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4 会いたい
「な、なぁに、それ!?」
椅子を蹴り倒したハーミーズ君の食い付きったら。
「よかったな、相棒。通信規制もここまでは及んでないぞ!」
え、なによさらっと不穏な、いえ先生は何も聞いていませんこと。
さて、四隻でスマホを囲んでまさかの生実況。会見中、そりゃあ気まずそうなアーク・ロイヤル君の反応、録っておきたかったわ。
まあ終盤まではそれなりに余裕をみせていたけど、残り5分でグリッドレイ君がでてきて、最後の質問をしたあたりから、顔をめちゃめちゃ真っ赤にして、終わるやいなや隣の机に突っ伏しちゃった。
ハーミーズ君が扇子であおいでる。半分はいつもの発作かもしれないけど。
さいごほとんど推し語りになってたもんね……
「ごちそうさまなのー」
ロング・アイランド君、口元ゆるみまくってる。
端末の画面の中では、無人になった演壇に、ポテチのカップやコーラ缶や座布団やなんかがまだ飛び交ってる。完全に、火に油ですわ。そういうとこだぞ、エンタープライズ君。
「……先生」
これはアーク・ロイヤル君にも延焼したな。赤面したままイケボで呼ぶなし。
「頼みがある」
「ひぅ!?」
詰め寄られて、教壇の段差でつまずいちゃった。背中を支えられて、なんとか倒れずにすんだけど、ちょっと……!?
「エンタープライズに会いたい。今夜」
「は!?」
お前は何を言ってるんだ?
「わたしの責任だ。迷惑はかけない。頼む、力を貸してくれ!」
「ぁ……ぅぅ」
まって、黒板にピン留めしないで! こんな壁ドン嬉しくないからぁぁぁ!
「だめか? レンジャー先生……」
いやぁぁぁやめて!!爪を立てるな!耳元はキツイ!! うしろ黒板だっつんだよ! そんで、軽空母二隻もがっちり肩組むし。もぉ……!
「し、しかたありませんわね」
さすがにセキュリティコードは教えられないけど。
偵察機とか煙幕をばらまく程度なら。
つづく