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フリードリヒ・フーケ『水の精(ウンディーネ)』を読んで
フーケまたはフケーは、ドイツ(プロイセン王国)の作家で、1811年に発表された本作が代表作といわれています。くくりとしては、ドイツ初期ロマン主義の作家、詩人です。
『ウンディーネ』は物語のヒロインの名前であり、『水の精』はその出自によります。水の精霊ウンディーネと騎士フルトブラントとの恋愛とその結末を描く、小説というよりは、ファンタジーと呼びたいと思います。
現実を超越した世界をヒロインが行き来するものですから、読み手によっては荒唐無稽と感じてこの世界にはいることに違和感を感じるかもしれません。
不肖、私が先日読み出した『くるみ割り人形とねずみの王様』は残念ながら途中で投げ出してしまいました。E.T.Aホフマン作の小説(物語)でチャイコフスキーのバレエや映画の原作ですね。
このファンタジーあるいは童話には感情移入ができませんでしたが、これはひとえにわたしの世俗の垢にまみれた属人的な要因であり、作品の価値には全く関係ないことです。
さて、ヒロインのウンディーネは先ほども述べましたとおり、異界とこちら側をゆききするのですが、このような物語の「お約束」で大変な美人なのです。
美人と言われて想像の翼を拡げたり、鼻の下を伸ばしたり?することは楽しいものです。
大抵は自分が過去に見た画像や映像または、個人的な経験知のアーカイブファイルをもとに好きなようにイメージを作っているのですが。それが読む気満々へと導きます。
これが読み物でなく、映画などの場合は所与として固定されるので、いい時と悪い時があります。女優が自分の好みかどうか、これによって印象が左右される大きな要因です。
こんなに特化したことを書いているのは、わたしが男性だからです。しかし、ヒロインと相思相愛となる重要な役柄の男性は、白馬にまたがってヒロインの前にあらわれた騎士です。
これまたお約束通り大変な美丈夫と書いてありますから、女性の読者も大いに想像の翼をひろげて楽しんでくだされば良いと思います。
物語の詳細は他に譲りますが、必ずしもハッピーエンドではないと記します。とはいえ、読後感が残念かと問われれば、いいえと答えます。
理性と常識の文脈では感得することのできない、甘くも切なくも大いなる魅力に浸ることができるからなのです。
ウンディーヌとフルトブラント
水の妖精と白馬の騎士
夢とうつつ
生と死
このファンタジーは、ゲーテから称賛を得たことをはじめ、世に多くのインスピレーション、影響を与えて、絵画、音楽、舞台などを生み出す豊かな源泉となりました。
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