主人公は「本」ではなく「人」 -ブックナビクラブ-
7月8日(土)にメンバーズ・コミュニティ「ブックナビクラブ」の定例会を開催しました。
通常の読書会は、課題図書を決めるなど本が主役になりますが、ブックナビクラブは、「本を紹介する」のではなく、「本をネタに人と知り合い、仲良くなる」ことを目指しているコミュニティです。人が主役になります。
今回の定例会は、まさに人が主役で進行した会でした。
初参加のメンバーが紹介してくれた本は、『ピンクのバレエシューズ』です。
小学校4年生のときに出会った本で、それからは何度も繰り返し読んでいる大切な1冊だそうです。
主人公は、パリ生まれのパリ育ちで、バレリーナとしてオペラ座で踊ることを夢見る少女ですが、戦争孤児になり色々な苦難にあいつつも、絶対に諦めずバレエを続けていると、幸運が舞い込んでくるというストーリーだそうです。
そこから、「自分がなりたいイメージを具体的に持ってコツコツと頑張ること」や「自分が今できることをやる」など、学びや気付きが多く自分のモチベーションをあげてくれる本として、大切な1冊になったそうです。
メンバーご自身も、小さいころに夢見ていた乗馬を最近、始めたそうです。
「自分にとって大切な1冊」は何だろうかと考えたときに、他のメンバーの方々が、以下の本をあげてくれました。
私は残念ながら「この1冊!」という本が出てきませんでしたが、そんな1冊に出合いたいですね。
次のメンバーが紹介してくれた本が、福岡伸一先生の『動的平衡3』です。
副題にある「チャンスは準備された心にのみ降り立つ」(Chance favors the prepared mind)は、フランスの細菌学者ルイ・パスツールの言葉ですが、『ピンクのバレエシューズ』の主人公が諦めずコツコツと続けることで幸運が起きるお話と同じメッセージではないかと思いました。
ところで、アカデミーヒルズには福岡伸一先生の専用の書棚があることをご存じですか?
ご存じでない方は、是非下記サイトをご参照ください。
次に、アラブの文化が好きなメンバーは、カリール・ジブランの『預言者』を紹介してくれました。
私は初めて知った本ですが、30か国語以上に翻訳されている世界的な名著だそうです。
紹介してくれたメンバーはアラブの文化が好きで、アラブ系の企業に勤めたことがあるそうです。そのときに感じたアラブ文化やイスラム教社会の日常などについて話題が広がりました。
私たちはラマダンやヒジャブのことは知っていますが、その土地で暮らす人々の日常の生活を知ることで、その社会における、ラマダンやヒジャブの存在意味・意義を知ることができました。
また、フィンランドの会社に勤務するメンバーからは『映画のなかの北欧』の紹介がありました。
この本は、37名の筆者が60本以上の北欧の映画を、「ストーリー」「作品の背景と現実」「さらに興味のある人に」の観点で幅広く紹介した本です。
その中から、メンバーのお薦めとして『かもめ食堂』を紹介してくれました。素顔のフィンランドが描かれているところが気に入っているそうです。
そして話題は北欧の文化に展開しました。その中で「北欧の人々にとってサウナは必需品」という話になり、終日のビジネスミーティングがあった時に、午後に「サウナ」の時間があり、サウナ後は話し合いがスムーズになったというエピソードを披露してくれました。
終わってみたら、どのメンバーも本の紹介をスタートに色々な話に広がり、その人の過去の経験や夢などを語り合っていました。
2020年以降のコロナ禍で、アカデミーヒルズのメンバーズ・コミュニティは、オンラインでの開催や、リアル開催でも人数制限や時間制限を設けて開催していたので、「人の話をじっくりと聞く」という機会がなかったと思います。
今回はリアルで2時間の開催だったので、やっと「人の話をじっくりと聞く」ことができたと思います。
そして、「人の話をじっくりと聞く」ことで、その人の価値観や想いなどを感じることができます。
ブックナビクラブが目指している「本をネタに人と知り合い、仲良くなる」ためには、このような時間が必要なのではないかと思いました。
ちなみに、私が紹介した本は『伝統×進化 評判の担々麺』です。
アカデミーヒルズの本棚をながめていたときに、表紙の担々麺の写真に目が奪われてしまった本でした!
※ブックナビクラブ代表の志治さんが、アカデミーヒルズのPodcastで、ブックナビクラブの魅力について語ってくれています。是非ご視聴ください。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
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