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年末セール商戦toオンラインショッピングの便利さの裏側 2023-2024 edition
Amazon Primeを解約した。
シャイナタウンのサスティナブルオフィサー兼"able sustain."担当のエリナです。
タイトルに続いてこのワードに驚きがあると思いますが、その経緯と伝えたいメッセージをお届けします。(所要時間2-3分)
Prime特典はアニメ視聴で活用
年間契約にしていたため、まだ294日間の残余期間があったものの、こういうのはタイミングだと思って解約ボタンを押した。
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解約前にどれだけユーザーがPrime特典を活用してきたかを数字でアピールしてきた。
過去1年間で視聴した映画とアニメは124本
これは思っていたよりも多かった。
20分程度のアニメのエピソードが殆どを占める。最近まで2つのアニメを観ていたのだが、ちょうどシーズンの区切りが付いたところだった。一つは別の動画配信サービスでも継続して視聴することができるが、もう一つは惰性で観ていたこともありここでお別れにした。
これまで「1回の配送」がPrime Deliveryで無料になりました
(全然使いこなせていない…)
その1回は何を頼んだかというと車載用バッテリー。
ベランダに置いている小ぶりの太陽光パネルの発電した電気を充電するために購入した。
配達員さんの立場を知る
10キロ近くある、16センチの立方体を抱えて、地上階から階段で上がってきて、受け渡し時に「相当重いですよ」と声かけしてくれた、汗だくの配達員さんとのやり取りを覚えている。
年末商戦が本格化する11月のブラックフライデーは1か月以上前に終わったが、世界各地で従業員がAmazonに対して賃上げと労働条件の改善を要求した他、倉庫労働者がストライキなどの抗議行動を実施した。Twitterでも #MakeAmazonPay のハッシュタグと共に問題を発信する投稿が見られた。
日本でも配達員が立ち上がったのをご存じだろうか。
Amazonの商品を運ぶ長崎市の配達員ら33人が9月15日の午後、配達をボイコットした。2023年7月の「プライムデー」で荷物が増えた際のインセンティブが約束通りに支払われなかったと主張した。
(参考:毎日新聞 2023/9/29 Amazon配達員33人がボイコット プライムデー巡る待遇に不満)
彼ら配達員は、配送拠点から玄関口、いわゆるラストワンマイルを担う「個人事業主」で、Amazonの下請け会社と業務委託契約を結ぶ。そのため残業代などは支給されないほか、労災保険や雇用保険も適用されず、社会保険料の会社負担もない。
配送業者の撤退を経て
Amazonで注文した商品を届ける配送業者の顔ぶれは、ここ10年で大きく変わった。
10年前に佐川急便はAmazonとの配送単価の交渉の末、その配送業務から手を引いた。代わって、ヤマト運輸が引き受けることとなったが、急増する荷物に対して人手が足りず、さらに残業未払い問題や配達不能問題が生じ、撤退。
残業未払いの問題については、2016年にヤマト運輸の元ドライバーが実名告発し明るみになった。結果的にヤマト運輸は労働基準法違反で是正勧告を受け、後にグループの約5万人に対し、2年分、190億円の未払い残業代を支払うこととなった。
そういった流れを経て、Amazonでは現在地域ごとに異なる配送業者と提携して独自の配送網を拡充する他、ラストワンマイルを個人事業主に委託する体制を構築している。
全国各地に散らばる個人事業主への業務委託を「デリバリー”パートナー”プログラム」と呼び、「雇用創出」や「地域の活性化に貢献」すると謳うのであれば、彼らに適切な業務量とそれに見合った対価を支払うと共に、可能な範囲で雇用契約の形態を取るべきであろう。
便利さの裏側に目を向けよう
新型コロナウイルスの感染拡大による「不要不急の外出自粛」で、少し足を伸ばしてショッピングできなくなった期間、多くの人にとってネット通販でモノを買うことが当たり前となり、翌日配送の対応がライフラインとなった。
ボタンひとつで、数十分後に近くのレストランから温かい食事が、翌日には新鮮な海産物から家具まで何でも届く。しかも送料無料だから、少し歩けば店頭で購入できるようなものでもついついポチることに慣れてくるのだ。
私がPrime会員を解約したのは、「スローダウンでいいじゃん」というメッセージを伝える一員になりたいと思ったからだ。
ECサイトは競争に打ち勝つために、送料無料・翌日配送といった利用者に対するサービス向上とコストダウンの両立を目指してきたが、結局その負担を被るのはECサイト自身や配送業者である。
ポチるだけで後は商品を待つだけの消費者として、配達時間の遅れや到着時点での商品の状態の悪さに対して不満を漏らしてしまうのは仕方がない。
しかし問題が起こる背景を知り、そもそも店頭で購入できないか、翌日配送の必要はあるのか、コンビニや職場など確実に受け取れる方法は用意されていないかなど、配送に負担をかけない選択をすることは可能である。
そして心に余裕があれば配達員さんに、感謝の気持ちを伝えるだけでも、ちょっと社会は明るくなるのではないだろうか。(エリナ)