旅の話の裏話
先日、自己編集・自己制作のKindle本、第2弾を発売しました。
テーマは、しまなみ海道自転車旅、と伊予国の城攻め(?)。
その旅の同行者であり、今でも飲み友達でもある「ふくちゃん」と、飲みながら旅を振り返ってきました。
「読んだよ。新大阪で合流したのって、あの旅の時だったんだね」
「そうそう、ご迷惑をおかけしました」
「けっこう記憶って曖昧なものだよね。食堂に入れなくてお昼食べ損なったのって、初日の因島水軍城のときだと思ってた」
「2日目の村上水軍博物館の方だよね。どちらも『水軍』と付いているから、混ざっちゃったのかな」
「そうかもね。そもそも初日はたいへんだったし」
「地図を見てあらためて、ふくちゃん、あんな距離走ってたんだ! って驚いた」
「きつかったよ。山登りみたいな道もあったし。そういえば、自転車借りに行くタクシーの中で、運転手に笑われたんだよ」
「え? なんで?」
「『はぶみなとに行ってください』っていったら、『はぶこうね』って感じで」
「そうだったんだ!? 土生港の『はぶ』を読めてるだけでも十分だと思うけど』
「夜はさあ、もう真っ暗だったよね」
「真っ暗だった。ライトで照らしてもよく見えないほど」
「キャンプ場でもいいやって言ってたのに見つからなくて」
「通り過ぎちゃったんだよね。部屋が取れてよかったよ。そういえば夕食、
ふくちゃんはなに食べたんだっけ?」
「焼きそばだったかなあ。あんまり覚えてない。そういえばさあ、俺たちの旅って食事にありつけないこと多くない? 青森に行ったときも、混んでて店に入れなくてさ、結局コンビニだったんだよ」
「そうだったっけ? 下北半島を一周した時だよね。覚えてないなあ」
「覚えてないといえばさ、2日目の夕食があんなに豪勢だったの、覚えてなかったんだよ」
「そうなの? 食べられなかったお昼の方が印象的だった?」
「それもあるんだけど、ホテルでも食べ損なってお店探して、オススメのところに行ったらどこも満席で入れなかった方が印象強くて」
「そうだったっけ? むしろそれを覚えてないなあ。まあ、今回書いたことも覚えてた、というより写真と、前に書いた文章があるからこそ、なんだけどね」
「けっこう覚えてないものだよね。やっぱり写真とか、ちょっとでも文章を残しておくことって大事なんだね」