『上院議院(参議院)改革案』:憲法改正無しで議院制度を変える方法
はじめに.
今の参議院の構成議員としては、自民党で言えば、最近話題の今井絵理子議員や松川るい議員等が挙げられ、れいわ新選組で言えば、山本太郎議員、参政党で言えば、神谷宗幣議員が挙げられ、正直に言って、新人議員の溜まり場的な存在と化しております。
ですが、その一方で、彼ら彼女らのような、新人議員や新興勢力政党の議員達は、"改革志向"を持っております。
その一方で、二階俊博氏や麻生太郎氏等をはじめとする重鎮議員達は、"非改革志向"を持っており、そのほぼ全員が、衆議院に所属しております。
ですから、政治改革を進めるためには、改革志向を持った新人議員達こそ、下院議院に送り込むべきであり、改革志向を持たない重鎮議員達こそ、上院議院に追い出すべきであると言えます。
本noteでは、参議院を、政治歴の長い重鎮議員達が所属するための議院とするための改革を考え、提唱したいと思います。
1.イギリスやフランスの上院議院
以前の議院制度の改革を提唱したnoteにおいて、詳しく説明いたしましたが、イギリスでは、上院は"貴族院"という名称が付けられ、フランスでは、"元老院"という名称が付いております。
それを本質的に考えれば、"政治的影響力の強い人物を、上院に追い出すための仕組みである"と考えられる訳です。
イギリスとフランスは、実質的に一院制であると考える人も多く、それはつまり、庶民の集まる下院が、国家を主導出来ていると言える訳です。
2.具体的にどうすればいいか?
具体的には、日本維新の会が提唱する"身を切る改革"を使います。
つまり、下院議員の給与や待遇を徹底的にカットし、重鎮議員達が、下院議員になるメリットを大幅に削ぎます。
そして、その一方で、上院議員の給与や待遇を今以上に手厚くして、重鎮議員が、上院に集まるようにすればいい訳です。
そうする事で、新人議員や新興勢力政党の議員達は、下院議員になるしかありませんから、必然的に、新興勢力議員達の中から総理が選ばれたり、大幅に政治改革が進む訳です。
3.二院制を維持するメリットはある
「一院制国会が日本を再生する!」という著書において、安倍晋三氏や岸田文雄氏等、国民が知っているような与野党議員達は、一院制の憲法改正に賛同している事が解ります。
ただ、一院制にした場合、結局は、重鎮議員が議会に残ってしまう事により、今の日本政治のように、議論が停滞したり、改革が行われなかったりする可能性が大いにあります。
それだったら、今の上院議院(参議院)を、議会の最後の砦やアドバイザーのような役割を持つ議院として、転換する方が、結果として、政治改革は進むと思います。
4.憲法改正を経ずに行える改革である
この改革案の一番の良い所は、憲法改正を経ずに行える改革であるという事です。
ハッキリ言って、憲法改正を行える状態なのであれば、議院制度の改革は必要ありません。
そして、"憲法改正が出来れば、政治は改革できる"なんて事を言っていったら、半永久的に、政治改革は進まないでしょう。
まとめ.
本改革案は、"下院議員達の給与や待遇を大幅に減らす"ような法改正だけで実行できるので、大変現実味のある改革案だと言えます。
現実問題、誰が首相になっても、政治が変わらないという事は、議院の制度自体に問題があると考えられる訳です。
実際、デンマークやスウェーデンは、元々は二院制でしたが、"ねじれ国会"など、政治の停滞が生じたため、一院制に転換しております。
ですから、日本においても、議院制度を改革する事で、政治の停滞が解消される可能性が大いにあります。
また、現在の日本の二院制度は、議会の権力を削ぐため、GHQ占領下において、官僚達が提唱し、導入されたものです。
その目論見通りに、戦後の日本政治は慢性的に停滞し、"日本の政治は駄目だ"と全世代から思われる状況になっている訳です。
ですから、国会議員達が、本気で政治を変えたいのであれば、是非、本案の通り、下院議員の身を切る改革を行い、"新人議員を下院に、重鎮議員達を上院に"というような改革を成功させてほしいと思います。
参考文献.
・一院制国会が日本を再生する!
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