春の油山は色とりどり。一番多いのは何色のお花?|あぶらやま植物ブログ⑤
みなさん、こんにちは。
ただいま油山は、桜から開花のバトンを渡されたツツジたちが満開になりつつあります。足元にもいろんな色のお花が咲き始め、森さんぽに最高なシーズンが到来♪といったところです(あとは黄砂が無ければ…なんですけどね)。
さて「春の色」というと・・・私はとっさにピンク色が思い浮かぶのですが、実際のところ何色のお花が多いのだろうか?ふと気になったので今回調べてみることにしました。
皆さんは何色のお花が一番多いと思いますか??
次の4択でお考えください。
①赤&ピンク色
②紫&青色
③白色
④黄色
それでは調査スタート!!
場所は牧場から自然観察センターまでの周回路(推定1km)です。
なにぶん昼休みに超ダッシュで調べてみたので、取りこぼしがあるかもしれませんが、今こんなお花が咲いてるんだ!も合わせてお楽しみいただければと思います。
①まずは「赤色」と「ピンク色」!
調査ルート上の赤色は・・・なんとゼロっ!!でした。そもそも真っ赤なお花って1年通してそんなに多くないんです。
一方、ピンク色は園芸種のツツジ、シャクナゲを入れて合計6種!並べてみるとやっぱり華やかですね。
②続きまして「紫色」と「青色」
この系統はすべてが草花でした。確かに赤色はあれど青色の花をつける樹木って野生種では見たことがないかもしれません。
ということで紫色5種、青色4種で合わせて9種でした!!
どんどん行きますよー♪
③「白色」のお花は・・・
合わせて13種!!樹木の花は白色が多いですね。
④最後、黄色のお花は
春の草花の代表格タンポポを筆頭に合計7種類!
気になる【調査結果】を発表します♪
①赤・ピンク色6種、紫・青色9種、③白色13種、④黄色7種
ということで、「白色のお花が一番多い」という結果になりました。
春の油山に限らず、植物界全体ではどうだろうか。ちょっと調べてみると
こんなデータが紹介されていました。やはり傾向として白色が多いようです。
お花の色は何のため??
今日ご紹介した花のほとんどが「虫媒花(ちゅうばいか)」。いわゆる昆虫を媒介して受粉をおこなう植物たちです。
彼らはより多くの虫たちに自分の花粉を運んでもらえるよう、そしてよそから運んできてもらえるよう、昆虫の目を引く看板(=花びら)を出し、昆虫が好きそうなにおいを出し、ご褒美に蜜を用意していたりします。
なるほど!じゃあ昆虫たちは白色や黄色が好きなのね!と言いたいところですが、昆虫たちが見ている景色は私たちヒトとはかなり違います。
大きく違うのは、私たちには見えない「紫外線」を見ることができるということ。紫外線カメラでお花を撮るとこんな風に見えるよ、というのが下の映像です。昆虫たちから見ると黄色の花は黄色一色、ではないことに気づかされます。
他方、私たちヒトには当たり前のように見える「赤色」は、アゲハチョウなど一部を除いて見えないと言われています。
今回、ざっと園内を調査して白色のお花が多いというのが分かりましたが、これらの花々はいったい昆虫たちにはどのように見えているのでしょうか。いつか叶うならばその世界をのぞいてみたいと思うスタッフなのでした。
ただいま園内は花盛り。
この花にはどんな昆虫たちが来ているんだろう。そしてどんな風に見えているんだろう。そんなことを思いながらのお花観察も楽しいと思います。
ぜひ油山へ森さんぽへお越しください♪
文・写真:ABURAYAMA FUKUOKA自然観察センター 土屋
ABURAYAMA FUKUOKA 自然観察センター
福岡市油山にすむ生きものの標本や季節の展示、最新の自然情報発信を行っています。各専門スタッフが交代で常駐していますので、自然・生きものの困り事はお気軽にご相談ください。
開館時間 9:00~16:30
休館日 毎週水曜日(祝日の場合翌平日)