![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152444671/rectangle_large_type_2_2fe793fe11c175abbcc915cb8e5e835e.jpeg?width=1200)
「モーツァルトの『ハフナーセレナード』」に関する訂正と補足
先日の記事に関して記憶違いによる誤りがありましたので、訂正させていただきます。
『ハフナーセレナード』は、ザルツブルクの富豪で市長でもあったジークムント・ハフナーの(子息ではなく)娘のエリザベートの結婚式のために作曲されました。モーツァルト二十歳の1776年のことでした。
花嫁の父ジークムント・ハフナーが、(モーツァルト本人ではなく)父レオポルト・モーツァルトとが友人同士だったためです。
ここからは補足になります。
モーツァルトは、ハフナー家のためにもう一つのセレナードを作曲しました。先の『ハフナーセレナード』作曲の年から6年後の作品です。
第2セレナードはハフナー家が貴族に叙せられた祝賀式典のために作曲されたました。元市長ジークムント・ハフナーの子息、ジークムント・ハフナー二世とはモーツァルトは幼友達でもあったのです。
モーツァルトは、その翌年の予約演奏会のために交響曲を用意しました。『ハフナー交響曲』と呼ばれます。第2セレナード用の行進曲と、メヌエット楽章2曲のうちの1曲を削除し楽器編成を追加して4楽章の交響曲に仕立てました。なお削除した1楽章は散逸してしまい残っていません。『ハフナー交響曲』が成功したこともあって『第2ハフナーセレナード』のほうは影が薄くなってしまいました。
VariOrchestra(バリオケ)による、モーツァルトの交響曲第35番『ハフナー』K.385の動画です。バロック音楽などの演奏でみられる、指揮者を置かずに奏者が立って演奏する形式です。若者のリズム感とこ気味よさはさすがのものです。その意気やよし、大きく世界に羽ばたいていただきたいと思います。
VariOrchestraは、代表の佐藤の呼びかけのもと2020年に結成しました。アマチュアのトップ奏者から国際コンクール入賞者までが所属し、多様な発想を生かしVari Orchestraにしかできない自発的な演奏を目指しています。また、音楽を通して多くの人がつながる「プラットフォーム」として機能することを目標に、演奏者同士や、演奏者と聴衆の間に結びつきをもたらすことを目指しています。
現代では、交響曲とセレナードとは明らかに異なるジャンルと見られ、演奏者も聴衆もそれを前提に演奏し、鑑賞するのが普通の事でしょうが、モーツァルトの時代にあっては、両者の関係はもっと近いものだったのですね。
モーツァルトは自作のセレナードを交響曲に編曲することは多く、第1、第4、第5、第7『ハフナー・セレナード』、第9番『ポスト・ホルン』の各セレナードを交響曲に編曲している。本作もこうした一連の編曲交響曲のひとつである。
いいなと思ったら応援しよう!
![らいとらいたあ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/168463061/profile_dc6516e7ad9744790e52e61918dfb947.png?width=600&crop=1:1,smart)