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【Vol.33】御社の【理念・使命】をアブリダス

長かった「ドーナツの中心(理念・使命)を作るためのステップ」も今回でいよいよ最終回。

今までアブリだしてきた「会社の現状」「会社の未来」「会社の武器」「会社のターゲット」「会社の戦略」のすべての中心となる【理念・使命】の作り方についてお話しします。

かなり長いシリーズとなったので、改めて何のために理念・使命が必要なのかを簡単に振り返ってみます。

ドーナツの中心(理念・使命)を作るための6つのステップ

1.御社の「今」をアブリダス
2.御社の「未来」をアブリダス
3.御社の「武器」をアブリダス
4.御社の「ターゲット」をアブリダス
5.御社の「戦略」をアブリダス
★今回 6.御社の「理念・使命」をアブリダス

■中小工務店に理念・使命が必要な理由


「ホームページを作り変えて受注を伸ばしたい!」

これが多くの工務店さんの共通の願いだと思いますが、現実的にはホームページだけで受注が伸びるなんてことはありません。

建築業におけるホームページは単なる出会いのきっかけに過ぎず、ホームページ上で【言ってること】実際に御社が【やってること】が違っていては、せっかく集めたお客さんを全て敵に回してしまうのと同じことになります。

これはホームページだけの話ではなく、SNS、情報誌やブログ、パンフレットといった販促ツールはもちろん、実際に建てている家、そのための工法、社員教育、お茶の出し方、電話の取り方、職人教育に至るまで全て同じ。

  • ホームページは【何を伝えるために】用意したのか?

  • 情報誌は【何を伝えるために】用意したのか?

  • 建てている家は【何を伝えるために】建てているのか?

  • その制服は【何を伝えるために】選んだのか?

  • 電話応対は【何を伝えるために】やっているのか?

に対する答えがすべて同一じゃないと、まるで中心が空洞になっているドーナツのように中身の無い工務店になってしまい、努力すればするほど自社と違う姿を世の中に広めることになってしまいます。

だからこそ、中小工務店の経営戦略の中心には【理念・使命】がしっかり無くてはならないのです。



■理念・使命の作り方


さて、ドーナツの中心となる理念・使命を作るために必要なものが2つあります。

1つは、前回までのワークで皆さん自身にアブリだしてもらった【会社の今】【未来】【武器】【ターゲット】【戦略】の5つの答え。

そしてもう一つは、

《社員さんが集まって話し合う場》です。

特に2つ目の場づくりは、社内のベクトルを合わせる上で無くてはならない大切なものなので、ここまで連載を読み続けて来られた方はぜひ《社員さん全員》で実践してください。

さて、理念・使命というのは本来《型》にはめるものではないのですが、お客さんが聞いても社員さんが聞いても分かりやすいものにするために、今回はテンプレートを用意しました。(図1)

このテンプレートの①~⑤を話し合いながら埋めていってください。


■①会社名

これは簡単です。私たち「●●建設株式会社」は・・・という風に会社名を入れてください。


■②商圏

二名以上の複数名で会議をする場合は、もうこの質問から意見がバラバラになります。《自社がターゲット客を守れる範囲》を話し合って決定してください。

ちなみに「自社から車で1時間範囲内…」などは禁止です。
お客さんは御社の会社の場所なんて知りません。

「●●市を中心とした▲▲地域で・・・」が一番スマートな書き方です。


■③ターゲット

ここは非常に重要になります。
これはステップ4の中でアブリだしたターゲットの一覧を社員全員でシェアしながら

「●●●●な暮らしをしたいと願っているけれど
▲▲▲▲な理由で諦めてしまっているお客様」

という2行に絞り込んでください。


■④売り物

これもステップ3でアブリだし済みです。上記③のターゲットの《困り事》を解決できる商品名を記入してください。
(例)「●●な材料で建てる健康な木の家」「家族の会話がこだまする家」など


■⑤応援される想い

いよいよ最後です。ここまで考えてきた理念・使命を消費者にしっかり伝えるために、誰からも応援してもらえる大義名分を付け足します。

簡単にいうと
「世の中の●●という困り事を自分たちの家づくりで解消し、大人も子どもも安心して暮らせる社会づくり~」
のように、小学生から「おっちゃんたちのやってることかっこいいから手伝いたい!」と言ってもらえるような【社会正義性】を持たせることがキーポイントです。


やってみれば分かるのですが、簡単そうに見えるこの5つの質問はなかなかまとまりません。

私たちのような第三者の助言や進行があってもまとまるまで数日かかります。

皆さんも自力でまとめようとするとどうしても社長の声が大きくなりがち。

社員さんにとっては「やらされてる感」が強くなってベクトル合わせの意味がなくなってきますので、進行役の方はできるだけ万遍なく発言させる&普段お客さんと接していなかったり、あまり積極的に話さない人を巻き込んでいくと一体感が醸成されます。


こうしてできあがった理念・使命。

ホームページもイベントもモデルハウスも社員教育も、すべてこの理念・使命を世の中に伝えるための「手段」に過ぎません。

何度も何度もブラッシュアップしながら、【御社のブレない軸】【熱狂的なファンを生む使命感】を作り上げていってくださいね。

※「テンプレートに当てはめて作ってみたけれど、これで良いのか分からない」という方は下記問い合わせフォームよりお問い合わせください。
(【お問い合わせ詳細欄】に「noteで作ったUSPをチェックしてほしい」とお書き頂ければ無料でアドバイスします)

★今週のまとめ


USPは会社の屋台骨。応援される工務店になるためにも、この機会を逃さずチャレンジしてください。



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