなりましたが、最後まで読んでくれてありがとうございます。
こんだけの量書いときながら、まだ2日目に突入したばかりなんですよ恐ろしくないですか。
つまりまだまだ旅行記は続くということです。
実際のところ、この旅行記は日記的な感じで、自分自身の思い出の記録として書いている部分もあるので多少至らない点があるかもしれません。それでも読んでくれる人がいるのは本当に嬉しいことです。
もし良ければ、続きも是非読んでください。次回は、
「おはようライナー新宿26号」
の乗車記になります。
また、ムーンライトながらについては以前にも詳しく記事を書いてますのでよろしくお願いしますね。
それではありがとうございました!
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