「恥じらいの健康診断」
年に一回の健康診断。会社員の方々は毎年受けているかと思う。私も当然受けている。受けているがちょっとだけ「恥じらってしまった」ことがあった。この年にして恥じらってしまったのだ。ある意味見事なテクニックでやられてしまった。そんな話である。
病院内で行う健康診断は手際がいい。「はい、次はここへ行ってください」「はい、ここに荷物を置いてください」「次は、ここに座ってお待ちください」実に効率的にシステム化されている。ちょっとでもキョロキョロしようものならすぐに看護師さんが寄ってきてカルテを確認し「えーと、はい、視力検査が終わってますので、次は聴力検査へ進んでください。こちらです」という具合だ。1秒たりともボーとしてはいけないのである。
息苦しいほどの効率化にちょっと疲れた頃、心電図検査がやってくる。私はこの心電図検査は少し好きである。ここには外の雑踏とは少しだけ違った静寂があるから。加えてカーテン越しではあるが看護師さんと2人きり。秘密の花園である。
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