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祖母と「焼きそば」

私の祖母は料理が苦手だ。

おばあちゃんというものは皆、料理が得意なものだと思っていたのだが、案外そうでもないらしい。

壊滅的に料理が下手なわけではない。ただあまりおいしくないというだけ。

子どもの頃に作ってもらったごはんが、なんと呼べばいいのかわからない、緑色の何かだったことだけは覚えている。


そんな祖母の最近のお気に入りが焼きそばである。

お昼の時間になると棚から取り出して作り始めるのだが、できあがったものがちょっとあれなのだ。

見た目は汁を吸い切ったカップラーメンのような、つまりおいしくなさそうな麺類ができあがる。

焼けていないのでもはや「焼きそば」とは呼べないような気がするが、本人はそれを「焼きそば」と認識しているのであまり深く追求するのはよそう。


(ここで念のために書いておきたいのですが、見出し画像はただ麺類という理由だけで使わせていただいているものですので、祖母の「焼きそば」とは全くの別物です。とてもおしゃれな画像を提供してくださり、ありがとうございます!)


私がどうしたものかと祖母と「焼きそば」を眺めていると、なにを勘違いしたのか、「ちょっと食べる?」と善意100%で勧めてきたのである。

もちろん断った。


祖母のこういうところは個性だと思って受け入れているが、どうしても解せないことがひとつある。

私が計量カップを使って水をくむ時、祖母がぬっと真横に現れて「私は目分量でやっちゃうのよ♪」と自慢げに言うことである。

祖母よ、その結果があの「焼きそば」だ。

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