開かれ、やがて閉じられるもの ─『ab-』新刊について ※4/18販売先追記
販売先
【BOOTH】
『ab- ストリップのタイムライン』 1300円
『ab-EX Re:メンズストリップ』 300円
※セット版 1500円
【タコシェ】
『ab- ストリップのタイムライン』 1300円+税
内容紹介
『ab-』 ストリップのタイムライン について
『ab- ストリップのタイムライン』を刊行します。
自主制作本には同人誌、ミニコミ誌、ZINEと呼称は様々ありますが、何はともあれ今回は、「本」という物質であることに重きをおいています。手にとって、直接その頁を繰ることができる「本」です。
『ab-』は2021年末に電子データ(pdf/epub)にて発刊しました。利便をはかれば今回も電子版を販売すればよいのですが、今回は前述の通り、物質的な「本」であることに意味があるため、デジタルデータでの販売は行いません。
先立ついくつかの「本」に導かれるようにして『ab-』は作られています。先行する諸氏がストリップを「開いた」ことによって、多くの風穴が通されたことと思います。また微力ながら『ab-』も、そうした「開」きにいくらか貢献できていたらしいことを知ることとなりました。
すでにして、こうしたストリップにまつわる商業/自主制作本による"流れ"ができて、あらたな観客を呼び込むことに作用しているのは間違いありません。そしてストリップは、まだまだ未知の観客のために「開」かれていく必要があるかと思います。
他方で、このストリップという文化の「閉じられ」もまた、重要な側面です。公にしていいこととそうでないことの線引があり、「閉じら」れているからこそ確保されている穏やかな空気があります。そして、秘密めいた世界へと敷居をまたいで踏み込むこと自体の意味も大いにあると思います。
「閉じられ」は決して排他ではありません。しかしそこにはやすやすとは触れがたい何かを残しています。そして、その触れがたさゆえに、儚くも連綿とストリップの命脈は保たれてきたのではないでしょうか。
この「閉じられ」自体をわずかでも収めるべく、『ab- ストリップのタイムライン』は作られました。
収録内容について
形式に振り分けると、今回の本には2つの座談会・3つのインタビュー・6つのエッセイが収録されています。
まず座談会。
武藤大祐・結城敬介・渡邉千尋3名による2022年の振り返り座談会を行ないました。時系列的にではなく、思いつくまま、踊り子さんひとりひとりについて話している形です。約19000字。
分量の差はありますが、言及している踊り子は葵マコ・浅葱アゲハ・石原さゆみ・宇佐美なつ・小宮山せりな・ささきさち・白雪・翼裕香・友坂麗・萩尾のばら・浜崎るり・牧瀬茜・緑アキ・御幸奈々・目黒あいら・望月きらら・MOMOE・安田志穂の18名。
加えて、「本の話」として、ストリップを見たり、文章を書くにあたってそれぞれが影響を受けている本の話もしています。
インタビューは石原さゆみ・きりん・ぽんの3名。それぞれ踊り子とスト客(スト客歴約1年半と約20年)への聞き取りを行っています。ストリップへの視線だけではなく、視線を向けるその人の個人史的な背景も残しています。各6000~7000字程度。
エッセイは6名。執筆者とタイトルのみ並べておきます。
石塚秀哉「Do you remember? 〜石原さゆみをめぐる私的な記憶」
いとー「ハロー、私のニュー実家」
菅野歩美「レスなウチらとストリップ」
新陳代謝ちゃん「一方的に贈るもの」
結城敬介「写真に触れる」
渡邉千尋「涙にこころは追いつかない 石原さゆみ 『ダンス』考」(再録)
新刊その2 『ab-EX』について
『ab-』ストリップのタイムライン の制作遅延に伴い、その間に開催された『ニュー道後ミュージック 番外編』の公演にまつわる記事を収めた『ab-EX』を追加販売することにしました。
メンズストリップという未だ希少なと言わざるを得ない男性が脱ぎ・踊るステージについて、その記録や背景へのインタビュー、エッセイによって纏めています。
【内容】
・『ニュー道後ミュージック 番外編』企画・主演 チャタへのインタビュー (約8,000字)
・チャタによる結城敬介インタビュー(約4,000字)
・公演記録(公演記録写真含む)
・「男であることの恥ずかしさ」について 結城敬介 ※チャタ作『夢で逢えたら』をめぐるエッセイ(約5,000字)
こちらは電子版(PDF)のみの販売となります。
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