着床前診断 (PGT-Aテスト)は必要か?

PGT-Aテスト(着床前胚染色体位数性検査)とは、体外受精で胚盤胞を凍結してするテストです。その胚の染色体の数を、移植する前に調べられるという検査です。

なぜ調べるかというと、その染色体の組み合わせを見ることによって、初期流産だったり、着床しなかったり、ということを未然に防げるからです。

体外受精のどこで一番つまずくのか?

体外受精を進めていくステップはざっくりこんな感じ:
1. 生理開始、ホルモン投与
2.採卵
3.受精卵がどんだけできるか
4.受精卵が胚になり、細胞の数が3日後に7−8個になっているか(→同じ周期で移植できる)
5.受精卵が胚盤胞になっているか (→同じ周期で移植、もしくは凍結して、次回以降の周期で移植)
6.オプションで、PGT-Aテストを行う(凍結された胚盤胞のみ対象
7.(4−7のステップで得た胚、もしくは胚盤胞を移植)
8.妊娠検査
9. 妊娠・出産

こういったステップの中でも、どこで足切りされる確率が一番大きいのか?
この図を見てもらうと、体外受精の中で、ガクッと確率がおちるのが、卵を採取する数でも、胚移植をする数でもなくて、妊娠した数なんです。

最初の濃い青のラインが、卵採集された数
次の濃いオレンジが、胚移植をした数
青色が、妊娠した数
最後の薄いオレンジが、出産した数

すなわち、胚、もしくは胚盤胞になっていて、移植をしたとしても、その胚だったり、胚盤胞が体内で育たない、という可能性が大。

さらに、年齢別で見てもらうと、歳を重ねるごとにその確率がガクッと下がっている。これは、胚だったり、胚盤胞の質がすごく影響しているから。

テストで何がわかる?

テストで実際何をするかというと、染色体の数、形が異常であるかどうかを調べます。

染色体は、遺伝子の集合体で、ヒトの場合、23対(46本)持っています。 下の図が、正常な染色体の形状。全て対になっている。

正常な染色体

これが異常だとどうなるかというと、2つセットであるものが、3つになっていたり、または1つだけだったり。

それが正常でないとすると、胚盤胞がうまく育たない。大抵は早期で育たなくなってしまう。妊娠、という判定が出なかったり、化学流産をしてしまったり、流産をしてしまったり。

そして、私のように44歳だと、この染色体が正常である確率が1割だと言われています。 なので、PGT-Aテストをして、効率よく正常な胚盤胞、不正常な胚盤胞を見分けてから正常なものだけを移植して着床率、妊娠率を上げようといことが推奨されています。

ちなみに、この検査をすることで、赤ちゃんの性別もわかります。

アメリカでは、このテストは凍結した胚盤胞があれば誰でも追加料金で受けられることができます。

日本の仕組みはアメリカとは少し違っていて、取り扱っているクリニックだったり、取り扱っていないクリニックだったり、また、条件付きで取り扱っているクリニックがあるようですね。

ぶっちゃけおすすめなの?

私は過去3回 IVFをしましたが、1回目は胚盤胞ができなかったのですが、2回は胚盤胞ができて、PGTーAテストはしました。

でも、このテストについて考えずに、医者に勧められるようにテストをすることになってしまったのですが、次回チャンスがあれば、これはしない決断をしたいと思っています。

私はなぜ次回はPGT-Aテストをしたくないか?

医者がテストを勧める理由の一つは、”妊娠する確率が上がるから”。 なぜならば、正常な胚盤胞が見分けられるから。ですが、本当にそうでしょうか?

私がそう思う理由は3つ

1胚盤胞にそもそもならなかったらテストは受けられない。
 
医者に言われた通りに、胚盤胞、からのテスト、からの正常だった子だけが移植される、というレールによって行動していましたが、結局胚盤胞が異常だった場合、どれも移植できませんよね?移植できない、すなわち妊娠するわけないですよね?

2.PGT-Aで判定が異常だったとしても、可能性がゼロではない。

受精卵が私たちの体の外で培養されるわけですが、培養されるのと、体内で過ごすのと、どちらが有利だと思いますか? 実は体内で本来あるべき環境にいる方が育ちが良いようなんです。なので、例えば胚盤胞にならなかった胚が、もしかしたら体内ならば育つのかもしれない、という可能性があります。

さらに、異常と認められる胚盤胞であったとしても、自ら組み替えて途中で組み合わせを自主的に治す、ということも可能性が0ではないのです。

3. 医者は、自分のクリニックの成功率を上げたいし、テストも追加サービスになるので、お勧めした方がお得でもある。

担当医に相談をすると、絶対にやった方がいい、と進められました。色々なオプションだとか、考慮する材料を与えられずに。

それはそうですよね、各クリニックには、色々な切り口で成功率が載っています。クリニック的にも成功率が上がった方が良いですし、
そのテストをすることで追加サービスにもなるので、クリニック側にはお勧めする価値の方があります。

もちろん、年齢によっても、卵の取れる数によっても、本当にベストなケースは、その人それぞれなので、知識入れた上で、あなたが最良の決断ができるようにするのがいいですね!

私の場合は、過去3回のIVFで胚盤胞になる数が極めて少なかったこと、そしてテストで正常とされた子が今のところ一つもなかったことを考慮して、次回はテストなしで臨みたいと思います!

まとめ

PGT-Aテストは、体外受精の過程で凍結胚盤胞に対して行われるテストである。

そのテストによって、胚盤胞の中の遺伝子が正常か正常でないかを調べることができる。

正常ではないものは基本的にその後ちゃんと機能しないため、そもそも着床しない、とか科学妊娠、流産という結果になる可能性が大きい。

医師はこのテストを特に高齢妊活者におすすめするが、そもそも胚盤胞にならなかったら意味もない。新鮮胚でも移植をさせないと、妊娠はあり得ない。

胚にも自然治癒力というものがある。もしかしたら異常ありのケースでも生き延びることができるかもしれない。

これらの条件をちゃんと自分で理解して、自分のケースを理解して、大事な決断は悔いの残らないようにしてくださいね!

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