1993年のオーストリア・モーツァルト №32〈ザルツカンマ―グート №5〉
1993年7月、転職のはざまに2週間の自由(失業)期間ができて、これはチャンス。リュックを背負ったエコノミーな個人旅行で、憧れのオーストリアへ行きました。
今年はちょうど30周年、当時はスマホはもちろんなく、携帯電話すら一般にはまだ普及していなかった時代。世の中随分変わりましたね。
旅行中の日記がこの『旅日記』の元ネタです。写真も交えて旅のあれこれを思い返しながらつづっていきます。そんな、よしなしごとにお付き合いいただければ幸いです。
ザルツカンマ―グート♪ №5(ザンクト・ギルゲンの野外コンサート)
1993(平成5)年7月16日(金)夜
バンドは10代の男女がメンバーの大半だった。演奏はうまいと思った。子供たちがたくさん親に連れられて聴きに来ていた。(※1)
行進曲の場面では、子供らしく曲にあわせて体をゆすったり手を振ったりして結構楽しく曲に乗っていた。なかでも、僕の席から5.6列前の3歳ぐらいの女の子はそのしぐさが言いようもなくかわいい。
二拍子の曲にあわせて上半身を左右にゆすっているかと思うと、次の瞬間パットお母さんの方を見てニッコリしたかと思うとすぐに舞台の方に向き直ってはまた、楽しそうに上半身を左右にゆすってと。(※2)
そんなことを何度も繰り返すので周りのおとなも可愛いねぇという表情でにこやかにその女の子を見ていた。
僕もうれしい気持になった。9時半過ぎに演奏会は終わって部屋に戻り、オーストリアに来て初めて風呂に入った。何日ぶりだろうか。さっぱりした。(※3)
――つづく――
※1 2023年の現在も活発な活動を続けている、ユング・ザンクト・マリエン楽友協会。男子はパンツ、女子はスカートのにちがいこそあれ、お揃いのチロリアン・ハットにグリーンのジャケット、赤系のネクタイ、白いハイソックス、黒の短靴すがたも凛々しい感じでした。
※2 その少女のしぐさはいまも脳裏に焼き付いているほどです。ほんとに可愛かった。あれから30年、いまではかわいい姉妹のお母さんになっているかもしれませんね。
※3 ザルツブルクのホテル・ノイトールにはシャワーがあったので、毎日シャワーしてました。でも、風呂に入るのは気分が違いましたね。
※標題画像は、湖畔の街ハルシュタットです。