本のある空間 -人が自然と集まるマグネットスペース-
昨年末の日本経済新聞(12/24夕刊)に「社内図書スペース、交流・学び促す / 集いたくなる空間意識 本を通じ社外・地域と接点」(有料記事)という記事が一面に出ていました。
リモートワークなど働き方が多様化する中、社員が集える場、集いたくなる場の1つとして職場の中心に図書スペースを設ける企業もあるようです。
インフォーマルコミュニケーション
一般的にオフィスにおいては、フォーマルコミュニケーション(会議や業務報告など業務上発生するコミュニケーション)と、インフォフォーマルコミュニケーション(偶然に出会った人同士が日常的な会話や雑談など)に分けられます。
インフォーマルコミュニケーションの効果として、社員同士の距離が縮まり人間関係を構築しやすい点や、業務から離れて視界が拡がりリラックスした状態であることから新しいアイデアが生まれやすいと言われてます。
マグネットスペース
次に、インフォーマル・コミュニケーションが生まれる代表的な場所は、以前は「タバコ部屋」だったと思います。(個人的には、喫煙する社員だけの間で話が進んでしまい、喫煙しない私は“蚊帳の外”状態になってしまったという苦い経験があります!)
昨今は、オフィス内にリフレッシュメントコーナーやカフェを設けるケースがあります。
このような場をマグネットスペースと呼ぶそうです。社員が自然と引き寄せられて会話が生まれるスペースのことで、コピー機や自動販売機の周辺もマグネットスペースになります。
マグネットスペースとしてのライブラリー
前述の記事は、図書スペースが人を引き寄せる新しいマグネットの役割を担い始めているということでしょうか。
以前は「図書館」と言えば静かにする場所でしたが、それだけではなく本を媒介にコミュニケーションが生まれる場へと拡張する可能性を秘めていますね。
ちょうど20年前にアカデミーヒルズは会員制ライブラリーをスタートしました。
そのときに、「ライブラリーカフェ」というスペースを設けて、メンバーが自由に交流できる場所をつくりました。
(20年の歴史の中には「ライブラリーカフェ」と言えども、「ライブラリーなんだから静かにすべき!」というご意見もあり、数年前に「Lounge 49」へ名称を変更しました!)
六本木ヒルズライブラリーには、静かに集中する場「ワーク・スペース」とアイデアを拡げる場「Lounge 49」があります。
今回紹介した記事はオフィスにおけるマグネットスペースでしたが、メンバーが自然と集まって会話が生まれるライブラリーにおけるマグネットスペースとは何か?を検討したいと思います!
「場所(スペース)」だけでは人は集まらず、そこへどのような「エッセンス」を設けるかが大切なポイントですね。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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