「グランド・ジャーニー」 自然との共生の重要性について考えさせられる
実話を基にした雁と親子の壮大な挑戦を描くヒューマン・ネイチャードラマ
原題:Donne moi des ailes/Spread Your Wings
製作:2019年/フランス=ノルウェー 113分
監督:ニコラ・ヴァニエ
出演:ジャン=ポール・ルーヴ/メラニー・ドゥーテ/ルイ・バスケス
あらすじ
感想
あらすじを見るにさぞ現代っ子でブーブー文句を言い衝突するかと思いきや、息子の順応が早くて驚いた。(まぁギスギスを引き伸ばすよりはいいだろう)
時折見せるネイチャー番組のような作為のない自然体な瞬間を切り取ったショットが良い。加えて、CGを使わずに撮った縦断飛行シーンはスタッフの気概を感じる。(やはり生にしか出せない迫力ってあるよなぁ)
人と動物の絆、挑戦が人々の心を動かし想いが伝染していく…こーゆー系は観るものの心が洗われるので高評価なのも頷ける。が、私は犬猫が出てれば無条件に愛しく思う・癒されるタイプではないのでそれほど感動しなかった。
また、この映画は環境問題提起も兼ねていると思うが、そのメッセージが観客に届いているかというとそこまでには至っていない気がする。やはり人間こそが地球の生態系を脅かしていると切に自覚するためには、現実はそう甘くない事をまざまざと見せつける作品を作るべきではないか。しかし、そのようなシビアな作品は、多くの人々の目には触れない(商業的に失敗する)ゆえ間接的なアプローチしか出来ない現状がもどかしい。
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