見出し画像

四角い家とまるい場所



【母子家庭エッセイ】

昨日は年末年始以降、息子に多少ゆっくり会えました。
母子家庭歴15年半。
その前も父親は浮気して朝帰りが多く家族とほぼ接してなかったので実質息子の19歳の年齢と同じの母子2人の生活歴。
今年大学の寮で生活をし始めてから、
GW、夏休み、シルバーウィーク、年末年始と、お休みの時期には必ず帰って来てくれます。
母として嫌われてはないのかなと少し安心してます。

✳✳

私は息子に「実家」という「家」=「場所」をどうしても作ってあげたかったのです。
結婚していた時に私が選んだマイホームを離婚の財産分与で失ってしまったからです。
その家のキッチン。
お料理が大好きな私がすごくすごく気に入った水色のキッチン。
そこで息子とだんなに栄養を考えた食事やお弁当を作ることがとても愛おしかった。
(だんなは浮気相手とお食事をしていたので、昼、夜、夜食の三食分作ったお弁当は捨ててたわけですがそのお話はまたいつか別枠で)

その後離婚して母子家庭で不安定な生活をさせてしまっているけど、お料理だけはいつでも息子の身体に栄養をと考えてしまう。
「実家」を作ってあげたい気持ちは私のエゴなのかもしれない。
息子に父親がいなくなってしまって、父親の愛が不足する分、息子が悲しい思いをするだろうと、1人で父親と母親の二役をすると決めたが当然無理だった。
「母さん。頑張りすぎないでいいよ。」
反抗期の不器用な頃なのにそんな言葉をかけてくれたなぁ。
あ、私息子に気を使わせてるなって思ってそれからは気負わないように心がけました。
体力的にも家計的にも見栄を張らずでいるように心がけました。

色々不安にさせて色々な物語りを紡いできたからこそ「実家」という絶大なる安心感のある「場所」を作ってあげたかった。 
でも母子家庭の財力なんてたかがしれているので戸建てでは夢は叶わなかった。
そんな話をいつか友人としたら、
「いつでもお母さんが居るところが実家だよ」
そんな言葉を言ってくれました。
心がじんわり濡れました。
何に拘るわけでもない、私が実家なのか。
「場所」ではなく「居場所」なのか。

休みの度に私のところへ帰ってきてくれるって、
そういうことなのかな。
涙が止まらないや。
陰キャで不器用で照れ屋の息子。
もしそうだとしたら、心の限り嬉しいです。
いつもありがとう。

一番は母親の私が幸せでいることが居心地が良いまるい場所になるんだね。

✳✳
今回息子には今の私が住んでいるみなし仮設住宅のアパートから彼の荷物を整理してもらっている。
2DKは私1人で住むには高すぎる家賃だからです。
家賃は高いけど部屋は狭く感じます。
それは、息子と歩んだ思い出の品が捨てられないからです。
本当はそれらを保管してあげられる実家(実質的な場所)を作りたかったんですけどね。
良い機会として息子と2人で断捨離して新しい流れを入れていこうと思います。


「環境を変える」ってものすごく気力体力が要ります。
行動を起こすことが面倒で避けることを人は選びます。
でも人生の分かれ道のひとつに、
それはとても重要な役割を果たします。

シンプルに、進まないと変わらないからです。

離婚やらあーやら何やらで被災して
いつになったら気持ちも居場所も落ち着くのかと思いながら生きてますけど(汗

息子と2人共々、安住の地が欲しいなぁ。

いいなと思ったら応援しよう!