禁Twitter(X)の負荷≒禁煙の負荷
先日、数日間キャンプに行っていた。
電源が無いキャンプ場なので、家族全員のiPadやスマホ電源と灯りの電源確保のためにモバイルバッテリーを総動員したが「限りあるエネルギーを節約する」などという考えが、全員にこれっぽっちもないため2日目の昼でほぼ残量が無くなった。
夜に家族Aが「ネトフリを見ないと寝れない」「オーディブルが無いと寝れない」と言い出しなぜかモバイルバッテリーでモバイルバッテリーを充電しはじめた。
私は「モバイルバッテリーでモバイルバッテリーを充電している人」を初めて見た。基本的にアホな事を「アホだな」と笑って見ているが、電源に対してはこちらも「仕事も原稿もあるしYouTube見ないと寝れない」なので話が別である。
意味のわからないことをするなとキレてなんでキレるんだとキレられ昼間の暑さのせいで疲労困憊していたため説明を聞くのもするのも面倒くさく、そこでなんとまあ恥ずかしいことに10年ぶりくらいに家族が諍いになった。そしてその場でスマホが40台充電できるポータブル電源をポチり、全員でその代金を折半し、次からはそれを持ってくるということになり場が収まった。
「こんな小さな電源を巡って喧嘩になるんだからエネルギー問題が解決すればそりゃ世界は平和になるよなあ〜」とかアホが考える平和論みたいなことを想いながら寝袋の中で核融合発電についてのYouTubeを見ながら寝た。起きたらスマホの電池は無くなっていた。節電しろ。マジで。
翌日の3日目はスマホを見ても黒い画面に自分の顔が映り込みウッとなるだけなので、放置状態になり、挙げ句の果てに私も家族もスマホをどこに置いたかわからなくなり紛失しかけた。
ちょうど山に行く前に忙しい用事が挟まりその都合もあって、なんとなく、本当になんとなくTwitterをいじらなくなっていて、おまけにVCRGTAが面白すぎてずっと仕事をしながら見てたということと、それを見ながら今までサボっていたデッサンや模写をやり始めたら面白くて手が止まらず、それでTwitterを触らなくなってしまっていた。
そうすると、面白いものを見たら「Twitterに書こ」と脊椎反射でなっていたものが「別にいいか」になりついには「あれ?Twitterって何をどうやって書くんだっけ」みたいなTwitterイップスに陥った。
そもそもなぜ「思ってる事をいちいち世界に向けて報告しなきゃいけない」みたいな強迫にも近い観念を持っているのか?という疑問が湧いたのは、12年Twitterをやってきて初めての事だった。いやTwitterを始めたから生まれた観念なんだけど。
今もTwitterイップスが続いていて、リアルタイムで感じたことに対し数秒のラグをもって「待って待って!今こんな事があったの」と説明することに対して「ウッ」という恥ずかしさが込み上げてきてしまうその自分のさまを、読んでいる人間に悟られているのではないか、それはとても恥ずかしくないかというストッパーがかかってしまい、うまく呟けずにいる。自意識過剰であることは重々承知の上だが、どうしてもその考えが拭えなくなってしまった。
これが何かに似てると思って、2秒くらい考えて「あ、禁煙だ」と思い至った。
私は10年続けた喫煙をある日突然辞めた事があった。1日に少なくとも1箱は吸っていたと思う。理由は手が臭いことに気がついて、それが嫌になったことだった。そして「ウーン…タバコ吸いたい」「でも手臭くなるからな」の葛藤が「呟こっかな」「うーんめんどいな」にすごく似ていると思った。
そして手放した時の喪失感もなんとなく似ている。
「カレーと王将の後のタバコはこの世のどんな料理にも敵わない、いやむしろタバコのためにカレーと王将をたべているまである」と思っていたがそんなことも1ヶ月もしないうちにおさまっていった。それを思い出して「あ〜タバコもTwitterもなんか心の中の隙間というか暇というか何かしなきゃと思った時の焦燥感を埋めてたんだな〜」と思い至った。
そんな事をしているうちに、気がついたらTwitterの名前とアイコンがYOSHIKIの顔しか浮かばないデザインに変更になっていた。イロマスがTwitterの名前を変えた理由が「Xっていう字が好きだから」という中学生でもそんな事言わんぞ、せめて後付けの経営理念みたいなのを言わんかいみたいな理由なのも最高に面白いので、やっぱり私はイロマスが好きでTwitter改めてXとイロマスをしばらく見ていたいのでもう少しTwitter改めXを続けてみようと思う。TwitterJapan社はXJapan社になるのだろうか。
あと「なんとなく」でTwitterの更新を突然止めてしまったため死んだと思われたのか友人数人から「大丈夫か!?」と連絡が来た。優しい。優しみを感じた。お前らは心の友だと思った。
ああそうか、Twitterって連絡ツールとしてのインフラとしても使ってたんだったと思い出し生存報告とキャンプと犬の写真を送っておいた。
数年に一度発作的にドアスラムを起こし消息不明になるので先に連絡をしなかったのは正直すまんかった。今度からドアスラムをするときは生きていますとSNSに張り紙をしておこうと思う。