みんなが口ずさめるようなきっかけを
みなとまちのうたプロジェクト
鍵盤楽器と声を用いたアンサンブルユニットのmica+hachi。「みなとまちのうた」をテーマにした彼女たちの楽曲制作過程を音と文字で綴ります。今回は、ゲストにデザイナーの阿部航太氏を迎えて。
聞き手は、港まちづくり協議会の古橋、アッセンブリッジ・ナゴヤ(以下:アッセンブリッジ)音楽プログラムディレクターの岩田、アシスタントの了徳寺でお送りします。
第1回:はじまりのオトケシキ はこちらから
第2回:その音楽はどんなカタチで届くのか? はこちらから
第3回:みんなが口ずさんだりできるようなきっかけを
なぜあのデザインが生まれたのか
古橋
今回は、デザイナーの阿部さんにご参加いただいています。阿部さんには、2020年3月に中止になってしまった「オトケシキvol.2」(新型コロナウイルス感染拡大により中止となった)のチラシ制作を担当いただきました。冒頭の音源は、阿部さんがデザインしたチラシから生まれた曲「Ville avec un portー港がある街」を収録したものです。今回はこの曲をふまえ、阿部さんにも加わっていただいて、皆さんとお話をしてみたいと思います。
hachi
まずは阿部さんに、「なぜあのデザインが生まれたのか?」というところから伺いたいと思うんですが、よろしいですか?
阿部
最初にお声かけいただいた時に面白いプロジェクトだなぁという印象を持ちました。それで、打ち合わせの際に、コンサートの中で懐かしい写真や現在の港まちの写真を使った仕掛けを入れるようなことも聞きました。このチラシのデザインでは、写真を2枚使っているということが重要で、しかもそこに古い写真と新しい写真の2枚を同時に使っているというのが一番の肝です。
昔の写真を見ながら「懐かしいなぁ」って思いがありつつ、でも「今つくる音楽なんだ」ということも、一方で重要なんだろうなと感じ取ったので。それを両方表現できるように、つまり、あの頃を思い出すだけの懐古主義的なものではなくて、それをもう一度、新鮮な形で掘り起こしたり、今の景色の中に投影したりとかって言う事の面白さを伝えたくて。だから、新旧の写真を2枚使うっていうのは1番最初に決めたことでしたね。
hachi
そうなんですね!私はまさにその2枚の写真からインスパイアされました。全体のデザインの視覚的表現というか、イベント内容がとてもわかりやすく伝わってくるなぁって思いました。そしてこの「音景色」のロゴがまた素敵ですよね〜。
岩田
手書きってすごく入ってくるなーって。私は凄く好きです。こういった技法は良く使われるんですか?
阿部
いや、むしろ避ける傾向にあります。手書きを使うときは勇気がいるというか、「手書き=親しみやすさ」に回収されちゃうというか。だから、かなり効果的に使えないと使いたくない。でも今回は効果的に使えると思ったのかな。いろいろ考えてはいたんですけど、なんていうか僕の手書き文字が可愛いわけではないので、柔らかくしたいと言うよりは雑多な感じというかノイズみたいな感じで使いたいと。ザワザワしてる感じで使いたいと思って使いました。
hachi
このロゴもやはりイベント内容を表現しようという意図があったんですか?
阿部
そうですね、そんなに深くは考えていなかったというか…。とてもスムーズにできてしまったというのがあって…。正直に言ってしまうとアレなんですが、このチラシは、全然時間かかってないんですよ(笑)。でもそれは、すごく上手くいったってことでもあるんです。
文字に人の喋り声が入っていたり、波音が入ったりだとか、風が入ったみたいな感じなんじゃないかなぁって思って、そのような要素を出してみたいと考えたこと。それから、安直に聞こえるかもしれないですが、クラシックのバックグランドがあるということも聞いていたので明朝体を使いたいなぁとも考えました。
ただクラシックのイメージで、あんまりフォーマルな感じにしすぎちゃうと敷居が高くなっちゃうんで、少しそれを崩すというか、そのための要素といったらやっぱまちの音や景色なんだろうなっていうようなことも考えてましたね。
hachi
先ほど「波音」と言われていましたが、私はこの音景色のロゴの「音」にデザインされた波線が「フレーズ」みたいだなと思いました。また、2つの写真を見ていて何かの映画のワンシーンみたいだなと。そんなことを思いながら、ふと鍵盤に手を置いたら、「シドレミシラシ〜」というフレーズが降ってきたんです。すぐメモをしました。このフレーズが生まれた時点で3拍子の曲だということが決まっていて、もうそこからは、パパパパ〜って。
さっき阿部さんもこのチラシをデザインするのに「全然時間かからなかった」っておっしゃっていましたけど、私もこのフレーズが出てきたら、あっという間にその先のメロディーもできあがりました。
すごく苦しんでつくる曲もあるんですけど、フッと出てくるときの「迷いのないメロディー」ってすごくいいなと思っていて、今回は、このチラシのデザインからインスパイアされて、迷いなく曲ができあがりました。
チラシから曲が生まれるということが、はじめての経験だったので、とても面白かったです。
できあがった曲は、フランス風というか、映画のワンシーンの「活気ある港まちの風景」を感じてもらえるような曲になりました。
人の気配が感じられる曲
阿部
なんというか、人がいるような曲でしたよね。なんだかそんなイメージが沸きました、すごく。
mica
mica+hachiとしては、今までにない曲ですよね。
阿部
あー、そうなんですね。
mica
私でさえも「へー」みたいな感じで(笑)。面白かったですね。
hachi
mica+hachiは、これまでにもいろんな曲をやってきましたが、このタイプの曲は初めてじゃないかなと思います。
mica
このタイプなら?と想像してみたら、アコーディオンと鉄琴という楽器も見えてきて…。
阿部
このタイプというのは、どんな感じなんでしょうか?
言葉で表現すると、今までとどう違うんですか?
mica
初めて聴いたときに、まずフランス印象派の作品を想起しました。後は少し昔の映画っぽいという感じですね。多分それがアコーディオンなりオルガンなり、手回しオルガンかもしれないですけど、なんかそういう少し昔風の情緒的な音を入れたいなぁとか…。その辺のことがパパパッと浮かんで来ました。
その次に、じゃぁこれをmica+hachiでやるならどんなテンポだろう?となって、すぐにhachiさんに、これはどんなテンポなの?って聞いたんですよね。で、その時に話したことが最後のレコーディングにも大きく影響してます。
hachi
最初は、活気のある写真からインスパイアされていたので、速めのテンポで作っていたんですけど、1人でデモを作っていたら、だんだん叙情的なゆったりしたテンポもいいなという気持ちになってきて。でもそれをmicaちゃんに聴いてもらったら「あのチラシの印象からすると、最初に作っていた速めのテンポの方がいいんじゃないかな」という言葉をもらって…。デモを作っている間に、最初のパッションがどこかに行ってしまっていたことに気づかされて。最終的には最初のテンポになったんですが、micaちゃんとのこのやりとりはとても面白かったなぁと思います。
mica
今のhachiさんのお話は、さっき阿部さんが「人がいる曲」って、おっしゃっていたことにつながると思っていて。テンポがゆったりとしてしまうと、その時点で、「人がその背景に回ってしまう」というか、どうしても気配が消えていくような印象になってしまうんです。だけど、このチラシを見ると、下の写真の人たちは何を喋っているんだろうか?とか想像してしまうんですよね。わちゃわちゃした感じ。そこに人がいるから。
つまり単純に情景的で、ゆったりした曲ではないんだろうなぁと。私も阿部さんがおっしゃっていた「人がいる感じ」、ちょっと温度高めな印象を最初のデモを聞いたときに思いました。
阿部
うん、面白い。
でも、よく考えたら僕このチラシを、お二人の音楽をよく聞かないまま作ってましたね。
hachi
でも今回のプロジェクトってみんなそうなんですよ(笑)。
mica
そうなんですよね。どこに向かっているのかが、誰にもわからないまま走り出すんです(笑)。
みんなが歌える歌
阿部
普通はその人の音楽とかをちゃんと聞いて世界観みたいなものを汲み取って作ろうとしますよね。よく考えたら古橋さんからも、「お二人はこんな人たちです」って説明はなかった(笑)。
まぁ、だからなんでしょうね。元々の世界観は大事だけど、今までにやってきたことではなくて、これからやろうとしていることを表現したいみたいな意味合いがあったんでしょうか?
古橋
どうなんですかね(笑)。
僕が覚えているのは、一緒に打ち合わせをして、阿部さんをお二人にもご紹介した際に、確か、コンサートの中で昔懐かしい写真を使って参加者の人たちと語り合うような仕掛けについても説明をしたんですよね。で、そしたら阿部さんが、「昔を懐かしがるだけではおもしろくないじゃないか?」とか、「このプロジェクトからは『みなとまちのうた』は、1曲しか曲は生まれないんですか?」とか、「何なら複数作って、CDにしたらいいんじゃないですか?」とか、いろいろな提案してくれたんです。へーと思って、そんな風に考えるんだって、面白いなぁって。そんなことを考えたことを思い出しながらお話を聞いてました。
hachi
結果的には曲がどんどん増えてきているので、そっちに向かっていますよね、自然と(笑)。
mica
あの時の阿部さんの発言で、なんか解かれた感じがしました。1曲じゃなくていいんだみたいな、形にこだわらなくていいんだって、自由になりましたよね。
阿部
出過ぎた真似ではあったかもしれないですけど、最初に古橋さんに話を聞いたときにすごくいいなと思ったと同時に実はちょっとだけ懸念もあったんです。僕は2019年の夏に2ヶ月位、港まちでのスタジオプロジェクトでレジデンスをさせてもらったので、「みなとまちの曲をつくる」といったときに、その時に出会ったいろんな人の顔が浮かんできたんです。そして、その全員が好きな曲ってありえるのかな?って、それって結構難しくないかな?ってちょっと気がかりだったんです。それもあってその打ち合わせの時にそういう発言をしたんだと思うんですけど…。
mica
なるほどそうだったんだ。
阿部
うん、そうすね…。少し関係ないかもしれないんですけど、僕は港まちでのレジデンスの前に半年ほどブラジルに滞在していました。ご存知の通り、向こうにはカーニバルってのがあるんですが、日本で見られるカーニバルの映像や写真ていうのは、実は観光客用のカーニバルで、同じタイミングで、地元民は街でブロックパーティーをやってるんですよ。
それで、そのブロックパーティーでは、みんなが練り歩きながら大声で歌を歌うんですね。みんなが歌える歌っていうのがすごくいっぱいある印象でした。1、2曲とかじゃなくて…5、6曲か、それよりもっとです。世代も越えた色んな人たちが歌える曲がいくつもある。なんか僕はそれにすごく感動したんですね。だから、そうやっていろんな人がいろんな歌を歌って、それが時たま一緒に歌えるものになる、みたいなのがいいなぁと思って。そういう気持ちもあったのかなあって、今思えばですが…。
hachi
みんなで歌える歌を新しく作るとなると結構難しいですよね。今回もそこの難しさはあります。試行錯誤しながらそこに向かっている感じはありますね。
阿部
まぁだから、そういうみんなが口ずさんだりできるようなきっかけを作ろうとされているんだろうなと感じました。
hachi
今お話を聞きながら、今回作曲した曲の展開部分はもしかしたら口ずさんでもらえるかなと思いました。「ミーミレソレ・ミーミレソレ」というフレーズは、実は「みんなとまち・みんなとまち」というフレーズに起因しているんです。
「み(ん)なとまち」は、港まちのコンセプトコピーですよね。音景色vol.1のコンサート終盤で、この「みんなとまち」をフレーズにして、即興で演奏したのですが、それが強く印象に残っていて生まれてきたアイデアでした。
「みんなとまち」口ずさんでもらえたらうれしいですね。
mica
そうだといいね。
古橋
一回目の音源(オトケシキ)の中に収録されているシーンですよね。
細胞を通してリビルドする音楽や踊り
阿部
音源といえば、港区音頭とのマッシュアップ(minato_yakyoku)はめちゃくちゃ面白かったです。僕はめちゃくちゃいいと思います。
mica
よかった(笑)。
古橋
面白いよね。
阿部
面白い。僕は港にいる間にみなと祭にも参加させてもらいました。港区音頭も1ヵ月間位練習して踊ったなぁと思って…。
hachi
私はまだ港区音頭は見たことなくて(笑)。
今度参加してみたいなぁ。
阿部
ぜひぜひ。中々厳しい特訓ですよ(笑)。
古橋
お母さま方がね(笑)。
阿部
みんな優しいですよ(笑)。
mica
えー厳しそう。いい意味で(笑)。
阿部
確かに(笑)。いい意味でプライドを持ってやってらっしゃるので、生半可な気持ちで参加すると跳ね返されます(笑)。
2019年のみなと祭りで踊る阿部さん
mica
なるほど。。私が拝見したのはかなり前の白黒の写真でしたが、仮装して踊っている写真なんて本当にパンチあります!(minato_yakyokuの映像に登場する写真)
hachi
仮装は今もやってらっしゃるんですか?
古橋
今はもう見られないですね。あの写真見てると、またやってもいいのになぁとか思っちゃいますよね。例えば、外から参加する人は、浴衣じゃなくて仮装するとか?ハードル上がってます?
岩田
祭りってある意味伝統とか文化を体にインストールする儀式みたいなところもあったりしますよね。アッセンブリッジもフェスティバルって銘打っているから、そうした共感性は重要なテーマです。アッセンブリッジ の音楽公演も舞台ではないところで演奏するので、通常は存在する垣根のようなものがないし、よりダイレクトに伝わりやすいと考えています。また、そこで演奏される音楽が、この街から生まれたものであれは、よりいいよなぁと思っています。
過去から受け継がれてきた文化に、新しいやり方や新しい人が加わることで、それを何かこう主体的に、私たちの時代の文化として体内にインストールするみたいな受け継ぎ方もあると思うんです。博物館のように、ただ昔のものを飾っておいて鑑賞する方向ではなくて、みんなの細胞を通してリビルドする、作り直すみたいなことも面白いと思います。
あと、阿部さんがおっしゃっていたカーニバルの例とかもそうだと思うんですけど、やはり「みんなで声を出すことでモノ化する」みたいなところがあるから。踊りも盆踊りもそうですよね、祭りなので体を動かしたりすることで自分が音楽とよりコネクトするみたいなところはある感じしますね。
アッセンブリッジ・ナゴヤ2020 ブロックパーティーでの盆踊りの様子
Ville avec un portー港がある街
古橋
今回の音源は特にそうでしたが、歌詞というか言葉がないですよね。だからその曲を聞いたときに、その印象をどういう言葉で表現するのかみたいなところは、みんな、なんていうんだろうなぁと考えてました。それで、みなさん、「フランス」とか「異国情緒」とか「人」とか…「映画のワンシーン」というのもありましたねえ。それぞれに読み取るんだなぁと。大変面白く聞かせていただきましたが、それは一体何がどんなふうに見えてるんだろうって思うんです。音やメロディーから、浮かび上がる景色があるんでしょうか。
岩田
アコーディオンの音色に、手回しオルガンのような、それこそフランスのサーカスのようなイメージが浮かびました。今回のタイトルは、フランス語ですが、hachiさんがタイトルを決めたんですか。
hachi
はい。
岩田
何か決め手はあったんですか?
hachi
仮のタイトルは、音景色でした。だけど、このプロジェクトを通して生まれてきた曲なので、だんだん「みんなとまち(ミーミレソレ)」を前に出してもいいのかなと思うようになって。Google翻訳で「港がある街」をフランス語で調べていたら、なんか素敵な言い回しが出てきたので、それを題名にしてしまいました。
古橋
では、アベックの意味は?
岩田
with、一緒に、共にでしょうか。
hachi
制作途中でミカちゃんと話ながら、タイトルどうしよか?と話していて。少し時間を置いて、このタイトルに出会って、1人でワクワクしていて、このタイトルどうかな?って提案してみました。
mica
私にはもう新し過ぎて、ジャッジとかいう範疇ではなく「へー!!」って言いました。「へー凄いなぁ!このチラシ一枚からどこまで行くのかなぁ〜」と思って(笑)。
面白がってますね。
古橋
楽しそう(笑)。
mica
ええ、でも中々こんな自由なクリエイションってないですよね。
コンセプトだけが走ってて、後は何にも決まってない。ただ進むって言う中で、作品が次々と生まれてくる。
そのこと自体が既に面白いんですが、さらにはmica+hachiの音ではなかったようなものまで生まれ始めたという点も意外でした。それは阿部さんの風もあるし、皆さんのこの風通しの良さというか、アイデアに対して「いいじゃないですか!」と言っていただくことで、背中を押され、すごく自由になる感覚があります。
古橋
阿部さんにチラシを作って頂くプロセスを通して、いろんな事が整理されていったという実感がありました。デザイナーさんの脳をお借りする感じでお話しを聞いてもらうと、雑然としていたアイデアが整理されていって、足りないものや考えるべきところが見えてくるというか…あるべきものがあるべき位置に納まっていくというか。これは僕の主観ですが、デザイナーにはそういう能力があると思います。
阿部
チラシづくりは、クリエイションというより伝えたいという思いが一番大切ですよね。だから、そこを中心にして考えていくと、引っ張られるようにして(自然と)言葉とかが出てくるところはあるんじゃないかなと思います。それで、リードやコンセプトの文章がよりクリアに見えてきたのかも。チラシをつくるって、企画を一旦整理するようなタイミングでもありますよね。
古橋
本当にその通りですね。了徳寺さんは、今回の音源を聴かれてどうでした?
了徳寺
僕は音源を聴いたときにカフェで作業をしていたんですけど、本当にびっくりしてしまって。僕も今までにmica+hachiさんのいろいろな音楽を聴かせていただいてたんですけど、今回はなんだか毛色が違うような気がして、なんというかmica+hachiさんが演奏していることを忘れてしまうくらい(笑)。それくらい違いました。
細かい話で言うと、グロッケン(鉄琴の一種)が入ってくるあたり、それはやっぱり日本から見た彼方の世界という感じが出てました。実際に外国へ行ってみるとそんなにキラキラした世界じゃないんですが、どうしてもそう想像してしまう。ピアノに対してグロッケンの高音が入るあたりは、日本からキラキラする異国の地を見ているような印象を受けましたね。
hachi
確かにタイトルはフランス語なんですけど、曲調そのものはフランスを意識して作ったわけではなかったです。このフレーズに寄り添った楽曲を作っていて、だけど港のある街だなぁ、映画のワンシーンみたいだなぁ、みたいなことはイメージしていました。みなさんのいろんな印象が聞けてとても楽しいです。
古橋
離れている、キラキラしているという意味では、現在から見る過去の印象という言い方もあてはまるかもしれませんね。
mica
阿部さんが新旧両方の入口を用意して下さったのも凄く良くて、私が前回、港区音頭と蘇州夜曲を繋いでみようと思ったのも、そんなような感覚だったのかなぁと再確認しました。私にとってはすごくそこが面白かったです。
古橋
今日はありがとうございました。今回も色々聞かせいただいて楽しかった。
mica
コンサートが実施できなかったので、阿部さんに実際にはお会いできていないんですけど、私たちは、また何か機会があればぜひ阿部さんとご一緒したい気持ちでおります。
阿部
いや私の方こそ、近い未来にお会いできるのを楽しみにしてます。
次回へつづく。
このインタビューは、愛知と東京を
インターネットで結んで行われました。
写真左上より:古橋,岩田,長谷川,mica,阿部,了徳寺
プロフィール
阿部航太/Kota Abe
デザイナー、文化人類学専攻
1986年生まれ。埼玉県出身。2009年ロンドン芸術大学卒業後、廣村デザイン事務所入社。2018年同社退社後、「デザイン・文化人類学」を指針にフリーランスとして活動をはじめる。2018年10月から2019年3月までブラジルはサンパウロに滞在し、現地のストリートカルチャーに関する複数のプロジェクトを実施。帰国後、阿部航太事務所を開設。2019年ブラジルのグラフィティライターを追ったドキュメンタリー映画『グラフィテイロス』発表。ストリートイノベーションチームTrash Talk Club、アーティストとデザイナーによる本のインディペンデントレーベルKite所属。2019年に「MAT, Nagoya・スタジオプロジェクト vol.5」に参加。約2ヶ月間、港まちにて滞在制作を行なった。
mica+hachi/ミカハチ
mica bandoと長谷川久美子による、アンサンブルユニット。主に鍵盤楽器と声を用いる。音が作る空間、「まち」と「ひと」の繋がり、その瞬間に生まれる音楽を大切にするコンサート「オトケシキ 」を筆頭に、日本各地でコンサートやワークショップを行っている。
坂東美佳/mica bando
愛知県生まれ、東京都在住。
鍵盤楽器と声を用いてパフォーマンスや楽曲制作を行っている。2019-2020年六甲ミーツアート「ザ・ナイトミュージアム」、越後妻有「Gift for Frozen Village/ 雪花火」、2018年山口ゆめ花博「KiraraRing」「夢のたね」髙橋匡太作品音楽担当、2014-2018年パフォーマンスプロジェクト「SLOW MOVEMENT」他音楽担当、2018年オリジナルアルバム「Anonymoth」発表。東京芸術大学音楽学部ピアノ科・バークリー音楽院シンセサイズ科卒業。
長谷川久美子/Kumiko Hasegawa
東京都在住。
ピアノの遊び弾きから自然と作曲をはじめる。東京音楽大学作曲科 映画・放送音楽コース卒業。ピアノ連弾ユニットHands two Handsとして活動後、映画やCM音楽の作曲、アーティストへの楽曲提供やアレンジなどを手がけながら、池田綾子、松本英子、手嶌葵らのピアノサポートをつとめる。幅広い音楽活動の中、あらためて自身の音楽の原風景に立ち返り、2019年、1st.ソロアルバム「花を摘む」をリリース。
岩田彩子/Ayako Iwata
愛知県在住。
アッセンブリッジ・ナゴヤの音楽部門ディレクターを2017年より務める。生涯学習としての音楽のあり方や、演奏家の社会的繋がりに関心を持ち、コンサート企画や、音楽教育に携わる。
了徳寺佳祐/Keiske Ryotokuji
愛知県在住。
アッセンブリッジ・ナゴヤの音楽アシスタントとして2018年より制作勤務に就く。長久手市文化の家創造スタッフとして作曲・ピアノの業務にあたる。
古橋敬一/Keiichi Furuhashi
愛知県在住。
港まちづくり協議会事務局次長。学部時代にアラスカへ留学。アラスカ先住民族の文化再生運動に触れ大きな影響を受ける。帰国後、大学院へ進学すると共に、商店街の活性化まちづくり、愛知万博におけるNGO/NPO出展プロジェクト、国内および東南アジアをフィールドにするワークキャンプのコーディネーター等の多岐にわたる活動に従事。多忙かつ充実した青春時代を過ごす。人と社会とその関係に関心がある。2008年より港まちづくり協議会事務局次長として、名古屋市港区西築地エリアのまちづくり活動を推進している。
アッセンブリッジ・ナゴヤ