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本の推し活・ブックナビクラブ -興味・関心が少しずつ重なって広がる世界-

アカデミーヒルズのメンバーズ・コミュニティ「ブックナビクラブ」の3月の定例会(3/9開催)でシェアされた本を紹介します。

・「食」が動かした人類250万年史

最初は「食」のお話です。
この本を紹介してくれたメンバーは、「微生物学者の著書で、250万年という長い歴史を300ページ弱で表現しているため深掘りはないが、原始から現代まで一気に走り抜けた本」と表現してくれました。
「約6,500万年前に恐竜が絶滅したことで哺乳類が台頭し、
肉食になり脳が大きくなり、
エネルギー消費量が増えて狩りをすることが始まり、
食物を生産し動物を家畜化して、
保存が可能となる技術が生まれて、
食料を安定的に供給できるようなった」
というのが大きな流れだそうです。
「人間はそもそも甘いものが好き(赤ちゃんは甘いもの好き)」や、「マルゲリータは、バジルの緑・モッツァレラチーズの白・トマトの赤で、イタリアの国旗の色を表現している」などの雑学的内容も多く楽しく読めた本だったそうです。

・琥珀の夢

次は、伊集院静氏の『琥珀の夢』です。
この小説は、日本初の本格国産ウイスキーに挑戦したサントリー創業者の鳥井信治郎氏を描いたものです。
こちらの本を紹介してくれたメンバーは、ご自身も食品会社に勤務されていることもあり、手にした小説だということです。
関東大震災が起きた1923年に大阪府の山崎に蒸溜所の建設に着手して、国産ウイスキーへの挑戦が始まりました。
「ウイスキーは5〜10年の熟成が必要で、その期間は収入がない状態。その上、蒸溜所の建築に数百億円かけている。そこまでの国産ウイスキーにかける情熱が凄いと思う。その熱い想いがあったからこそ、“ジャパニーズウイスキー”の今がある。その前の”赤玉ポートワイン”も含めて、鳥井氏には先見の明があり、決断力・実行力、そして熱量の全てを兼ね備えた経営者。その根底には”やってみなはれ”精神がある」と紹介してくれました。


・厨房の哲学者 / 一生学べる仕事力大全

次も仕事への情熱がキーワードの書籍です。
1冊目は、日本の中華料理人のトップの一人である脇屋友詞氏の著書『厨房の哲学者』です。易者だったお父さんに「料理の道へ進め!」と告げられて、料理人になったそうです。
「脇屋氏の強い意志を持って貫き通す、その姿勢に感動した」ということで選んだ1冊だそうです。
また、「経営者に興味がある、その力強さの源を知りたい」というこのメンバーが紹介してれくた2冊目は、『一生学べる仕事力大全』の中から、稲盛和夫氏について語ってくれました。稲盛氏には多くの名言がありますが、その中でも「利他の心で判断する」という考えに共感を得たそうです。「京セラを立ち上げたことも素晴らしいが、JALの再生に取り組まれたことにも興味をそそられる」と紹介してくれました。

・世界で一番美しい建築デザインの教科書

最後は、「7人の有名な建築家の仕事から建築デザインの基礎を学ぶ」がコンセプトの『世界で一番美しい建築デザインの教科書』です。
「『巨匠から基本が学べるのか?』と疑問に思いながら手にした」というコメントからスタートしたメンバーは、「絵や図解を中心に説明されているので分かり易い。『空間は家具とインテリアの質が決める』、『寝室は寝る場所だけではない、部屋の大きさとベッドの大きさの関係やベッドを置く距離などが重要』など学ぶことが多く、建築を軽く考えていた。照明と自然光の組み合わせなど、建築・デザインを突き詰めると楽しい」と紹介してくれました。

今回のブックナビクラブでは、「食」の人類史に始まり、「食+経営者」として鳥井信治郎氏や脇屋シェフの話に移り、「経営者」としての稲盛和夫氏の話へ繋がりました。そこで、参加したメンバーにJALの関係者がいたので、稲盛氏のJAL再生を内側からコメントしてくれました。加えて北欧系の航空会社に勤務するメンバーから「航空機業界」の話に移り、最後は建築デザインという視点で「北欧のライフスタイル」へ話が展開しました。

2時間の定例会のなかで、本の紹介は1時間程度、残りの1時間は本から発展した話題で盛り上がりました。
これがブックナビクラブの面白いところだと思います。本の紹介はきっかけで、そこから発展して思わぬ話題へ飛んでいく、このセレンディピティがブックナビクラブの醍醐味ですね。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子

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