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青い惑星のはなし ★★
アイスランドの児童文学作品です。
作者のアンドリ・スナイル・マグナソンさんは、作家でありながら自然保護活動もされています。以前「よみがえれ!夢の国アイスランド」という自然保護に関する本を読み、児童書初のアイスランド文学賞を受賞した本作のことを知り、今回読んでみました。
ある星に子どもが100人住んでいて、その子ども達は決して老いることがなく、ずっと子どものままで生きている。感情も子どものままだし、行動も子どものまま。小さいことに幸せを見つけて、それは楽しく暮らしている。
しかしある日、その惑星に変な大人が1人、宇宙からやってくる。その大人は、子どもたちに面白いこと(空を飛ぶこと)を教える。その面白さを知ってしまった子どもたちは、今まで自分たちはなんてつまらないことばかりをしてきたんだと感じ、その大人に若さと引き換えに更に面白いことを要求するようになる・・・というお話です。
人間は、日々進化しています。ほんの30年前まで、1人1台携帯する電話機を持ち歩くようになるとは思ってもいませんでした。
その携帯電話が今や、パソコンとほぼ変わらないくらいの情報や娯楽を得られる媒体となり、もはや手放せないものになっています。
人間はこの作品にあるように、一度面白いものを手にしたり知ってしまうと手放すことを出来にくくなってしまうし、それによる犠牲がどこかしらで起こっていても、今の面白いことに夢中で目をつぶってしまいがちかもなぁ。と思わさせられました。それは環境に関することかもしれないし、差別に関することかもしれません。
読み終わったあとは、大人も色々と考えさせられる作品です。
すでに絶版しているようですので、図書館などで借りてみてください。
オススメです(^∈^)