構造
序文
季節は5月。
初夏の陽気を感じさせ、夏に向けて進んでいくのを陽差しの強さからも伺い知れる。
そして5月は地域に差はあれど田植えの季節か。
田を起こし、水を流していよいよと稲穂が割拠する、田園の風景が拝めるというわけか。
最もプリミティブで、最も日本の原風景を思わせる稲穂の成り立つ様は、見ていて不思議と心を和ます。
秋の収穫の季節まで稲の育つさまを楽しむのも、また悪くない…。
お米はそれだけ風景の一部として溶け込んでいるのだ。
以前から嗜む程度に好きなお酒、「日本酒」のことを素人なりに書いている。
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自分なりに味わいのことなど書いてみた。
検討はずれのことを書いているかもしれないが…
こうやって書いていると不思議とまた書いてみたくなる。
なので、果たして誰かのためになっているか知らないが、またnoteに綴ってみよう。
素人のまとめと思って頂いて、どうかご容赦を!
お米を食す時、大抵の場合はお米を洗い、お米を水に浸漬し、釜なり炊飯器なりで炊くというのが一般的だと思われる。
炊けたお米はしばらく蒸らして、蓋を開けてみれば待ってましたとばかりに湯気があふれでてきて、炊きたてのお米の美味しさを演出してくれる。
何事にも代えがたい、かけがえのない瞬間なのかもしれない。
そして日本酒もお米を使ったお酒。
お米を食すように、同じようにして作っているのだろうか?
お酒として醸すためには、どのような工程を辿っているのだろう。
工程を知ることによって、また味わいも変わってくるかもしれない。
とっいうわけで本の力を拝借しつつも、お酒として醸されるまでの工程を自分なりにまとめてみました。
参考資料として知恵を拝借させて頂く本は「日本酒完全バイブル」
こちらを参照しつつ、まとめてみました。
お酒として醸されるまでの行く道を辿ってみようかと思います。
工程について
お米としての素の状態、玄米からスタート
↓
① 精米
↓
② 洗米、そして浸漬
↓
③ 蒸す
↓
④ 蒸し米の完成!! 蒸し米と麹を用いての製麹
↓ ↓
⑤ 酒母造り 麴米の作成
↓
酒母「酛」の出来上がり
↓
⑥ 蒸し米、麹米、酒母を用いて仕込みへ…
↓
⑦ 醪(もろみ)が生まれる
↓
⑧ 上槽
↓
⑨ ここで「原酒」が生まれる。
↓
⑩ おり引き、濾過
↓
⑪ 火入れ
↓
⑫ 貯蔵
↓
⑬ 調合・割水
↓
⑭ 火入れ
↓
⑮ 瓶詰め
↓
⑯ 出荷
このような工程を経て、日本酒は醸されていく。(間違っていた箇所があれば申し訳ございません。)
洗ったり、浸漬したり、蒸したりするのは間違いなくお米を食す際に行う行程と一緒だ。
そこから辿る道筋は微生物である、麹や酵母の力を利用していく。
自然の力を巧みに使い、アルコールを発酵させてお酒として醸していくのである。
まさに自然と人類の知恵と経験の法則を利用したハーモニーだ。
お酒はこういった側面を持ち合わせている。
なので、ただ単にアルコール飲料とだけ捉えるのは勿体ない。(言い方が乱暴で申し訳ないです!)
一つ一つの工程に意味があり、心がこもっているのである。
まさに各国の特色を生かしたお酒という文化は、その国の重要な文化の一つなのかもしれない。
ここでは、工程を細かく突き詰めていくことはここでは止めておきます。
っというか、むしろ自分にそんな力がないのですが…(笑)
ですが、少しだけ自分なりの補足を書き記してみよう。
精米~仕込みについて
先ず、精米について。
精米はお米を削る作業。ここで特定名称酒の時に述べた精米歩合という数値が決まってくる。
削れば削る程に精米歩合の値が70→60→50となっていく。
当然のことながら削れば削るほどに時間はかかるし、手間もかかっている。
大吟醸酒など、値がそれなりにする理由はそういったところにもあるのだろう。
蔵元さんが複雑味を携え、しっかりとした味わいを残したお酒を醸したいのであれば、あまり削らず、シャープな味わいを目指すのであれば精米歩合を高める…っといった感じか。
そして削ったお米は熱を蓄えているので、しばらく休ませる。
休ませた後には洗米、そして浸漬が行われる。
自分で食す際にも、お米がべとつかないようにするために、実は大切な工程でもある洗米と浸漬。
お酒造りにおいてもそれは大切なことであり、後々の工程にも影響を及ぼすので慎重に作業を行っていく。
そして蒸した後にできた「蒸し米」を用いて作られる大切な作業、「麴米」の作成と「酒母」の作成だ。
お米は自身の能力だけでは、自らのデンプン質を糖へと変えることはできない。
なので蒸し米を利用して、麹室において麹米を造るのである。
蔵人さんが上からサッサと降っているモノ…
あれが、麹というわけか。
そして酒母。
文字通りお酒の土台となるもの。
これから大量のお米を発酵させてお酒に醸すために必要な頑強な酵母を作成するための工程でもある。
水と麹と乳酸菌と酵母の力を使い、頑強な酵母を造る、酒母造り。
乳酸菌の力は偉大だ。
その菌が持つ酸の力を利用し、酸の力に強い酵母はすくすくと育っていく。
引用させて頂いたが、酒造りにおいて乳酸菌の力もまた偉大なのである。
ちなみに乳酸菌を添加するタイプは「速醸系酒母」
自然界の乳酸を利用するタイプの酒母は「生酛系の酒母」と分かれている。
生酛系の酒母は更に、山卸しを行う生酛に山卸しを行わない山廃と分かれている。
こうして、出来上がったお米や、麴に酒母を利用して日本酒は醸されていく。
仕込みの段階で酒母と麹、蒸米(掛米)、水をバランス良く、そして急速に発酵させないなどの工夫をするために、分量の材料を三段階に分けて仕込む三段仕込みという仕込み方法を取り行っていく。
簡単にいうと小分けにして仕込むということか。
こうして醪(もろみ)が形成されるわけである。
上槽~仕上げについて
発酵が終了したらいよいよ上槽し、酒と酒粕に分かれていく。
搾る方法は自動圧搾機を使ったり、酒袋に入れて重ねて槽と言われる木製の容器に入れて搾る方法や、袋吊りにして搾る方法など様々。
その工程において、搾り始めに出てくる酒はあらばしり、中頃に抽出されるお酒は中取り、最後の部分は責めと名前が変わってくる。
名前が変わっているように、味わいが変わってくるのである。
フレッシュ感や、しっかりとした味わいか、力強いのかなどの味のニュアンスが変わってくる。
それは呑む人の捉え方次第かもしれないが…。
上槽したお酒はおり引き、濾過を行い、一回目の火入れをしていく。
おりを除いた後に、さらに細かいおりを取り除く作業を濾過という。
この澱を取り除くために活性炭や濾過フィルターなどを使って「濾過」作業を行っていきます。
なるほど、よくお店などでみる無濾過とは濾過をしていないことにより、お酒本来の香味成分や味わいをしっかりと感じれるお酒ということか。確かに濾過したお酒よりも、より味わいは濃くジューシーに感じる部分はあった。
澱がらみなど、ここの工程で生まれるものなのだろう。
さて、貯蔵で寝かせたお酒を調合し、水を加えアルコール度数を調整し、2回目の火入れをして瓶詰をして、出荷といくわけである。
ここで気になる工程と言えば火入れか。
火入れは2回行われる。
先ずは貯蔵前の1回目の火入れ、そして貯蔵後の2回目の火入れ。
この2回とも火入れを行わないお酒を生酒。
瓶詰前の1回だけ行うお酒を生貯蔵酒。
1回目の貯蔵前だけ火入れを行うお酒を生詰め酒。
と分かれている。
なのでフレッシュな、搾りたてのお酒本来の味わいを楽しむなら生酒。フレッシュ感を少し楽しみつつも、熟成感を感じたいのであれば生貯蔵酒…みたいな感じで味わうと良いのかな?
ちなみに秋になって世間に出回る「ひやおろし」という名前のついたお酒…。
貯蔵前の1回だけ火入れを行う「生詰め酒」の工程の日本酒にあたる。(間違っているかもしれません)
ちなみに原酒とは加水をしていないお酒のこと。
なのでアルコール度数は若干高めになっている。
よく「無濾過原酒」とあるのは、そういう意味で味わいも何となく想像できるかも…。
っというわけで素人なりに工程を辿ってみました。
最後に
ここまで長々と日本酒造りの工程を、素人なりに参考文献の力を借りて辿ってみました。
工程を辿ることによってラベルに書かれた言葉の意味や、味わいの想像がさらに出来やすくなるかもしれません。
自分自身、偉そうに語れる程の知識や経験はございませんが、日本の歴史が生んだ自然と人間の技術の結晶ともいえる「日本酒」が好きなことには変わりません。
嗜む程度ですが…。
その技術に対して、尊敬の念も込めてこのように文章を綴らせて頂きました。
最後に、自分自身不勉強の身。
そして言っていることに間違いがあり、工程にも違う部分があるかもしれません。
どうか素人の単なる文章と思っていただき、寛大にご容赦を願います。
申し訳ございません。
そして、記事を最後まで読んで頂き誠にありがとうございます!!