「何かが後ろをつけてくる」
最近はすっかり自粛ムードだが、以前は定期的な会社の飲み会がよくあった。その時にびっくりした出来事を思い出した。あまりにびっくりして声は一切出なかった話である。
その時の職場は女性が8割という環境だった。そうしたメンバー10人ほどでおしゃれな居酒屋で飲み始めた。なんてことないよくある光景である。1時間くらい経ったころ数人の女性たちは時々トイレに行きだす。その中の一人の女性がトイレから帰って来た。
「めちゃ、きれいなトイレだったー。わぁ、私もまたカシスオレンジたのもうかなー」
そんなテンションで座席に近づいてきた。私はその子を何の気なしに見た、、、え?
な、何かが後ろからついてきてる、、、、
まったく予想外のことが起きると人間は脳が停止する。私は目から何かの異常性を感じ取ってはいたが、それが何かを理解するための処理はできないでいた。、、30秒ほど経ってそれが
トイレットペーパー
かもしれないという予想がついた。しかしなぜその子が、腰のあたりから約50センチほどの長さのトイレットペーパーをなびかせているのか理解できなかった。最初っからそんなファッションだったっけ?いやいやそれはない。関西だけにウケを狙っての行動?いやいや、気づいているのは私だけだ、狙ってるならもっと派手にやるはずだ。私は声は一切出せずに、もう頭がおかしくなりそうで、実は
一反もめん?
エクトプラズム?
など色々考えすぎて、鼻の穴から線香花火がシュワシュワしそうだった。
そのうちその子は、自分の腰のあたりに違和感を感じはじめていた。そしてようやくその白いものに気づき、一瞬焦って静かにちぎりテーブルの下に捨てた。私はその一部始終を誰にも気づかれないように視界に入れて確認していた。この能力はいったいなんだろう。なにか特殊な任務が遂行できそうな予感がする。
まぁ冷静に考えるとお尻を拭いた後にトイレに捨てたはずが、腰に挟まってしまったトイレットペーパーに気づかずに出てきてしまったのだろう。しかしその長さ約50センチを思い出すたびに、今でも鼻の穴から線香花火シュワシュワなのである。
皆様、トイレを出たら「何かが後ろをつけてきてないか」よくよくご注意を。
ではまた。
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