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我が家の逮捕劇

親子で川の字になって寝ていたのはずいぶん昔のことなのだが、その頃の写真を見返すと、私と父の寝相がほぼ一致しているものが多い。

そこを狙って撮っていたのだろうが、それにしてもよく似ている。その写真を見ていると、相似の図形を見たときの、あの不思議な感覚になる。

今はもう寝室が別になっているので、寝相が同じかどうかはわからないが、父とは謎の何かでつながっているのではないかということが時々起こる。それも私にとって不都合な時に。

私は祖母からもらったおかしを(気持ちは)こっそりと、それでいて大胆に食べているのだ(おかしを食べること自体はなにも悪くないが、それを独り占めしている罪悪感から隠れたくなる。しかし、その罪の味はとても甘美なのだ)が、おかしを食べようと口を開けた瞬間に父が現れるなんてことがよくある。


その場の時が止まる。

そして私は現行犯で捕まるのだ。


なにも一日中おかしを食べているわけではないし、食べる時間も日によって違うというのに、毎度都合よく(悪く)父が現れるのは一体何なんだ。

それこそ現逮を狙う警察官のように見張っていたんじゃないかと思うくらいにタイミングが合い過ぎている。

私は ”どうにかして父の包囲網を搔い潜るような策を練らなければ…” と口をもぐもぐと動かしながら次に備えるのだった。

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