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無責任なメディア???

オーストラリアに出稼ぎに

日本の母と話していると、今、オーストラリアに出稼ぎに行く子が多いのよという。どうも、日本の会社の低賃金と、海外の賃金を比べて賃金の高さのみをメディアが騒ぎ立てている様子。
そして、ワーキングホリデーの協定を結んでいて気軽に行けるオーストラリアを出稼ぎターゲットにして、たくさんの若者がやってくる。

オーストラリアの給料

オーストラリアの最低賃金は21歳以上であれば、AU$23.23であるので、確かに日本のバイト料金と比べたら、若者にとっては高いのだろう。しかし、ここから19%の税金を引かれたら手取りはAU$18.81。そして何よりも食費が高い。ビックマックセットが2024年1月時点でAU$13.45。それを考えたら、総合的にはオーストラリアでの生活の方が苦しいのではないだろうか。むしろ、日本に住んでいた方が安くて美味しいものがたくさん食べれる、と私は思ってしまう。

出稼ぎで本当に稼げる人は一握り

出稼ぎと言ってやってきて、お金をためて日本に帰れるくらい稼げる人は、一握りに過ぎないのではないかと思うのは私だけだろうか。

英語が全然話せない、最低限の貯金だけ持ってやってきて、仕事くださいという若者が後を絶たない。

Facebookの日本人コミュニティーには、ワーホリでケアンズにやってきました。仕事を探しています。何か情報下さい。英語は話せません。という、投稿が毎日のようにされている。

まず、このような投稿をFacebookにしている時点で、出稼ぎはできない。むしろ、今月仕事なしで生き延びれるか考えた方が良い。

お金を稼ぐには、英語力とスキルが必要だ。
今年は自分の会社を作ってみようと思って退社してしまったが、辞める前の私の時給はAU$80位。会社はオーストラリアの企業だった。

私の周りでも、時給AU$50越えの友人は英語もしゃべれ、資格やスキルをもって現地のオーストラリア企業に勤めている。

ワーホリに来ているのは日本人だけではない

ここで忘れてはいけないのが、ワーホリに来ているのは日本人だけではないということ。特にオージーに交じって、カフェで働きたいと思っている日本人のワーホリの方も多い。ところが、英語が話せないのでバリスタの資格を持っていてもなかなか採用されず、日本人経営のレストランへ応募に行く。日本食レストランであれば自分が日本人であるから、きっと採用されるという甘い期待をもとに行くのである。しかし、日本人経営のカフェや、日本食レストランにくるお客は英語を話す人たちなのである。英語を話せなければ、やはり仕事がない。

オーストラリアには、今、色々な国からワーホリを利用してたくさんの若者がやってくる。とりわけイギリス人やヨーロッパ出身者が多い。私が働いていた企業でも、イギリス人やアメリカ人の、もともと英語が母国語の人が受付や事務員として採用されていた。しかも彼らは、最低賃金では働かない。そして企業も、最低賃金でなくても、彼らを雇うのである。英語が話せることはその位必須なのだ。

そして、アルバイトとして働きたいのは何もワーホリの若者だけではなく、学生もまた日本と同様アルバイトとして働きたいのである。

競争率が高いのは仕事だけでなく住むところも

もう一つ、オーストラリアは住むところを探すのも、ひと苦労あるという現実も覚えていた方が良いかもしれない。

まず、ワーホリの人は不動産屋を通して部屋を借りるということはできない。定職がないからである。なので、ワーホリので来た人は部屋を間借りすることになる。

数十年前の話で、2ベットルーム(日本でいう2LDK)に12人で住んでいるという友人がいた。1つの部屋に2段ベットが2つあり各部屋に4人、それで計8人。そしてリビングルームに2つの二段ベットがおいてあり、そこに4人というわけだ。安く、シドニーのシティ中心部に住みたいからという理由だったが、私には到底無理だなと思いながら話を聞いたことがある。更にすごい強者にも出会った。部屋は同じようなベットの配分だが、その子はベットを12時間だけ使うシェアをしていた。彼は大学生だったので、昼間は学校に行くから、夜にベットを利用し、夜間の仕事をしているワーホリの人が昼間にベットを利用するという。出稼ぎをするということは、おそらくその位しないと、今でもお金は貯められないのではないかと思う。

オーストラリアで部屋を借りる際、誰でも自分一人で使える部屋を借りたいと最初は思うはず。金銭的余裕があればそれが良いと思う。やっぱり、自分一人の時間も必要だから。

地域差はあると思うが、ひと部屋1週間AU$200~$400位で見積もっておけば間違いない。オーストラリアは部屋の値段は週単位。1週間いくらというように見る。日本の感覚で、月単位と思っていると後でびっくりするので覚えておこう。なので、1週間平均AU$300だとして、ひと月借りればAU$1200かかる。しかも間借りである。なので、時給も高いが、家賃も高い。税金を引かれた最低賃金で、この家賃を支払うとなれば、月で64時間は働く必要があるし、それに食費なども含めたら、それ以上働く必要がある。最低でも週3日、1日7時間以上働かなくては、生活費を叩き出せない。そして、出稼ぎにきたのであれば、お金を貯める必要もあるから、毎日働かなくてはいけないのだが、それだけの時間数を雇ってくれるところを探すのが大変なのである。

また、Facebookコミュニティに部屋探してますと投稿する人もいるので、こちらも紹介しておこうと思う。こちらは部屋を探している人に使われているサイトである。もちろん英語で。

https://flatmates.com.au/

別にワーホリに来たい人たちを脅しているわけでもなく、来るなと言っているわけでもない。ただ、メディアに踊らされてくるのではなく、現実を知っておいて欲しいというだけであり、仕事探しはオーストラリアでも競争率が激しいし、部屋探しも大変、そして住むにはそれなりの生活費がかかって、出稼ぎをできるかはわからないということを心にとめておいて欲しいということである。お金を貯められなくても、オーストラリアに来て仕事をし、生活し、広いオーストラリアを旅行したら、価値観も世界観も変わるはず。お金だけを目的にするのではなく、ぜひオーストラリアを楽しみに、来て欲しいと思う。




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