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takumisuzuki
10 前衛のMAGI(メイジ)
あらすじ #アズールレーン 二次創作「アークの休日」第10話。お題→艦載機がないアクロの前で駆逐艦が襲われたらこうなる。指揮官(男)目線。
「きっと長引く。その分、砲弾が減って身軽になる」
ハーミーズ改の声は、いたって冷静そうだ。
「砲そのものを棄てれば、さらに軽くなれるよ」
胃がキリキリする、やなデジャヴ。巴マミか。
きっと敵目線は「メイジが前衛にいるぞ、叩け!」って。まあ専業よりゃ固いだろうが、いうて中装甲だぞ。
「あの子、対空を理由にしたと思うけど、回避の話はしなかっただろ?」
「ああ……」
「機動力、かなりセーブしてる」
「まるであれは……、対空戦じゃなくて……」
「そう、囮だ。時間稼ぎの」
なんてこった。360度から迫る爆撃とすれ違うたびに、薬莢みたいに乱れ飛ぶ、敵の翼の残骸。壊れた艦砲がたしかに混ざってる。青い火花も。
航空魚雷がない以上、メインウェポンは前衛のだ。アイツの性癖に関係なく(あるかもしれんが)、この戦い、駆逐艦たちが敵本船をロックオンするまで守りきれるかが肝だ、とはいえ。
そもそも艦載機があれば索敵だって。
だから、か。ああまでして……。
「ん? どうしたハーミーズ改、止まるな」
「ここまでだ。主力艦の限界よ」
「けどアイツが!前線に」
「だからこそだ。邪魔してどうする」
「くっ」
言い返せねえ。
おお神通よ(着任はよ)、俺氏、なにすればいい?
つづく