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「価値観が一夜で変わった話」〜大人の思い出〜

人間はあらゆる物事や事象に、実に様々な価値観を植えつける。もともと純粋無垢な自然の産物に対して、善悪、高低、美醜など誠に勝手に値札をつけまくる。ところが衝撃の出来事にあった瞬間に、この価値観が根っこからひっくりかえることがある。まさに諸行無常である。

私は社会に出てから、教員免許を取得するために大学に入りなおした過去を持つ。その第二の教育期間中の出来事である。その日は約5日間の現場実習の時であり児童養護施設で学ぶ期間であった。蒸し暑いその日は施設の外を掃除することになり、少し小高くなった場所にたまった大量の枯れ草をきれいにすることになった。一緒に学ぶ20代の若い学生2人も一緒だ。

「じゃあ、ここの枯れ草をこのクワですくって、まとめて捨ててください」

実習担当の職員さんは私たち学生に指示を出した。

「はい、分かりました」

私たち3人はそこそこの返事をしてさっそく作業に入り、職員さんは事務所に戻っていった。すると、

「僕が上に行って草をかきだして下へ落とすから、そこで受け取って捨ててくれますか?」

ぐいぐい突き進みたいタイプの高山君はそう仕切ってピョンと上に飛び乗った。高山君は確か空手なんかをしており、子供たちにも教えていると豪号していた男である。なので筋骨隆々、運動神経もおそらくよいだろう。

高山君はさっそくクワを大きく振りかざし枯れ草を右へ左へブンブン振り飛ばして下へ降ろしていった。

私ともう一人の実習生は下に落ちてくる枯れ草を受け止めて、所定の場所まで運んだりしていた。しばらく作業をしていると突然高山君は言い始めた、

「ちょっと待ってー、なんか濡れてる。なんで俺パンツ濡れてんだろ?」

高山君はそう言って下のジャージを手で触ってその違和感を確認している。私はたちはなんかよくわからなくて、下から高山君を見上げ待っている。

「えーなんでだ?」

高山君はそう言って、下のジャージを腰から広げて中をのぞいたその瞬間

「わっ、ぎゃーぁぁぁ!!!」

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