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超・要約 | withコロナ社会の大人の学びと実践

SCBイノベーションアカデミー オンライン特別講義 Program-1

withコロナ社会の大人の学びと実践というタイトルで行われた講義について、
「忙しい人向けに要点だけを抜き出した」記事です。

このページから興味や関心に合わせて、さらに全編動画の視聴や参考資料・書籍など個人の学びと実践を深めるため使ってください。

講義概要

「スタートアップのマチ」福岡で、起業者や新規ビジネスの担い手を教育と実践両面から支援し続ける講師からwithコロナ時代の起業家精神を学ぶ

キーワード

・アントレプレナーシップ
・コレクティブジーニアス
・エフェクチュエーション

事務局ピックアップ

ここでは、事務局がポイントだと思った点を3つ取り上げます。

①今ある手段を使ってパッチワークのように作り出す・紡ぎだしていく
②起業することだけではなく新しい何かをすることはすべてアントレプレナーシップ
③コレクティブジーニアスは一人の天才に頼ることではなくて組織成員の才能は集めて良い結果を導くこと

超要約 講義内容はこちらから

ここからは、全講義時間75分のうち、10分にスポットを当てて講義内容を紹介します。
※全体講義から一部抜粋する形で記事化しているので、講師の意図と違う意味で捉えられる場合もあります。あくまで「超要約」である点をあらかじめご了承ください。

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起業家はいかに事業を起こすか?

エフェクチュエーションっていう考え方です。
最近いろんなとこで取り上げられてきてるので、ご存知の方もいらっしゃると思いますけれども、まあエフェクチュエーションっていう考え方は、何かっていうと、この下の図を見てください。

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そもそも企業経営っていうのは、経営者が設定した目的ペースで何を達成すればいいかっていうところからスタートする。
だから計画が重要なんですよね。その計画メインではなくて手段ありき。
つまり今ある手段を使ってパッチワークのように作り出す・紡ぎだしていく物っていうものが起業家行動のポイントなんだと言っています。

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その時に鍵になる考え方が何かって言うとここに五つのマインドセットってのもありますけど、この中で特に2番目のアフォーダブルロスっていう考え方がとても重要だよ。
どういうことかと言うとリスクを取るときにやぶれかぶれにその資源を全て投入するのではなくて許容可能な損失額というのを決めておいてここまでだとリスクは制御可能だよというのを決めて、そこをベースに投資をするか実行するかしないかを定める。
リターンばかりではなく、自分が負うことが可能なロスというものを計算しておきましょう、というのがエフェクチュエーションが言っている重要な論点だと言えます。

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さて、そのイノベーションを起こすという考え方ですが、アントレプレナーシップとコレクティブジーニアスという二つの考え方が重要だという風に私は考えています。

アントレプレナーシップって何かって言うとこれある個人が課題をジブンゴトとして考える。心もちの持ちようでゼロからイチを作り出したり許容可能なリスクを取ること、限られた資源を有効活用する事ってのはアントレプレナーシップ。

一方で、コレクティブジーニアスっていうのは集団をチームをうまく組織しましょうという考えです。

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アントレプレーナーシップ(起業家精神)とは?

アントレプレナーシップとは?
これはハーバードの先生が次のように定義しています。起業することではありませんコントロール可能な資源を超越して機会を追求することであるという風に言っています。

コントロール可能な資源というのは限られた経営資源を有効活用してそれを組み合わせること。
追求するというのは、困難な取り組みであっても目標達成のために機会を探索し続けることだと言っています。
アントレプレナーシップっていうのは何も起業することだけではなく、新しい何かをすることはすべてアントレプレナーシップなんですね。

コレクティブ・ジーニアス(集合的天才)とは?

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もう一つのコレクティブジーニアスというのは一人の天才に頼ることではなくて組織成員の才能は集めて良い結果を導くことです。
要するに知恵者を集めることだけではなくて、何か特技を持っている人たちを集める。
分かりやすく言うとワンピースのあの船に乗っているメンバーがまさにコレクティブジーニアス。
それぞれ能力は違うし、海賊王に目的があるんだけどそのルフィのもとに集まった様々な人が、一つの目標に向かって場を共有するという考え方がコレクティブジーニアス。

その時に鍵になる考え方が三つ。
創造的摩擦力
アイデアを出し合われる場で対立を通じながらより良いものにしていく能力

創造的機動力
すばやい実験と検証と修正を通じてアイデアを弾し、磨いていく組織の能力

創造的決断力
創造的な決定をする組織の能力ということで異なる意見を一つに統合してより良い解決を目指す。

ということです。

イノベーションを導くリーダーシップ

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これは言い換えればこっちの方が分かりやすいと思うので、これで頭に置いといていただくといいと思うんですけど。

一つは、目的と価値観と規則の上にコミュニティを築く多様性と対立っていうことを軸にしたコラボレーションを図りましょう。

もう一つは、これはプロトタイピングですね。作ってすぐに修正という発見主導型の学び知識をインプットしておくだけではなくてインプットしたら使う、インプットしたら使うを繰り返す。

次に、ある一人のリーダーが何か物事を決めるのではなくて。統合型意思決定。様々な人の様々な知見を寄せ集めて、皆で決断するというような考え方っていうのが、おそらくこれからのイノベーションを導いていくリーダーのあるべき姿ですし、組織マネジメントのヒントになるのかと思います。

2種類のイノベーションの問題は、深めるというのはマネージメントの問題。日本企業とが強かったのは、階層型組織で有能なマネージャーがその正当性によって、組織成員を統制しその優秀な管理者の下で何かを実行することによって成果を出すその時にある技術を深めて、転用していくってことは可能だったので日本企業は強かった。

ところがその優位性が失われた今というのは、探索をしていく。新しいビジネスチャンスや新しい何か機会というものを追求していく。先導に求められる役割というものが変わってきたっていうことですね。

あっちにいくぞっていうのは簡単なんだけど。その時に違う意見を持っている人たちの意見をという物をうまく汲み取りながら、組織をどう誘導していくかってことが鍵になってきています。

もう一つは、アントレプレニュアルオリエンテーション。

起業家的思考という考え方があります。不確実性の高いプロジェクトを実行するためにリスクを過度に避けずに許容可能な損失はどの程度かを見積もることができるようなリーダーが求められている。

その時の考え方は、先ほど説明をした
・エフェクチュアルであること。
・戦略的であること。
・コントロール可能な資源がなんなのかってこと把握していること。
・それを持ち寄って集合知やコラボレーションで組織の目的・目標を実現していく。

それが、結局イノベーションを起こすことにつながっていくんだと思います。ちょっと話が駆け足で分かりにくいところもあったと思いますが今の話を踏まえてこれからディスカッションをしていただければと思います。

ーーーー受講者ディスカッションーーー

不確実性が高いからこそ学びと実践が価値を持つ

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不確実性とリスクが高い状況に柔軟に対応するために、不確実性とリスクを正しく認識しましょう。というのがひとつで、そのために継続的に学び実践を繰り返すことが大事です。

教育学の中で、コルブという人が経験学習モデルということを言っていまして「学び方を学ぶ」ことを通じて自らの経験から独自の知見を紡ぎ出すことによって、経験から知識を身につける概念を定式化しています。

それどういうことかって言うと、積極的に実践に実践をやってそれが具体的な経験として経験値として積み重なって、ここからが大事ですね。その経験をそのまま経験したということで終わらせるのではなくて、そこから得られた知識を、「省察・内省」、いわゆるリフレクションですね。

振り返りという言い方をしますが、振り返りを通じてここですね。「抽象化すること」。より実践知とか形式知って言い方をしますけど実践値っていうのは、この概念化まですることによって実践的な知識になるんですね。

私は〇〇を経験したから、そういう知識を持ってる。

これは具体的経験で止まっていて、それを振り返りして、それはどういう意味を持ってるのか?概念化をするところまでやって初めて実践知です。

経験することに意味があるんでなくて、経験から知識を得ることがとても重要。
その概念化に基づいて実践をする。

これをくるくるくるくる回すっていうことを意識的にやりましょう。
振り返りもとても大事です。

その一つのアプローチとして今日皆さんにご提案したかったのは、アントレプレナーシップとコレクティブジーニアスという起業家的志向を持ちましょうということです。

これは先天的に備わっているものではなくて、リスクは、どういう風に生じるのか?人間はリスクに対してどのようにそれを受け止めるのか?

ってこと知っておく、学ぶっていうことは後天的に出来ますし、それを身につけることがリーダーシップを持つことにつながるということです。

その継続がイノベーションをもたらす成果につながるんだということで。

何か新しい技術だったり、何か新しい知識っていうものを商工業化するってことからイノベーションの一つ重要なポイントですよって話(前半の部で)をしましたけども、
その時におそらく今日ここでお話をしたような内容って言っては非常に抽象的なんですけれどもそれなりにインプリケーションとして、それを学んでおくことによってみなさんの実践がより豊かなものになるんではないかな?というふうに考えています。

ぜひ、学びと実践を繰り返していきながら、今日の話を少しでもですね、日々の仕事や日々の勉強に取り入れていただけると皆さんもイノベーションを生み出すような人材になれるんではないかな。というふうに考えています。

(2020年9月5日 SCBイノベーションアカデミーオンライン特別講義にて)

講師プロフィール

飛田努氏
(福岡大学商学部経営学科准教授・SCBイノベーションアカデミー福岡校副校長)

専門は管理会計と財務管理。
特に中小企業における管理会計実務に関する研究を進めている。ゼミナールでは企業の創業から研究開発、戦略策定、販売と会計処理、監査といった経営の一連のプロセスを学習する「創業体験プログラム」をはじめとして、Project Based Learningを積極的に導入している。

現職着任後は,起業体験を行うイベントStartup Weekend Fukuoka(オーガナイザー),九州ニュービジネス協議会主催の未来創造経営塾(戦略論講義),福岡市による商店街NEXTチャレンジャー事業(サポーター),那珂川市にある私立福岡女子商業高校との高大連携講義(経営学の視点から販売実習「女子商マルシェ」での学びを高める)など,大学生と地域との連携を図る取り組みを積極的に取り組んでいる。


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