今見ている桜は、なにザクラ??|あぶらやま植物ブログ④
皆さんこんにちは。いよいよお花見の時期がやってきますね。あの愛らしいお花を眺めるだけでも気持ちよいお花見🌸。有名なものが「ソメイヨシノ」ですが、それ以外の種も結構街中にあったりします。その違いが分かるといつものお花見がまた違った角度で楽しめますよ。
ということで、今回は園内で主に見られる桜5種をどどーんとご紹介いたします♪
ABURAYAMA FUKUOKAで見られる桜5種
桜の見分け方は
①花と葉が同時に出るかどうか
②花の形
③葉っぱの形
④樹皮の様子
⑤樹高(木の高さ)
などなどいろいろポイントがあるのですが、今回は識別しやすい①と②でご紹介していきます!
■お花と葉っぱが同時に「出る」&葉っぱは「赤褐色」→①ヤマザクラ(野生種)
■お花と葉っぱが同時に「出る」&葉っぱは「緑色」→②オオシマザクラ(野生種)
■お花が咲く時に葉っぱは「出ていない」&お花は「小さく濃いめの」桃色→③エドヒガン(野生種)
■お花が咲く時に葉っぱは「出ていない」&お花は「大きく淡い」桃色→④ソメイヨシノ(園芸種)
■ソメイヨシノが散り始める頃に咲き始める&花びらいっぱい→⑤ヤエザクラ(園芸種)
そもそも日本人はいつからお花見をするようになったの?
私たちが当たり前のようにおこなっている「お花見」は一体いつから行っていたのでしょうか。ちょっと調べて年表にしてみました。
いかがだったでしょうか。
そもそも「花見」は桜ではなく、梅だったこと。私たちも知っている歴史上の人物が、今の花見の流れに深く関わっていることなどなど、意外と知らなかった事ばかり!ですね。
一般庶民に花見が浸透するきっかけを作ったのは江戸時代8代目将軍の徳川吉宗ですが、吉宗は倹約家でありそれを庶民にまで要求したことで当時経済や文化は停滞気味になったそうです。そこで飛鳥山や隅田川に桜を植え、庶民の気持ちが落ち込まないように娯楽の一環として花見を推奨したそうです。
いよいよ桜の季節がやってきた!
桜が咲いているのはわずか10日間ほど。このほんのちょっとの時期を私たちはまだかまだかと待ちわび、立ち止まって見上げ、散りゆく姿すら味わってきました。
それは単に「桜がきれい」
というだけでなく、桜が咲くこの時期が私たちの人生において出会い(もちろん別れも)やはじまりを伴うもの、もしくはそれらの思い出が重なるものだから、というのも大きいと思います。
今年の桜、みなさんはどんな気持ちで見上げるのでしょうか。そして、見上げた先の桜はなにザクラでしょうか?
園内では油山の標準木(ソメイヨシノ)はまだ開花してないものの、エドヒガンがちらほら、入口駐車場のソメイヨシノも数輪開花しています。もういよいよ、といったところです。
今年も桜の季節がやってきました。油山の桜もぜひお楽しみください。
ご来園お待ちしております♪
参考文献:近田文弘氏「桜の樹木学」技術評論社
井筒清次氏「桜の雑学事典」日本実業出版社
大原隆明氏「サクラハンドブック」文一総合出版
文:ABURAYAMA FUKUOKA 自然観察センター 土屋
写真:センタースタッフ、写真AC
ABURAYAMA FUKUOKA 自然観察センター
福岡市油山にすむ生きものの標本や季節の展示、最新の自然情報発信を行っています。各専門スタッフが交代で常駐していますので、自然・生きものの困り事はお気軽にご相談ください。
開館時間 9:00~16:30
休館日 毎週水曜日(祝日の場合翌平日)