「伝える」の本質は ”cool head but warm heart"か?-Library Coffee Talk-
ライブラリーのメンバーが登壇して、参加者もみんなライブラリーメンバーというメンバー限定イベント「Library Coffee Talk」の第2回を9月6日に開催しました。
「“バズる”だけでいい?『伝える』の本質を考えよう」をテーマに、杉本達則さん(杉本商店CMO/UMAMIエバンジェリスト)と、宇都宮秀男さん(映像制作会社代表/プロデューサー)にお話をしていただきました。
杉本さんの場合
杉本さんは以前にアカデミーヒルズのPodcastでもお話を頂きましたが、干し椎茸を扱う専門問屋の杉本商店のCMOでいらっしゃいます。新規市場開拓を目指して、SNSを使って海外へ椎茸の魅力を情報発信されています。
そこには、杉本さんならではの様々な考え抜かれた戦略があります。
有名シェフに使ってもらうために、イギリスのミシュラン・レストランへ一斉メールを送る。1件でもレスポンスがあれば、そこを突破口に商品を送るとともにインスタグラムをフォローしてもらう。
杉本さんの同僚はインド人で、他に米国人のボランティアも助けてくれています。海外イベントの動画では、英語のニュアンスを伝える字幕が大切なので、椎茸のことをよく理解されているネイティブスピーカーに海外動画の字幕をお願いしているそうです。
「SHIITAKE RECIPE」を情報発信。和食、洋食、中華、カレーそして、ビーガン向けと、様々なレシピを開発して公開されています。
デジタルツール、特にSNSを上手に使って情報発信をされています。そしてバズッたときの対応も万全です。初めてアクセスしてくれた人にフォローしてもらうために、SNSのプロフィールは常に魅力的にアップデートしているそうです。
このように飛び道具(ネット)を使う反面、地元での活動もしっかりと展開されています。
一番の工夫は、リアルなイベントのときに社長(杉本さんの弟さん)には椎茸の被りものをしてもらい、椎茸王子になってもらうとのことです。
ディズニーランドのミッキーマウスのように、みんなが寄ってきてどこでも人気者だそうです。
宇都宮さんの場合
一方、映像制作会社代表/プロデューサーの宇都宮秀男さんが、常に心掛けているのことは、以下だそうです。
心に響くストーリー = 共感 × 驚き
「伝える」と「伝わる」は違う
「自分が伝えたいこと」と「相手が望んでいること」の重なる部分が「伝わる」共感ポイント
人は、笑ったり、感動する前に、一度、「驚いて」いる(とある著名広告ディレクターの言葉)
これらを大切にして、クライアントと話し合いながら、制作を進めるのだそうです。
二人の共通点は「cool head but warm heart」
"cool head but warm heart"は、近代経済学の祖と言われるアルフレッド・マーシャルの言葉ですが、ビジネスを展開するためにも重要だと思っています。
お二人とも、「伝えたい」という強い思いをお持ちですが、思いだけでなくその裏には冷静な戦略があると思います。
その意味では、"warm herat but cool head"でしょうか!
杉本さんは、椎茸の素晴らしさを伝えたいという熱い思いの裏には、SNSをどのように活用すればいいかという冷静な考えがあると思います。
また、宇都宮さんはクライアントが伝えたいことを叶えたいという熱い思いの裏に、心に響くストーリーを作るという冷静な考えがあります。
私は、この言葉にとても強い納得感を持っていますが、実行にはハードルが高いと感じています。それを絶妙なバランスで成し遂げている杉本さんと宇都宮さんのお話は、私だけではなく参加したメンバーにとっても気づきが多かったと思います。
参加したメンバーからは、「バックグラウンドの全く違う二人の組み合わせが素晴らしい!」という感想をいただきました。
多様なバックグラウンドを持っているライブラリーメンバーならではの企画イベントだったと思います。
※宇都宮秀男さんが登壇した感想をnoteに書いてくださいました。
アカデミーヒルズ 熊田ふみ子
#アカデミーヒルズ #LibraryCoffeeTalk #杉本商店 #椎茸粉 #coolheadbutwarmheart